光回線をマンションで利用するなら、まずは回線が引き込まれているかを確認するところから始まります。
マンションのインターネット配線方式は様々、管理の仕方も様々です。
配線方式や契約内容によっては工事ができなかったり、遅い速度での通信になったりしてしまうため注意しなくはいけません。
本記事では、マンションで光回線を契約する手順やその確認方法、おすすめの契約先を解説していきます。
マンションの光回線は配線方式が3種類ある
マンションの光回線の配線方法は大きく以下の3種類に分けられます。
- FTTH方式
- VDSL方式
- LAN方式
FTTH方式(占有型)は、光ファイバーケーブルが直接各戸まで届ているタイプ。
他人と回線を共有しないため、戸建てと同じように速い速度で通信することができます。
それに対してVDSL方式やLAN方式は、集合住宅内の共有スペースを通して各戸で回線を共有して利用する共有型タイプ。
占有型に比べて費用は抑えられるものの、回線を共有しているため夕方や夜間になると集合住宅内の回線が混雑して速度が落ちやすくなります。

マンションで光回線を利用する際は、この3種類からどの方式を採用しているかによって、契約方法や利用方法が変わってくるんだね。
光回線をマンションで利用できるか確認する方法は?
光回線をマンションやアパートなどの集合住宅で利用できるかを確認する方法は以下の通りです。
- エリア検索で住所を入力して調べる
- 大家さんや管理会社に電話をして確認する
- 分譲マンションは、事前の話し合いが必要
- 部屋に光コンセントやLANポートがあるか探す
マンションやアパートの住所を各公式サイトのエリア検索で入力する
賃貸マンションやアパートの入居前にネットが使えるかを知りたい時は、回線会社の公式サイトにあるエリア検索欄に住所を入力して調べてみましょう。
回線会社によってはエリアに対応していないところもあるため、利用したい回線会社は一度は検索しておくことをおすすめします。
NTT東日本/西日本
NTT東日本と西日本では、各サイトのトップ画面から郵便番号検索や住所で調べることが可能です。
NTTは全国的に対応している回線ですが、地域や建物の種類によっては他の回線を引き込んでいるかもしれません。
NTT東日本 | NTT東日本エリア検索 |
北海道・青森県・岩手県・秋田県・宮城県・ 山形県・福島県・新潟県・茨城県・栃木県・ 群馬県・千葉県・神奈川県・埼玉県・ 東京都・山梨県・長野県 |
|
NTT西日本 | NTT西日本エリア検索 |
静岡県・愛知県・岐阜県・三重県・富山県・ 石川県・福井県・滋賀県・京都府・大阪府・ 奈良県・和歌山県・大阪府・兵庫県・ 鳥取県・島根県・岡山県・広島県・山口県・ 香川県・徳島県・高知県・愛媛県・福岡県・ 大分県・宮崎県・佐賀県・長崎県・熊本県・ 鹿児島県・沖縄県 |
(引用/参考:NTT東日本公式HP)

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auひかり
auひかりは、KDDI系のeo光やコミュファ光との棲み分けによって、上図の色付き部分の府県においては戸建てプランの契約をすることはできません。
参考:auひかりエリア外
マンションプランであれば契約は可能なので、auひかりのエリア検索ページから調べてみましょう。
(引用/参考:auひかり公式)
NURO光
NURO光はSONYが運営している光回線通信事業です。
NURO 光 回線が導入されている地域は関東や東海、関西、九州の一部地域に留まっているため、CM等も流れていない地域に住んでいれば初めて聞いたという人も多いでしょう。
NURO光 対応地域 |
北海道・東京都・ 神奈川県・埼玉県・千葉県・ 茨城県・栃木県・群馬県・静岡県・ 愛知県・岐阜県・三重県・滋賀県・ 奈良県・大阪府・京都府・兵庫県・ 福岡県と佐賀県の一部 |
光回線の速度が一般的に1Gbpsといわれるなかで、NURO光は2Gbpsのベストエフォートで通信できるとしています。
エリア内のマンションでNURO 光を導入したい場合は、回線が引き込まれているかを確認してみましょう。
NURO 光の「設備導入状況をチェックする」から建物ごとに検索することができます。
(引用:NURO光公式HP)
大家さんや管理会社に電話をして確認する
入居している場合は、エリア検索よりも大家さんや管理会社に連絡を取ったほうが正確な情報を速く知ることができます。
稀に大家さんの中にはネット回線関係を把握しきれていない人もいるため、返答が曖昧なら回線業者に相談してみると良いでしょう。
分譲マンションタイプは、導入や工事の前に話し合いが必要
分譲マンションタイプは、各戸以外の部分は入居者の共用部分であるため、回線の工事や導入の前には入居者による賛同が必要です。
話し合いで賛成が得られなければその回線を利用するのは難しくなります。
大掛かりな工事が伴わない程度であれば、すんなりと導入が決まることも珍しくありません。
部屋に光コンセントやLANポートがあれば工事不要で使える可能性も
集合住宅の部屋内に既に光コンセントやLANポートがあった場合は、特に工事をしなくても使える可能性があります。
入居したアパートに「ネット無料」のシートや看板が貼ってあったり、案内を受けたりしていれば、特に手続きをしなくても大丈夫です。
ただ、「ネット利用可」「ネット申込み」と案内があれば、回線契約を各自ですることで利用が可能になるケースがほとんど。
ちなみに、自分で機器を設置する「無派遣工事」になれば、工事費用を掛けずにネット利用が可能です。

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マンションでもホームタイプを申し込めるって本当?
マンションやアパートなどの集合住宅に住んでいて各自で契約する場合、契約はマンションタイプとなるのが通例です。
しかし、回線会社や条件が適合すれば、マンションやアパートであっても、ホームタイプの料金プランを申し込める場合があります。
auひかりは関東なら3階建て、それ以外は2階建てまでのことが多い
auひかりでマンションタイプのプランを契約する場合は、建物にauひかりの回線が既設されていることが前提条件です。
ただ、対象となる集合住宅の建物自体が2階までだった際は、回線が引き込まれていない建物であってもホームタイプを契約することが可能となる場合があります。
その場合、最寄りの電柱から戸建てと同じように回線を引き込み、壁伝いに外側から回線を引き込む方法を取ります。
関東地域はauひかりの自社回線が電柱の7mほどの高さ、それ以外はNTTの回線を借りているため5mほどの高さにあることが多いです。
そのため、関東など一部地域では3階建てまで対応していることもありますが、ほとんどは配線の関係で建物自体が2階以下の場合に限られます。
しかし、ケーブルを外壁に固定するなど結局は外壁を傷つけることになるため、大家さんや管理会社の許可を得られないことが多く、auひかりでの契約をあきらめることになるでしょう。
(参考:auひかり「重要事項説明書」)
NURO光は2019年からマンションの何階でも戸建てタイプの契約が可能に
NURO光では、NUROの光回線が既設されていなければ、マンションのどの階に住んでいたとしても戸建てタイプ(NURO光)で契約することが可能。
既設されていればNURO光 for マンションで契約し、利用人数が多いほど利用料金が割引されるといった制度もあります。
こちらも、集合住宅の管理人のOKなどが出なければ工事はできませんが、NURO光エリアに対応しているのであれば検討したいところです。
マンションに光回線を導入するならおすすめはどこ?
回線と、各回線に向いている人の条件を組み合わせた、光回線のおすすめが下表です。
マンションに光回線を導入する時は、ぜひ参考にしてください。
NURO光 | 「NURO 光」
|
「NURO 光 for マンション」
|
|
auひかり | 「auひかり戸建てタイプ」
|
「auひかりマンションタイプ」
|
|
NTT回線 光コラボ |
「SoftBank 光」 「ドコモ光」 「So-net光プラス」
|

マンションで光回線契約する時の流れ
マンションで光回線を申し込む際の一般的な流れは次の通りです。
既にマンションに回線が引き込まれている場合
【マンションに既設回線がある場合】
- エリア検索画面で住所から検索
- 大家さんや管理会社に連絡して許可を得る
(必要な場合は申請書作成)
分譲の場合は話し合いの場を持つ - 申し込む・工事依頼
- 工事日調整
- 開通工事(1~2ヶ月は必要)
インターネットを利用する際に各戸での契約が必要で、NTT回線が引き込まれているマンションであれば、光コラボ契約を検討してみてください。
光コラボについては後ほど詳しく解説します。
回線が引き込まれていないマンションに引く場合
【マンションに既設回線がない場合】
- エリア検索画面で住所から検索
- 大家さんや管理会社に連絡
(必要な場合は申請書作成)
分譲の場合は話し合いの場を持つ
マンション内の設備の関係など、新たに回線を引くのは難しいケースがほとんど。
NURO光など、特定の回線の引き込みを希望しても入居者の中で利用者が集まらなければ回線を引くに至らないこともあるため、時間と労力が必要になります。
住人で協力して費用を抑えるならNURO光 for マンションを検討して
(引用:NURO光公式サイト「ふたつのNURO光」)
NUROで戸建て契約をする方法もありますが、マンション内の契約人数に合わせて月額料金が変動する「NURO 光 for マンション」を狙ってみるのも良いでしょう。
設備導入申請書の作成や管理会社への要望書など、やや面倒な手続きはありますが利用希望者が集まり、建物管理側の許可が下りれば回線を引き込めるようになります。
「NURO 光 for マンション」の契約者全員が「Hands-up」にも加入し、共用部分の設備導入費や設備維持費に充当されるため、管理側が設備の維持費で頭を悩ませる必要もありません。
希望者が集まらなければ戸建てタイプの契約を、管理側のOKが出なければ既設の回線利用など他の手を検討することになります。
【NURO光】
- 住人で協力できる→NURO 光 for マンション
- 希望者が集まらない→NURO 光(戸建てタイプ)
- 管理側から許可がもらえず→既設回線を検討
auひかりは回線が既設されていなければあきらめよう
(引用:auひかり公式HP)
auひかりがマンションに既設されていればauマンションタイプを利用しましょう。
基本的には、回線が既設されていなければ、auひかりマンションタイプを契約することができません。
ただ、建物自体が2階建てまでならばauひかりの戸建てタイプで契約や工事ができる可能性があるため、集合住宅の管理側や回線業者に相談してみてください。
ちなみに、auひかりでインターネットの他にauひかり電話も合わせて契約すると、携帯料金がお得になるauスマートバリューを利用することができます。
auひかりの機器レンタルが無料になる特典もあるので、au契約者なら利用しない手はないですね。
【auひかり】
- auひかりマンションで契約が基本
- 稀に戸建てタイプで契約できることがある
- スマホがauであればauスマートバリューを適用してお得に利用
NTT回線ならv6プラスやv6アルファが使える事業者に転用してみよう
NTT回線に対応しているマンションやアパートで、各戸で個別に契約する場合は光コラボ契約を検討してみましょう。
光コラボは、事業者がNTT東日本や西日本から回線を卸してもらい、自社のサービスと組み合わせて光回線通信サービスを提供するもの。
総務省の「電気通信市場分析結果・新たな基本方針について」によると、2019年における光コラボ市場の内訳は、ドコモ光とSoftBank光が70%を占める状態となっています。
あくまでも回線はNTTなので、フレッツ光の契約時と通信速度等が変わることはありません。
ただ、回線はNTTのまま工事不要で利用を継続できることや、携帯料金が割引されるといったメリットが光コラボにはあります。
契約によっては、現在よりも固定通信費額をお得にできるかもしれませんね。

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ドコモ光
マンションタイプは、タイプAで4,400円、タイプBで4,620円など戸建てに比べてリーズナブル。
さらに、ドコモの携帯やスマホとセットで使うことで毎月最大1,100円割引になる制度があります。
タイプA | 4,400円/2年 (定期契約なし5,500円) |
タイプB | 4,620円/2年 (定期契約なし5,720円) |
単独タイプ | 4,180円/2年 (定期契約なし5,280円) |
ドコモ光は、dポイントが貯まりやすくなる他、相談や手厚いサポートもあり、ドコモショップで転用を決める人が多いです。
なお、ドコモ光ではドコモ光ルーター01を使うことでIpv4 over IPv6による通信が可能となっています。
ソフトバンク光
ドコモと同じように、ソフトバンクでもSoftBank 光とセットで使うことでスマホ代がお得になる「おうち割光セット」を展開しています。
集合住宅 | 4,180円(2年契約) 5,390円(自動更新なし) |
光BBユニット | 513円/月 |
ソフトバンクでIPv6に対応した通信をするには、専用の光BBユニット(ONU)が必要です。
Wifiルータを持っていない場合は「Wi-Fiマルチパック」に加入しなければいけないなど、基本料金に加えていくつもオプション料金が掛かってくるため、「こんなに掛かるとは思わなかった」という料金にならないよう気を付けてください。
So-net光プラス(au、格安スマホユーザー向け)
キャッシュバックはないものの、月額料金が他社に比べてかなり安くなっているのがSo-net光プラス。
auスマホユーザーであればauひかり同様、スマホ代がプランによって550円から1,100円割引されます。
3年目以降は料金が高くなってしまうのがネックですが、キャッシュバックの貰い忘れといった心配もなく、総額で考えてもキャッシュバックをたくさん貰える他社と遜色ありません。
セット割を考慮する必要がない格安スマホユーザーにとって、最もおすすめだと言えるでしょう。
フレッツ光コラボなので対応しているマンションも多いです。
マンションに光回線を引く時の確認事項や手順について解説してきました。
- エリア検索画面で住所から検索
- 大家さんや管理会社に連絡して許可を得る
(必要な場合は申請書作成)
分譲の場合は話し合いの場を持つ - 申し込む・工事依頼
- 工事日調整
- 開通工事(1~2ヶ月は必要)
LANポートや光コンセント付のマンションも最近では多いものの、インターネットを利用するなら、回線速度はできるだけ速く、コストカットしながら使いたいものです。