読み込みが遅くてWiMAXの画面を見たら、アンテナが1本立ったり消えたりしているという経験はありませんか。
アンテナの本数を増やすためにできること、実はたくさんあるんです。
本記事では、アンテナを1本から4本にするための方法や自作アンテナについて解説していきます。
WiMAXのアンテナが立たないのはなぜ?
WiMAXのアンテナが立たない原因は、主に3つに分けて考えることができます。
- WiMAXを使う環境の問題
- WiMAXの端末の問題
- WiMAXの基地局の問題
では、一つずつ見ていきましょう。
WiMAXを使う環境に問題がある
WiMAXのアンテナがほとんど立たない時の多くは、通信している場所に問題があります。
高周波数帯の電波は障害物に弱い
WiMAXの電波は、スマホなどで使われる電波よりも高い周波数です。
高周波数帯は、コンクリートの壁や高い建物などの障害物を透過することが難しいため、場所によっては電波が届きにくくなってしまいます。
地下やビル、ショッピングセンターなどはそういった障害物が多く、自宅でも窓際よりも奥まった部屋は電波が拾いにくい環境と言えるでしょう。
そもそもWiMAXのエリア外で通信している
以前、山へキャンプに行った時は移動中にアンテナが1本になり、最終的に圏外になりました。
WiMAXのエリアは全国的にカバーされていますが、地方や一部地域では対応していないところもあります。
旅行先で使いたくてもエリア外であれば残念ながら使えません。
遠出前には公式サイトであらかじめサービスエリアを確認しておくと良いですね。
(引用:UQ WiMAX公式HP「WiMAXのエリア確認」)
WiMAXの端末に問題がある
奥まった部屋やエリア外で使っているわけではないのにアンテナ立たない時は、端末側に問題がないかを疑ってみましょう。
UIMカード(SIMカード)が入っていない
スマホもWiMAXも、通信するために小さなカードが入っています。
WiMAXではUIMカードという、SIMカードと同じようなカードが入っていて、これがないと端末だけでは通信ができません。
使い始める時や中古で端末を手に入れた時にアンテナが全く立たない場合は、UIMカードが入っていない可能性が高いです。
UIMカード(SIMカード)の接触不良
UIMカードが入っているのにアンテナが立たない場合は、カードの接触不良の疑いがあります。
端末によって対応するUIMカードの大きさは違うので、種類や向きに注意して再挿入してみましょう。
なお、故障の可能性があるため、挿入時は金属のIC部分には触れないように気を付けてください。
(参考:Speed Wi-Fi Next 「W06取扱説明書」)
電波を送受信する基地局に問題がある
使用環境にも端末にも問題が見つからない時は、基地局側に問題があるのかもしれません。
通信障害が起きている
「OSのアップデートで急激に通信量過多になった」「台風による影響」など様々な理由で通信障害や通信遅延が発生することがあります。
数時間で解消されることもあれば、復旧に数日掛かるということもあるので、通信障害が疑われる場合はニュースや公式サイトを確認してみましょう。
(参考:UQ WiMAX公式HP「障害情報」)
工事などのメンテナンス中である
自宅の最寄りの基地局が長時間メンテナンス中であった場合は、アンテナが突然立たなくなることがあります。
工事は平日に限らず土日に行われることもあり、場所によっては数日工事する箇所もあるようです。
いつもよりもアンテナが立たないという時は、基地局のメンテナンス中かどうか確認してみてください。
(画像引用:UQ WiMAX公式HP「工事のお知らせ」)

WiMAXの基地局はどこ?設置場所はマップや検索で調べられるの?
WiMAXのアンテナが立っているのに繋がらない場合
WiMAXのアンテナがばっちり4本立っているのにWifiが繋がらない場合、端末までの電波は受信できている状態であるため、スマホやパソコンなどの受信端末側に何か問題があると考えられます。
端末を再起動する、Wifiを再接続するなどの方法で改善されない時に試した方法もいくつか別記事で解説しているので、参考にしてみてください。

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WiMAXのアンテナの本数を増やす方法には何があるの?
それでは、WiMAXのアンテナを増やす方法をいくつか見ていきましょう。
電波増強のためにWiMAXを改造することは絶対にしてはいけない
絶対にしてはいけないこととして、WiMAXの改造行為が挙げられます。
メカに強い人が電波増強のためにWiMAXを改造していることもありますが、改造した端末には保証がききません。
軽い気持ちで端末をいじって故障したとしても、WiMAX側は修理や交換をしてくれなくなってしまいます。
電波感度を上げる方法は他にいくつもあるので、無理せずにできるものから導入していきましょう。
UQ宅内アンテナ(フェムトセル)はメリットが少ないため申込みは慎重に
UQ WiMAXでは、基地局から遠いなど自宅での電波が弱いユーザーに対し、WiMAXの「UQ宅内アンテナ(フェムトセル)」と呼ばれるアンテナの設置サービスを無料で提供しています。
(画像引用:UQ WiMAX「UQ宅内アンテナ」)

え?宅内アンテナってのを付けるとWiMAXの電波が強くなるの?

しかも無料?いいじゃない!

良さそうに見えるけど、デメリットも多いんだよ。
ただ、この宅内アンテナにはいくつかデメリットがあるため、申込みは即決せずに一度以下の内容を確認してみてください。
auひかりやフレッツ光などの固定回線の契約が前提
(画像引用:UQWiMAX「宅内アンテナ概要図」)
「宅内アンテナ概要図」を見ると、UQ宅内アンテナと「GPS受信機」や「ホームゲートウェイ」がケーブルで接続されていることが分かります。
すなわち、宅内アンテナは固定回線を使ってWiMAX2+ネットワークに接続する通信方法です。
UQ宅内アンテナの機器だけでは電波改善はされず、固定回線を使った有線通信を使う必要があります。
さらに、使用する固定回線は以下の6つのいずれかの回線でなければいけません。
- auひかり
- auひかりちゅら
- J:COM NET
- コミュファ光
- フレッツ 光ネクスト(NTT東日本)
- フレッツ光ネクスト(NTT西日本)
固定回線代わりにWiMAXを使っている人からすると、固定回線が必要というのは本末転倒ですよね。
月額料金・初期費用は無料、違約金もなし。ただし電気代は掛かる。
UQ宅内アンテナの貸し出や設置に掛かる費用は、UQ側が負担してくれます。
月額料金や初期費用は一切掛からず、定期契約でも無いため違約金もありません。
ただし、宅内アンテナやGPS受信機を利用するにあたって必要な電気代は自己負担です。

それだけ無償で設置してもらえるなら、電気代くらい負担しても大したことないのでは?

24時間GPSを使うと、思ったよりも消費するのよね。
ポケモンGOや地図アプリを使った時を思い出してみてください。
充電の消耗が激しく一気に電池が無くなることから分かる通り、GPSを使った通信は情報量が多いため、多くのエネルギーを要します。
宅内アンテナとGPS受信機の電気代は自分で負担しなければならず、完全に無料で使えるわけではないことを踏まえて契約しましょう。
UQ側に設置してもらう必要あり
宅内アンテナや受信機を自分で取り付けることはできません。
設置時は自宅の中まで入ってもらい、設置してもらう必要があります。
また、設置後に少し動かすくらいなら大丈夫ですが、別室に宅内アンテナを移動させるような時はあらかじめUQ側に相談しなければいけません。
電波法に従って無線局免許を取得しなければならない
宅内アンテナを室内に設置するということは小型基地局として運営することになり、居住者は電波法に基づいて無線局免許を取得することになります。
手続き自体はUQ側がしてくれるので、申請に不安を感じる必要はありません。
申請時には以下の情報が総務大臣に提出されます。
【免許状記載事項】
免許人 (UQ)、免許人住所、無線局種別、免許の番号、免許の年月日、免許の有効期限、無線局の目的、運用許容時間、通信事項、通信の相手方、無線設備の設置場所 (お客さまの住所)、電波の型式および周波数、空中線電力
(引用:UQ WiMAX公式HP「UQ宅内アンテナ(UQフェムトセル)の概要について」)
電波法に反する行為や命令に従わなかった場合は、法律に従って罰則を受ける可能性もあるので、注意事項等をきちんと守るようにしましょう。
アンテナを破損・紛失した場合は25,300円の支払いを求められる
月額料金や工事費用は掛かりませんが、もしアンテナを壊したり紛失してしまった場合は25,300円(税込)の請求が待っています。
宅内アンテナはあくまでもレンタルしているだけなので、正常に動く状態で返却できない場合は費用を支払わなければなりません。
何かの拍子に倒して破損してしまうことのないよう、注意する必要があります。
WiMAXの置き場所を見直す

アンテナの設置は何だかハードルが高いな。

お金を掛けずにできる方法もあるよ。
固定回線は引いていないし、リスクも抱えたくないという人は、基地局からの電波を受信しやすいように通信環境を見直してみましょう。
WiMAXを窓際に置くようにする
基地局から電波を受信しやすいように、可能な限り窓際にWiMAXを置いて使ってみましょう。
天気の悪い日に窓を開けたままにして雨ざらしにならないように気を付ける必要はありますが、テーブルなどに置くよりは電波を受信しやすくなるはずです。
WiMAX本体の向きを少し変えるだけでも受信のしやすさが変わるので、色々な向きに傾けながらアンテナが立ちやすいところを探してみましょう。

【WiFiが届かない】2階や寝室、お風呂まで無線LANの電波を飛ばすには中継器が良い?ルータの場所やアンテナの向きにも着目しよう
Wifi干渉しないようにする
周囲にWifiを使っている機器があれば、互いの周波数が干渉してしまい電波が届きにくくなっているということもあります。
最近はBluetooth接続を利用した製品も多く、我が家ではコーヒーやイヤホンなどを同時に使い、固定回線の無線LANを飛ばしているため、たまに機器接続がうまくいかないことも。
WiMAXは2.4GHz帯域と5.0GHz帯域とを切り替えて使うことができるため、無線LANや家電での使用が少ない5.0GHz帯域に切り替えることで、アンテナが立ちやすくなる場合もありますよ。

クレードルを購入して有線接続する
WX05やWX04を使っている人に特にオススメしたいのがクレードルの利用です。
クレードルに置くだけで、両端のWウィングによって電波感度を高めることができます。
また、固定回線がある人は各機種のクレードルと有線接続することで速度面の改善も見込めるので、宅内アンテナを購入するよりもリスクも費用も低く済ませられそうですよね。
2020年2月現在、WX05のクレードルはUQ WiMAXのアクセサリーショップから購入することが可能です。
パラボラアンテナは5,000円から10,000円で購入できるが設置は難あり
電波を受信しやすくするためには、パラボラアンテナの購入も選択肢の一つです。
ただ、パラボラアンテナは5,000円から1万円ほどの費用が掛かることや、集合住宅では管理会社や大家さんの了承を得なければならないケースもあるため、設置にはハードルが高いという印象を受けます。
アンテナを自作してWiMAXの電波を強くする。220円で4倍速度が上がる!!

置き場所を変えたけれど、そこまで変わらない。
でも電波法に縛られたくない…。

自作アンテナを作ってみようよ!
お金を掛けずに電波感度を高める方法に、自作アンテナを作るという手があります。
実際に自作アンテナを使うことでどれほど感度が良くなるのか、見ていきましょう。
100均(Seria)のステンレスボウルとハンカチスタンドで自作アンテナが作れる
私の自宅はWiMAXとの相性がかなり悪く、普段からアンテナが1本しか立ちません。
できるだけ費用を抑えてこの状態を改善できないかと思い、100均に行ってみました。
自作アンテナの材料として購入したのは、以下の4品です。
- ハンカチスタンド
- ステンレスボウル(口径18cm)
- ざる
- アルミホイル
パラボラアンテナに構造を近づけるために、おわん型の大きな容器を2つ購入。
その中央にWiMAXを安定して置けそうなハンカチスタンドは縦にして使います。
ざるにはアルミホイルを3重にして巻きました。
なお、実測にあたって使用したのは、回線速度などを測定できる「SPEEDTEST」の無料アプリです。
【実測条件】
- WiMAX:W01
- スマホ:iPhone SE
- 天気:晴れ
- 時間帯:平日22時半~23時
まずはアンテナが1~2本にふらつく普段の状態で速度を計測しました。
3度計測したところ、下り速度は1~2Mbps前後、上りは0.2Mbpsほど。

正直、この速度で通信するのはつらいです。
では、購入した材料を使って試してみましょう。
【ステンレスボウルとハンカチスタンドの自作アンテナ】
ボウルとハンカチスタンドを組み合わせて、ボウルの中心にWiMAXがくる高さにセットして実測してみました。。
テープなどで特に固定しなくても、スタンドにボウルとWiMAXがちょうどハマってくれます。
部屋の色々な場所に置いたところ、アンテナが4本立つ場所がいくつも出てきました。

自宅で4本立つのを見るのは、以前のアパートに住んでいた時以来です。
電波状況の良い場所で測定したところ、結果は次のようになりました。
自作アンテナを使わない時と比べて、下り速度と上り速度やジッターも全て上がっています。
元々の数字が悪かったというのはありますが、ボウルを使っただけで下り速度は約4倍、上り速度は約10倍です。

確かに、以前よりもLINEの画像の読み込みが速く、ネットもサクサク使えました。
電波をキャッチするにはアルミが良い、という話も聞いたことがあったので、次はアルミホイルを巻いたざるを使って実測してみます。
【ざるにアルミホイルを巻いた自作アンテナ】
この状態で窓際に設置すると、アンテナはやはり3~4本立ちます。
速度は下り8Mbps前後、上りで1Mbps前後出ました。
先ほどよりは少し落ちましたが、0.1Mbpsで推移することの多い我が家の上り速度が安定して1Mbps以上出るのは嬉しいですね。
アンテナの受け皿が広く、できればアルミ製の方が電波を受信しやすくなるので、自宅に大きめのアルミ製ボウルがある人は、それで試してみてもいいかもしれません。

アンテナは設置する場所や向きがポイント。部屋のあちこちで試してみよう
WiMAXを窓際に置いてもアンテナがふらふらとしている我が家でも、たったの220円で通信環境を改善することができました。
今回一番安定して速度が出たのは、窓際に自作アンテナセットにWiMAXを逆さに置いた状態で、建物が少ない方向に置いた時です。
部屋の中央や、建物が多い窓際に置いて試してみましたが、普段よりもほんの少し速い程度の速度しか出ませんでした。
アンテナの向きや場所を少し変えるだけでもかなり変わってくるため、自作アンテナを作っても大して速度が変わらなかったという人は、部屋のあちこちで試してみると電波の入りがいい場所が見つかりますよ。
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クレードルと自作アンテナを組み合わせてより電波を拾いやすくしよう
アンテナの本数を増やす方法として、自作アンテナを使う方法を紹介しました。
WX05やW05の端末を使っている人であれば、クレードルと自作アンテナを組み合わせることでより感度を高めることができます。
自作アンテナには、大型パラソルにアルミホイルを貼るなどの方法も他にありますが、あまり大きいと部屋に置きづらいですよね。
自作アンテナは少し見た目にインパクトがあるので、他の方法を検討しているのであれば、WiMAXよりも電波感度が高い置くだけWi-Fiを検討してみても良いかもしれません。

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