2019年9月にiPhone11、11 Pro、11 Pro Maxの発売と同時に新しく「AppleCare+(アップルケアプラス)盗難・紛失プラン」が出ました。
これまでのAppleCare+(アップルケアプラス)とどのような違いがあるのでしょうか。
本記事では、iPhone12シリーズでAppleCare+や盗難・紛失プランをつけた時の費用や、「AppleCare+盗難・紛失プラン」に加入するべきかどうかについて解説していきます。
AppleCare+(アップルケアプラス)盗難・紛失プランとは?
Apple Care+盗難・紛失プランとは、どのようなプランなのでしょうか。
AppleCare+(アップルケアプラス)はこれまで盗難や紛失が非対応だった
AppleCare+は、Apple製品の保証期間を1年から2年に延長し、画面割れや水濡れで故障した製品を低価格で修理する保証です。
2年間で450~1,136円/月ほどの負担はありますが、故障時には画面修理で一律3,700円(税込)、本体の破損や水濡れ修理も12,900円で修理を依頼することができます。
未加入の場合、iPhone12の画面修理には2~3万円ほどの費用が掛かるので、一度でも保証を利用した修理をすると元が取れるような保証です。
ただ、AppleCare+ for iPhoneは、盗難や紛失には対応していません。
そこで各キャリアでは、画面修理や水濡れ修理だけでなく、iPhoneの盗難・紛失にも対応した独自の保証制度を設けることで対応してきていたわけです。

AppleCare+とは?入るべき?各機種(iPhone11、11pro、pro MAX含む)の料金や解約方法まとめ、修理時の料金比較。
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AppleCare+(アップルケアプラス) for iPhoneとの違いは?
2019年9月、Appleは新たに「AppleCare+盗難・紛失プラン」を開始しました。
AppleCare+for iPhoneとの違いは、何があるのでしょうか。
画面修理/水没/バッテリー交換の修理費などは基本的には変わらない
基本的な保証内容としては、これまでのAppleCare+と変わらず、画面修理や水没などの修理費軽減やエクスプレス交換サービスなどを同様に利用することができます。
保証内容 | AppleCare+ | AppleCare+ 盗難・紛失プラン |
Apple認定技術者による 修理/交換サービス (部品代・技術料を含む) |
〇 | 〇 |
Appleサポート (スペシャリストによる 電話対応) |
〇 | 〇 |
過失や事故による損傷 (画面修理、水濡れ修理) |
〇 | 〇 |
バッテリー交換 | 〇 | 〇 |
持ち込み修理と 配送修理 |
〇 | 〇 |
エクスプレス 交換サービス |
〇 | 〇 |
付属のイヤフォン/ アクセサリ交換 |
〇 | 〇 |
盗難・紛失 | × | 〇 |
両者の違いはただ一つ、「盗難・紛失」対応の有無です。
盗難・紛失プランの対象はiPhone12シリーズからiPhone7世代まで
キャリアでiPhoneを購入した人は、各キャリア独自のiPhoneの保証に加入することで、盗難や紛失時でも十分に対応をしてもらっていたと思います。
ただ、AppleStoreなどで直接購入した場合は加入できる保証がAppleCare+しかなかったため、盗難や紛失は保証の対象外となり、無くした時は全額負担で新しい端末を購入しなければいけませんでした。
しかし、「盗難・紛失プラン」に加入しておけば、そういった事象が起こったときにも少ない負担で新品のiPhone(もしくは同等品)を購入することが可能になりました。
iPhone12世代からiPhone7世代までが盗難・紛失プランに対応していますので、これから端末を購入しようと考えている人は検討しても良いかもしれませんね。
ちなみに、盗難や紛失に遭った時に保証を受けるためには、いくつかの手続きや条件があるということなので、そちらも確認してみましょう。
AppleCare+盗難・紛失プランに加入した際の注意点
AppleCare+盗難・紛失プランに加入し、利用する際の注意点をまとめました。
「探す」(iPhoneを探す)を有効にしておく必要がある
まず保証を受ける条件としては、端末の盗難や紛失があった時点で「探す」(iPhoneを探す)が有効になっている必要があります。
盗難・紛失時から、新品の端末(もしくは新品と同様の端末)を手にするまでの全期間を通して「探す」を有効にしなかった場合は、保証を受けることができません。
私はこれまでiPhoneを三度無くしたことがありますが、普段から設定を有効にしておくことで「iPhoneを探す」の機能を使って三度とも無事に見つけることができました。
保証を使うかどうかは別にして、「探す」の設定は有効にしておいて損はないです。
むしろ、助かることが多いと思います。
なお、使ってるiPhoneであればApple IDを入力していないなんてことはないと思いますが、端末には必ず自分のIDを入力/登録して関連づけておくことも保証適用の条件となっていますので注意してください。
「iPhoneを探す」を有効にする方法(iOS12以前の場合)
iOS12以前は「iPhoneを探す」の位置情報設定から有効にすることができます。
ホーム>「設定」>「プライバシー」>「位置情報サービス」>「システムサービス」>「iPhoneを探す」から、有効(緑色の状態)にしておきましょう。
(参考:Apple公式HP)
「探す」を有効にする方法(iOS13以降)
iOS13からは「iPhoneを探す」ではなく「探す」機能を使うことになります。
設定方法としては、ホーム>「設定」>ユーザ名(最上部の自分の名前)>「探す」>「(自分の端末の名前)を探す」から、有効(緑色の状態)にします。
オフライン時でも端末を探せるようにしておくために、「オフラインのデバイスを探す」も有効にしておきます。
さらに、「最後の位置情報を送信」を有効にしておけば、バッテリー残量が少なくなっても端末の位置情報をAppleに送信してくれます。
(参考:Apple公式HP)
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12,900円で新しい端末を取り替えてくれるのは2回まで
盗難や紛失によって端末を無くした場合、盗難・紛失プランの保証で新しい端末を手に入れることができるのは2回までとなっています。
iPhone12 256GB |
AppleCare+ 盗難・紛失 加入 |
AppleCare+ 加入 |
未加入 |
AppleStore 端末価格 |
111,980円 | ||
AppleCare+ | – | 18,480円 | – |
AppleCare+ 盗難・紛失 プラン |
20,680円 | – | |
盗難/紛失時 自己負担額 |
12,900円 | 111,980円 | 111,980円 |
合計額 |
33,580円 | 242,440円 | 223,960円 |
(税込表示)
iPhone12(256GB)を紛失した場合、盗難・紛失プラン以外は20万以上の費用が掛かってしまうことを考えると、二回まで保証が可能というのは大変ありがたい仕組みですよね。
なお、新しい端末をもらう際には、無くした端末のデータ消去や無効化、所有権の譲渡を求められるので、日ごろからバックアップを取っておくと良いでしょう。
(参考:Apple公式HP「iPhone、iPad、iPod touch をバックアップする方法」)
AppleCare+(アップルケアプラス)よりも月額料金が2,000円上がる
盗難・紛失時の保証を付けると、AppleCare+よりも月額料金が2,000円(税込)ずつ高くなります。
それでも24ヶ月分として負担を換算すると、月々たった80円ほどの増額です。
毎月の負担を80円増やすだけで万が一の時にも対応してもらえるのであれば、私なら盗難・紛失プランを選んでしまいますね。
機種 | AppleCare+ | AppleCare+ 盗難・紛失 |
iPhone 12 Pro iPhone 12 Pro Max |
25,080円 | 27,280円 |
iPhone 12 iPhone 12 mini iPhone 11 iPhone XR |
18,480円 | 11,980円 |
iPhone SE (第2世代) |
9,680円 | 11,880円 |
(税込表示)
保証の申請時や「iPhoneを探す」を使う時には、Apple IDやパスワードを確実に記憶しておくことが重要です。
また、別の端末による二段階認証(2ファクタ認証)を使用している時は、サインイン時に6桁の確認コードを入力が必要になります。
別の電話番号を登録しておかないとサインインができなくなりますので、アカウント登録に追加しておきましょう。
(参考:Apple公式HP「2ファクタ認証について」)
盗難・紛失時はAppleのサポートセンター/警察に届け出を
端末が無くなった時、最初は身近なところから探しますよね。
それでも無かった場合は、「探す」機能を有効にしておくことで、icloudのiPhoneを探すサイトや「探すApp(iPhoneを探す)」から見つけることができます。
両方とも基本的な流れは同じです。
- Apple IDとパスワードを入力
- 地図上に表示される
- 必要であれば、「紛失モード」に設定する
「紛失モード」に設定したり、画面にメッセージを表示させたりすることができるので、必要に応じて使いましょう。
icloudからiPhoneを探す場合
手順1)Apple IDとパスワードを入力
Apple IDやパスワードを忘れても、Apple IDの復旧ページで確認することができます。
手順2)検索を掛けると、位置情報を確認し地図上に表示される
10秒程度待てば、地図上にマークが表示されます。
私がiPhoneを三度無くしても探し当てることができたのは、この機能のおかげです。
iPhoneを探すで調べると、地図上の線路に沿ってマークが動き続けており、電車に置き忘れてそのままになっていたなんて経験があります。
忘れ物として届けられていたことで無事に手元に戻ってきました。
手順3)「サウンド再生」「紛失モード」「iPhoneを消去」
「サウンド再生」で音で探すこと、「紛失モード」で情報を守ること、最悪「iPhoneを消去」でデータを消すことができます。
場合に応じて、iPhoneを探したり守ったりする手段を講じましょう。
(参考:Apple公式HP「iPhone、iPad、iPod touch を紛失したり盗まれたりした場合」)
位置情報を無効にしていたり、盗難に遭って探せなかったりした場合は、悪用される可能性が高いので速やかに契約先の通信会社や警察に連絡してください。
警察には遺失届を提出することになります。
(警察庁「都道府県警察における遺失物の公表ページ」)
AppleCare+盗難・紛失プランの加入方法
(引用:Apple公式HP)
盗難・紛失プランへの加入方法を確認しておきましょう。
加入するタイミングは、端末購入時もしくは端末購入後30日以内です。
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端末購入時に加入する方法
(引用:Apple公式HP)
AppleStoreの端末購入画面で選択を進めると、必ず保証プランを選ぶ画面が表示されます。
- 保証なし
- AppleCare+
- AppleCare+盗難・紛失プラン
盗難・紛失プランは最下部にあります。
端末を購入したあとから30日以内に加入する方法
端末を購入してから「やっぱり入っておけばよかった」と思ったら、購入日から30日以内に手続きをすることで保証に入ることができます。
4種類の方法の中では、設定から加入手続きをするのが一番簡単かもしれません。
- 「設定」>「一般」>「情報」>「AppleCare+ 保証が利用可能です」を選択
- オンライン(※)で購入(シリアル番号の確認とリモート診断が必要)
※Apple公式HP「マイサポート」 - 直営店のApple Storeで購入(iPhoneの点検と購入証明書の提示が必要)
- 0120-277-535に電話して購入(リモート診断と購入証明書の提出が必要)
AppleCare+盗難・紛失プランによる補償請求の申請方法
日本の補償請求はAIGを通して行うことになります。
手順1)iPhoneの盗難・紛失の補償請求ページへ
Apple公式HPの「iPhoneの盗難・紛失の補償請求」ページを開きます。
手順2)Apple IDとパスワードを入力してサインインする
Apple IDとパスワードを入力すると2ファクタ認証が表示されますので、他の端末で6桁の番号を確認後、入力して進めます。
保証に入っていればケースIDや発行IDがAppleからメールで送られてくるので、AIGのwebサイトや電話での申請手続きに入りましょう。
手順3)AIGのwebサイトや電話で補償請求手続きをする
AIGのwebサイトの表記が英語になっていた場合は、上部の言語バーから日本語に切り替え、手続きを進めていきます。
電話で申請したい時は、0120-938-240 (AIGカスタマーケア)に連絡しましょう。
手順4)iPhoneのデータを消去することを了承する
端末のデータ消去や無効か、所有権の転送依頼を了承することで、iPhoneは使えない状態となります。
AppleからiPhoneが消去されることについてメールが届いたら、iPhoneは完全に消去された状態です。
手順5)補償請求が認められると、交換機が届く
申請手続きが完了し、補償請求が認められた場合は営業日1~2日以内に交換機が配送されます。
ちなみに、遺失届を出していた端末が見つかって手元に戻ってきても、そのiPhoneを使うことはできません。
補償請求が認められる前にキャンセルをした場合は、iPhoneのデータは一度消去されているため、設定やバックアップからの復元が必要となります。
(参考:AppleCare+ 盗難・紛失プランの補償請求について/AIG補償請求について)
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AppleCare+盗難・紛失プランに入るべきか?
では、AppleCare+盗難・紛失プランには入るべきなのでしょうか。
結論から言えば、AppleStoreで購入する場合は加入するのがおすすめです。
ただ、キャリアで購入する場合は各キャリアが出している独自の保証プランでも同様の保証を受けることができるので、そちらに加入するのでも良いでしょう。
Apple Storeから購入するなら入るべきか悩む必要はない。 加入しておいて損はない。
ポケットに入れにくいほどの大きなサイズが増え、私の周りのiPhone使用者を見ていると、落としてしまったり置き忘れてしまったりしている人が多いと感じています。
端末代金も高価であることから、無くした時に保証が無いのはかなり痛いです。
AppleCare+に2,000円プラスするだけで盗難・紛失時に12,900円で購入できます。
Apple Storeで直接端末を購入するなら、こちらのプランを選択しておいて損はないでしょう。
ソフトバンクの【あんしん保証パックwith AppleCare Services】 契約中であれば盗難・紛失時は12,900円で新品同様品に交換可
(引用:ソフトバンク公式HP)
ソフトバンクには、iPhone用の保証制度として「あんしん保証パックwith AppleCare Services」があります。
サービスを継続利用することで保証を受け続けることができるので、2年以上ソフトバンクで同じ端末を使い続けたいという人向けのプランです。
契約中であれば、盗難・紛失時はAppleと同じく12,900円(税込)で交換機を指定場所まで配送してもらうことができます。(SIMの発行手数料は別途月額料金から請求あり)
たとえば、iPhone12は月979円の負担で保証への加入が可能。iPhone 12 Pro、iPhone 12 Pro Maxなどは、月1,309円となっています。
Appleのサポートは月額制以外は2年間で終わってしまうので、引き続き使いたいという人はこちらで契約すると良いでしょう。
(参考:ソフトバンク公式HP)
auの【故障紛失サポートwith AppleCare Services】 4年以内であれば盗難・紛失時は12,900円負担で2回まで利用可
(引用:au公式HP「故障紛失サポート with AppleCare Services」)
auには、iPhone契約者用に「故障紛失サポート with AppleCare Services」があります。
4年間AppleCare+のサービスを受けられるほか、紛失にも対応している制度です。
iPhone紛失盗難サポートセンター(0120-925-050)に電話することで、地域によっては新品同等品を最短で当日中の配送が可能です。
こちらもiPhone12は979円(税込)の保証サービス料を支払うことで、盗難・紛失時は12,900円の費用負担で済みます。(別途SIM発行手数料)
auは、スマートパス会員もしくはスマートパスプレミアム会員の場合、修理代金をサポートしてくれるサービスもあります。
盗難や紛失だけでなく、画面割れや端末破損などによる修理が多い人にはありがたい制度ですね。
(参考:au公式HP)
ドコモの【ケータイ補償サービス】 盗難・紛失時は「交換機お届けサービス」なら12,100円で新品同等品に
(引用:ドコモ公式HP)
ドコモでは全ての携帯端末向けに「ケータイ補償サービス」という補償制度があり、iPhone12であれば825円の月額料金が掛かります。
そのなかの「交換機お届けサービス」を利用すると、紛失時には自己負担12,100円で新品同等品への交換が可能です。
しかも、「My docomo」から手続きをすることで10%割引が適用できるので、キャリアの中では最も自己負担額が少なく手続きすることができます。
AppleCare+やAppleCare+盗難・紛失プランに入ることもできますが、ドコモユーザーであればこちらのサービスに加入しても良さそうです。
(参考:ドコモ公式HP)
最後に、AppleCare+盗難・紛失プランと各キャリアの保証サービスや料金についてまとめます。
【iPhone 12の場合】
保証内容 | AppleCare+ 盗難・紛失 プラン |
ソフト バンク |
au | ドコモ |
Appleサポート or 同等のサポート |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
月額料金 (iPhone12/ 24ヶ月) |
約867円 (総額20,680円) |
979円 | 825円 | |
契約可能期間 | 2年 | 端末の買い替え もしくは解約 |
4年 | 端末の買い替え もしくは解約 |
端末代金 自己負担額 |
12,900円 | 12,100円 | ||
2年間総額費用 (保証一度利用) |
33,580円 | 24,648円 | 38,500円 |
(税込表示)
一度も使わなかった場合は「2万円あれば…」と考えたくもなりますが、盗難や紛失時は、想像以上に心も懐も堪えます。
それ以上のお金を使わずに済んだのは良いことだと割り切るのも一つです。
紛失が多い人はアップルケア+盗難・紛失プランへの加入がおすすめ
私はiPhoneでAppleCare+を使ったことはありませんが、Macの画面割れや修理依頼でサポートを利用した際、電話が繋がりやすく対応も丁寧だったので好感を持てました。
以前は無かった盗難・紛失プランが登場したことで、AppleCare+の弱点が克服された形となり、次回の買い替え時はこのプランを契約しようと考えています
一度でも盗難や紛失の経験がある人は、加入した方が圧倒的に費用負担軽減につながるため、盗難・紛失プランへの加入を検討してみてください。