Y!mobileのポケットWifiにある「標準モード」や「アドバンスモード」。
違いがよく分からない、どう使い分けたらよいのか分からないという人のために、モード別の特徴や、気になる速度制限やエリアについても本記事ではまとめてあります。
アドバンスモードについて、以下で詳しく解説していますので、一緒に見ていきましょう。
Y!mobileの標準モードやアドバンスモードとは?
Y!mobileの「標準モード」「アドバンスモード」とそれぞれの違いは以下の通りです。
標準モードは7GBの通信容量超で128Kbpsの低速化
(画像引用:Y!mobile公式HP)
Y!mobileのポケットWifiの料金プランは「Pocket WiFi プラン2(ベーシック)」「Pocket WiFi 海外データ定額」です。
標準モードでは、各プランの月額通信容量を超えると、請求月末まで送受信時最大128Kbpsの速度制限に掛かるという速度制限があります。
(画像引用:Y!mobile公式HP「Pocket Wifi プラン2」)
スマホで速度制限に掛かったことがある人は分かると思いますが、128Kbpsの通信というのはかなりイライラしてしまう速度です。
検索程度ならできますが、画像の多いサイトの表示やInstagramの利用などは厳しいでしょう。
アドバンスモードは752円.4/月の有料オプション。データ通信は無制限!
7GBの通信なんてすぐに使ってしまうし、月間速度制限には掛かりたくないという人に向いているのが、有料オプションのアドバンスモードです。
標準モードの「Pocket Wifi プラン2(ベーシック)」に752.4円/月(税込)プラスすることで、データ通信量を無制限に使うことができます。
(画像引用:Y!mobile公式HP)
オプション契約であるため、アドバンスモードで通信しなくても月額料金は掛かる
アドバンスモードの切替は自分で端末の設定を変更しなければいけません。
モードの切替を忘れてアドバンスモードを一切使っていなかったとしても、オプション料金は取られてしまいますので気を付けてください。
月額単位で申し込めるので、必要ないようであれば早めにオプションから外すと良いでしょう。
特に違約金などは掛かりません。
なお、以前までは3ヶ月無料キャンペーンをやっていましたが、既に終了しています。
契約はショップや「My Y!mobile」から手続きしよう
アドバンスモードの契約は、Y!mobileショップや「My Y!mobile」から手続きすることができます。
無制限で通信したいと思っている人は、端末購入時に同時に申込みをしておくと良いでしょう。
「MY Y!mobile」のサイトからは、以下の図で赤丸で囲んだメニューから変更が可能です。
(画像引用:Y!mobile公式HP「My Y!mobile」)
アドバンスモードで使われるTDD-LTE方式とAXGP方式って何?
標準モードとアドバンスモードでは、それぞれ使われる通信方式が異なります。
方式 | 内容 | |
標準モード | LTE | SoftBank 4G LTEと同じ。 (FDD-LTE方式) |
AXGP | SoftBank 4Gと同じ。 PHSから発展 |
|
アドバンスモード | ||
TDD-LTE | SoftBank 4GWiMAX2+と同じ。 無線通信から発展。 |
(参考:「KDDI用語集」)
標準モードで使われているのがLTEとAXGP方式、アドバンスモードで使われているのがAXGPとTDD-LTE方式です。
モードによって使われる通信方式が違うことが分かります。
通信方式がエリアにも関係してくるので、これらについても押さえておきましょう。
AXGPはSoftBank 4Gと同じ通信方式
AXGPとは、旧ウィルコムのPHSの技術を発展させた通信方式です。
AXGPの規格はTD-LTE方式と適合するため、2つの通信方式を同時に使ってより速い通信を可能にするキャリアアグリゲーションを利用した通信も最近では多いです。
TDD-LTEはFDD-LTE方式と異なる通信方式
TDD-LTEとは、無線通信技術を発展させた通信方式で、WiMAX2+もこれに該当します。
ちなみに、一般的には広くTD-LTE方式と呼ばれますが、Softbank系の通信会社はTDD-LTE方式という表記です。(ここでは「TDD-方式」=「TD-LTE方式」として扱う)
FDD方式とTDD方式の違いは、通信の上りと下りで使う周波数の使い方にあります。
FDD方式は、上りと下りで異なる周波数を使って通信しますが、TDD方式は同じ周波数を短時間で切り替えながら通信するというところが大きな違いです。
4G LTE通信のFDD方式は、700~900GHzのプラチナバンドと呼ばれる周波数帯域を使いますが、TDD方式は2.5GHzの高周波数帯で通信します。
高周波数帯は壁や高い建物などの障害物に弱いというデメリットがある一方で、上りと下りで同じ周波数を使うことで通信に応じて弾力的に配分を調整できるというメリットがあります。
例えば、ダウンロードが多い時は下りの通信量分を増やすといった具合です。
つまりこのことから、アドバンスモードはTDD方式のみの通信であり、屋内でも使いやすい4G LTEの電波での通信は標準モードに切り替える必要があることが分かりますね。
アドバンスモードを使うときに注意したい4つのこと
では、アドバンスモードを使うときにはどのようなことに注意する必要があるのでしょうか。
アドバンスモードが使えるプランや端末かどうかを確認する
アドバンスモードが使える標準モードは、7GBまで使える「Pocket Wifi プラン2(ベーシック)」です。
また、アドバンスモードが使えるのはTDD-LTE方式に対応している端末です。
最新端末をはじめ、ほとんどの端末で使うことができます。
(803ZT, 801HW, Pocket Wifi 701HW, Pocket Wifi 603HW, Pocket Wifi 504HW, Pocket Wifi 502HW)
ただ、Pocket WiFi 701UCは、「Pocket Wifi 海外データ定額」の専用端末であるため、アドバンスモードを使うにはソフトウェア更新が必要になります。
端末画面下部の「その他」から入ってアップデートしておくと良いでしょう。
いずれの端末においても、アドバンスモードを使うにはモード設定を変更しなければならないため、機種によって設定方法は異なりますが、簡単な流れを記載しておきますので参考にしてください。
【端末で設定する場合】
- ホーム画面の「設定」を選択
- 「ネットワーク設定」を選択
- 「標準モード」を選択
- 「アドバンスモード」を選択
- 「アドバンスモード対応エリアのみでご利用いただけます。設定を変更しますか?」のお知らせが表示されるので「はい」を選択
- 設定完了
【パソコンから設定する場合】
- USB経由または無線LAN経由で端末とパソコンを接続
- ウェブブラウザを起動し、アドレス入力欄に「http://web.setting/」または、「http://192.168.128.1/」と入力し、「WEB UI」を起動する
- 設定をクリックする
- パスワード入力欄にパスワードを入力して「ログイン」をクリックする
- メニューから「モバイルネットワーク設定」>「モバイルネットワーク」を選択
- 「ネットワークモード」を選択して、「適用」をクリックする
- 「はい」をクリックする
- 「適用しました」と表示されてば設定は完了
(参考・引用:Y!mobile公式HP「ネットワークモードの設定方法」)
アドバンスモードが使えるエリアかどうかを確認
プランや端末の確認をしましたが、アドバンスモードが使えるかどうかはエリアの確認も重要です。
TDD-LTE方式の電波を拾えないエリアの場合は、端末が対応していてもアドバンスモードで使うことはできないからです。
(引用:Y!mobile公式HP「Pocket Wifi 801HWの対応エリア」)
上図で言うと、赤色が標準モードで使えるエリア、紫色がアドバンスモードも使えるエリアです。
紫色のエリアは県庁所在地や都心部が中心で、それ以外の地域は4G LTEにしか対応していません。
つまり、赤色のエリアではアドバンスモードを使うことができないというわけです。
全国各地のエリアを見ると、一部地域に限られている様子がよく分かりますね。

引っ越しをしたら、引っ越し先のエリアがアドバンスモードに対応していなかった。

通勤途中の地域が対応していないから、標準モードでしか通信できないの。
ということもあり得るので、オプション契約をする前に自宅やその周辺はどれくらい使えるかを確認しておくと良いでしょう。
(参考:Y!mobile公式HP「エリア」)
標準モードで7GBを超えたらアドバンスモードも速度制限に掛かる

アドバンスモードなら無制限で使えるから、標準モードで速度制限に掛かったらモードを切り替えて使おうかな。

ちょっと待って。その使い方はできないよ。
「アドバンスモードの契約をしたから、データ通信は無制限で使えるから大丈夫」と思っていませんか。
確かにアドバンスモードなら無制限ですが、あくまでも料金プランは「Pocket Wifi プラン2」なので、標準モードでの通信が7GBを超過した時点で月間速度制限に掛かります。
これはアドバンスモードを一切使っていなかったとしてもです。
パソコンを接続する、大容量通信をするといった、通信量が多くなる見込みのある人は、最初からアドバンスモード設定で接続しておくことをおすすめします。
アドバンスモードは無制限に使えるが速度制限はある
アドバンスモードはデータ通信無制限ではありますが短期の速度制限はあるので、好き放題に大容量通信することはできません。
短期速度制限はアドバンスモードと標準モードの合算で3日10GB以上使うと掛かる
Y!mobileの通信で気を付けたいのは、直近3日間の通信でアドバンスモードと標準モードの合算が10GB以上になったときに速度制限が掛かることです。
もちろん、アドバンスモードだけで3日で10GB使った場合でも制限には掛かります。
3日で10GB以上使った翌日の18時から1時までの通信が送受信時最大1Mbpsに制御されますが、月間制限に比べれば優しい制限だと言えるでしょう。
1Mbps程度なら、YouTubeを標準画質で見ることができる速度です。
3日で10GBいかなくても、通信品質改善のための通信制限もある
大容量通信が当たり前になってきたことで、短期制限の他にデータ通信の利用内容に応じて通信制御を掛けるといったことも行われています。
(引用:Y!mobile公式HP「通信の制限について」)
アドバンスモードを使っていて、短期制限を受けるほど使っていないのに速度が遅いということがあれば、データ通信サービスの内容によって通信を制御されているのかもしれませんね。
では、アドバンスモードを使うにあたって注意したいことをまとめます。
- 対応端末を使用し、料金プランが「Pocket Wifi プラン2」かを確認
- アドバンスモードが使えるエリアかを確認
- 標準モードで7GB以上使うとアドバンスモードも128Kbpsに低速化
- 短期制限は標準モードとアドバンスモードの合算

オートチャージモードに注意!無制限データチャージで高額請求も
(参考:Y!mobile公式HP「オートチャージ」について)
請求月末までの速度制限には耐えられないという人は、500MBの通信量分を550円(税込)で追加で購入することで制限を解除できる制度を利用するという手があります。
ただ、低速化された通信で手続きをするのはかなりイライラしてしまうのではないでしょうか。
そんな人は、通信容量を超過しても自動的にデータチャージされるオートチャージ機能を使えば、速度制限に掛かることなく快適に使うことができます。
チャージ回数には上限を設定することができるので、使いすぎも防げますね。
回数設定が面倒な人はチャージを無制限に設定することもできますが、使い方によっては高額請求の可能性もあるので注意しましょう。
550円/回なので、10回更新で5500円、20回更新にもなると11,000円を月額料金やアドバンスモードオプションに追加して支払わなければいけません。
アドバンスモードで無制限に使っているつもりが、標準モードのオートチャージ機能で使っていたなんてことがあると、想像もしたくない額になってしまいます。
この機能は一度申し込むと翌月にも設定が引き継がれてしまうので、必要が無いと思えばチャージ機能をOFFにすること、上限回数を設定することを徹底しておくと良いですね。
Y!mobileには、料金が一定の上限に達すると通信を止めてメールで通知してくれるサービスもあるので、気になる人はこちらも設定しておくと安心です。
(参考/画像引用:Y!mobile「一定額ストップサービス」)
使い勝手が気になるならWiMAXも検討しよう。
アドバンスモードを使いたときは、以下を必ず確認しましょう。
- 使いたいエリアがカバーされているか
- オプションに申し込んでいるか
- 対応端末でのモード設定の切り替えができているか
速度制限についてもきちんと理解しておくことで、通信量の追加が必要かを見極めることができますね。
エリアが対応していない、無制限にデータ通信をしたいけれど、データの切り替えが手間で使い勝手が悪そうという人は、WiMAXと比較してみても良いでしょう。
アドバンスモードに似たハイスピードプラスエリアモードなどの機能もあるので、気になる人はこちらの記事も参考にしてみてください。
