ドコモ光とフレッツ光はどちらも主要な光回線サービスです。ドコモ光はNTTドコモが、フレッツ光はNTT東日本およびNTT西日本が運営しています。
双方とも、NTT系列の企業が運営していて同じNTT回線を使用しているなど、類似点が多いことが特徴です。そのため、どちらを選べばいいのか分かりづらいかもしれません。
しかし、プロバイダの契約方法やスマホとのセット割など、細かな点で比較すると違いがあることが分かります。場合によってはフレッツ光からドコモ光へ乗り換える方がお得です。
そこで本記事では、ドコモ光とフレッツ光を詳しく比較したうえで、フレッツ光からドコモ光へ乗り換えるメリットや「転用」の方法について詳しく解説します。
ドコモ光とフレッツ光は何が違うのか
ドコモ光とフレッツ光は何が違うのか、次の3つの観点から比較していきましょう。
- 光回線とプロバイダの契約方法
- 月額料金
- ドコモスマホとのセット割引の有無
- プロバイダによる通信速度の変化
それぞれのポイントについて分かりやすく解説します。
公式:ドコモ光
契約窓口はNTT東西&プロバイダか、ドコモ光か
ドコモ光とフレッツ光の大きな違いは、光回線サービスを提供している事業者や契約方法です。
「光回線」と「プロバイダ」の2つの観点からドコモ光とフレッツ光を比較してみましょう。
ドコモ光は携帯電話で有名なNTTドコモが、フレッツ光は様々な通信事業で有名なNTT東日本・西日本が運営しています。
フレッツ光とドコモ光の光回線はどちらもNTT東西が整備したものです。ドコモ光はフレッツ光から光回線を借用する「光コラボ」事業者となっています。
そのため、光回線そのものの仕様はどちらの回線でも同じですが、プロバイダサービスが異なっていることが大きな違いです。
フレッツ光は光回線とプロバイダの契約が別々ですが、ドコモ光は光回線とプロバイダのセット契約となるため、ドコモ光と契約するだけでインターネットを使えるようになります。
月額料金はドコモ光のほうが安い
また、下記のように月額料金にも大きな違いがあります。
光回線 | 戸建て タイプ |
マンション タイプ |
ドコモ光 | 5,200円~5,400円 | 4,000円~4,200円 |
フレッツ光 | 5,940円~6,270円 +プロバイダ料金 (1,000円前後) |
3,555円~4,785円 +プロバイダ料金 (1,000円前後) |
フレッツ光は、光回線単体の料金だけでもドコモ光より高いです。
それに加えて1,000円前後のプロバイダ料金も必要になるので、トータルではかなり高額になってしまいます。
ドコモ光は戸建てタイプとマンションタイプいずれも安く、契約窓口も一本化できるので、コストパフォーマンスや便利さが優れていると言えるでしょう。
ドコモスマホとのセット割があるかどうか
(引用:ドコモ光公式)
ドコモ光の「ドコモ光セット割」は、ドコモ光とドコモスマホをセットで契約すると、スマホの月額料金に最大1,000円の永年割引が適用されるというサービスです。
割引額はスマホの料金プランによって異なりますが、「5Gギガホ」「ギガホ」「5Gギガライト/ギガライト(ステップ3以上)」なら1,000円引きになります。
ドコモのスマホを利用しているのであれば、フレッツ光よりもドコモ光を使ったほうがお得です。
ただ、ドコモ以外のスマホを使っている場合は、フレッツ光でもセット割を適用することができます。
割引があるのは、「OCN 光 with フレッツ」や「BIGLOBE光パックNeo with フレッツ」などのプロバイダパックサービスを契約した場合です。
ただ、いずれも割引額が100円~200円にとどまるので、ドコモ光セット割と比べると見劣りしてしまいます。スマホとのセット割では、ドコモ光の方が有利だと言えるでしょう。
回線やプロバイダが変わらなければ速度は変わらない
ドコモ光とフレッツ光は光回線の仕様自体は同じなので、プロバイダが変わらなければ通信速度も基本的には変わりません。
そのため、フレッツ光からドコモ光へ乗り換える場合でも、プロバイダをそのままにすれば通信速度もほとんど同じになるはずです。
ただし、プロバイダを変更すると通信速度に違いが出ることがあります。重要なポイントは、プロバイダが「IPv6(IPoE)」接続に対応しているかどうか。
IPv6(IPoE)は混雑を避けて通信できる接続方式で、通信速度が向上する効果があるのが大きな魅力です。
そのため、フレッツ光からドコモ光へ乗り換える際に、IPv6(IPoE)非対応のプロバイダから対応しているプロバイダに乗り換えると、通信速度が以前よりも速くなります。
逆にIPv6(IPoE)対応のプロバイダから非対応のプロバイダに乗り換えると、通信速度が遅くなってしまう可能性があるので注意が必要です。

フレッツ光からドコモ光に乗り換えるメリット
フレッツ光からドコモ光へ乗り換えると、次の3つのメリットがあります。
- ドコモユーザーはスマホ代が安くなる
- ドコモ光ならdポイントをGETできる
- ドコモ光へ転用しても工事費が不要
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
ドコモユーザーはセット割でスマホ料金が割引されて安くなる
フレッツ光からドコモ光へ乗り換える「転用」を行うと、ドコモユーザーがスマホのセット割を受けることができます。
しかも、光回線1契約あたり最大20回線まで適用されるので、家族にドコモユーザーが多いほどお得に。
例えば、家族4人でドコモスマホを契約している場合はスマホ代が毎月4,000円安くなり、2年間で100,000円近くも節約できます。
ドコモ光ならdポイントをGETできる
フレッツ光からドコモ光へ乗り換えると、様々なキャンペーンを受けることができます。キャンペーンの詳細は次の通りです。
- キャッシュバック最大20,000円
- dポイントプレゼント
- ドコモ光更新ありがとうポイント
現在ドコモ光の公式で開催されているキャンペーンは上記3つです。
有料オプションと合わせると20,000円のキャッシュバックGET
キャッシュバックに関しては、ドコモ光単体で申し込むと15,000円になります。
有料オプションの「ひかりTV for docomo」と「DAZN for docomo」を申し込むと20,000円です。
dポイントがもらえる
ドコモ光を申し込むと、dポイントを2,000~3,000ptもらえます。
dポイントはコンビニや飲食店などで、1ポイント1円として利用できるので便利です。
ただし、ドコモ光の申し込み時に貰えるポイントには5か月間の使用期限があり、携帯料金の支払いには使えないなどの制限があります。
ドコモ光更新ありがとうポイント
「ドコモ光更新ありがとうポイント」は、2年定期契約プランの自動更新時にdポイント3,000ptを貰えるキャンペーンです。
ただし、ドコモから「ポイント獲得のお知らせ」が届いた後に、dポイントクラブの専用フォームで、ポイントの申し込み手続きを行う必要があります。
フレッツ光からドコモ光へ転用するだけで、キャッシュバックやポイントなどを貰えるのでとてもお得です。
転用しても工事費が掛からない
光回線の乗り換えというと、いろいろと手続きが面倒なイメージがあるかもしれません。光回線の工事が発生すると、高額な工事費を支払う必要もあります。
しかし、フレッツ光からドコモ光のような光コラボに乗り換える「転用」を行う場合は、工事不要のため工事費が発生することもありません。
しかも、通常はフレッツ光の解約時期によっては、戸建てタイプ9,500円・マンションタイプ1,500円の違約金が発生しますが、転用する場合は違約金も免除されます。
転用時の事務手数料として3,000円を支払う必要はありますが、前述したキャッシュバックやポイントのキャンペーンで十分にカバーできるでしょう。
フレッツ光からドコモ光に乗り換える時の注意点
フレッツ光からドコモ光へ乗り換える際は、次の2つの点に注意が必要です。
- 選ぶプロバイダ先によっては月額料金が高くなる
- プロバイダを変更すると解約金が掛かることがある
重要なポイントを見ていきましょう。
プロバイダ先によっては乗り換えで月額料金が高くなる
ドコモ光の料金プランには、大きく分けて「タイプA」と「タイプB」の2つあります。それぞれ選べるプロバイダが異なり、タイプBの方が200円高いです。
料金 プラン |
対応 プロバイダ |
月額料金 | |
戸建て タイプ |
マンション タイプ |
||
タ イ プ A |
ドコモnet plala GMOとくとくBB @nifty DTI andline BIGLOBE SIS hi-ho ic-net Tigers-net.com エディオンネット SYNAPSE BB.excite 楽天ブロードバンド TikiTiki @ネスク 01光コアラ |
5,200円 | 4,000円 |
タ イ プ B |
OCN @TCOM TNC @ちゃんぷるネット AsahiNet WAKWAK |
5,400円 | 4,200円 |
プロバイダによる主な違いは、IPv6(IPoE)への対応・WiFiルーターの無料レンタル・キャッシュバックキャンペーン・セキュリティオプションなど。
特に、「GMOとくとくBB」や「OCN」などのように、プロバイダによっては独自のキャッシュバックキャンペーンが開催されていることもあります。
月額料金や特典、サービス内容などをトータルで判断して、お得に利用できるプロバイダを選ぶようにしましょう。
関連:ドコモ光のプロバイダを全24社から1つに決める選び方とは?

乗り換え時にプロバイダを切り替える場合は解約金が掛かる可能性がある
フレッツ光からドコモ光へ転用する場合は、フレッツ光をいつ解約しても違約金が掛かりません。しかし、下記のようにプロバイダ独自の解約金が発生することがあります。
プロバイダ | 接続コース名 | 最低利用期間 もしくは契約期間 |
違約金 |
OCN | OCN光 with フレッツ |
2年 (最低利用期間) |
5,000円 |
BIGLOBE | BIGLOBE光パック NEO with フレッツ |
2年 (最低利用期間) |
5,000円 |
@nifty | @nifty光ライフ with フレッツ(2年割プラン) |
2年 (最低利用期間) |
3,000円 |
フレッツ光とOCNもしくはBIGLOBEをセットで契約すると、2年間の最低利用期間が生じるため、契約から2年以内で解約すると5,000円の違約金を支払わないといけません。
@niftyで契約すると2年間の契約期間が生じるので、3,000円の違約金を請求されます。
とは言っても、ドコモ光への乗り換え時に貰えるキャッシュバックやポイントでカバーできるので、大きく損をすることはないでしょう。
少しでも損をしたくない場合は、最低利用期間の終了もしくは更新期間が訪れるのを待ってから、ドコモ光へ乗り換えるのがおすすめです。
フレッツ光からドコモ光に転用する時の流れ
フレッツ光からドコモ光へ転用する手順を、次の2つの観点から見ていきましょう。
- 転用承諾番号を取得すれば転用も簡単
- プロバイダはGMOとくとくBBを選ぶのがおすすめ
乗り換え時にスムーズに手続きできるように、転用の重要なポイントや大まかな流れについて分かりやすく解説します。
転用承諾番号を取得すれば転用もらくらく
フレッツ光からドコモ光へ乗り換える場合は、「転用」というシステムを利用します。
転用とは、フレッツ光から光コラボ事業者へ乗り換える際の手続きを、簡単に行えるようにするためのものです。
関連:【フレッツ光から光コラボへ】光回線の転用とは?手続き方法やおすすめの転用先まとめ

フレッツ光からドコモ光へ転用するために、次の3つの手続きを順番に進めましょう。
- NTT東日本・西日本で「転用承諾番号」を発行する
- ドコモ光を専用の申し込みフォームにて契約する
- ドコモ光側で転用手続きが行われてネットが開通する
Step1:転用承諾番号の取得
転用手続きを行うためには、NTTにて「転用承諾番号」を取得する必要があります。
転用承諾番号の発行申し込みをする前に、フレッツ光の「契約者名」「住所」「支払い方法」「お客様ID」「ひかり電話の電話番号」といった契約情報を用意してください。
それから居住エリアに応じて、NTTに転用承諾番号の発行を依頼しましょう。
転用承諾番号申込窓口
NTT東日本 電話窓口:0120-140-202(9時~17時)
NTT西日本 電話窓口:0120-553-104(9時~17時)
ただし、転用承諾番号には15日間の有効期限があるため、期限が切れたら再取得する必要があります。
Step2:ドコモ光を専用の申し込みフォームで契約
転用承諾番号を取得したら、早めにドコモ光の契約手続きを行うようにしましょう。
ドコモ光の申し込み手続きは、公式サイトの専用フォームで行います。
Step3:ドコモ光側で転用手続きが行われてネットが開通
専用フォームに必要事項等を入力して送信すると、後日ドコモ光もしくはプロバイダからの連絡があります。契約内容などについての説明があるので確認しておきましょう。
転用の場合は工事をする必要がないので、必要な機器等が自宅に届けば契約手続きはすべて完了です。
ドコモ光に乗り換えるならプロバイダはGMOとくとくBBがおすすめ
ドコモ光はドコモショップや公式サイトからだけでなく、家電量販店や正規代理店など実は様々な方法で申し込むことが可能です。
店舗申し込みにこだわる人もいますが、インターネットから正規代理店やプロバイダを通して申し込むことでキャッシュバックや月額料金割引といった特典等が付くことも。
たとえば、ドコモ光で人気のあるプロバイダの一つである「GMOとくとくBB」から申し込むと、次のような特典があります。
- ipv6対応高性能WiFiルーターのレンタル無料
(通常100円~300円) - 20,000円分キャッシュバック
- dポイント最大2,000ポイント付与
ドコモ光の公式サイトから申し込むだけだと新規で20,000円、転用で15,000円のdポイント還元しかないことを考えると、高性能ルーターレンタルや現金バックがあるのは魅力的ですね。
プロバイダによってキャンペーン内容は様々なので、キャッシュバックやルーターレンタルなど、自分にとって一番お得になるプロバイダを選ぶことが肝心です。
まとめ|ドコモユーザーはフレッツ光よりもドコモ光がお得!
フレッツ光とドコモ光の違い、フレッツ光からドコモ光に乗り換えたほうがいい理由について確認してきました。
フレッツ光からドコモ光に乗り換えるといいのは、次のような人です。
- 現在ドコモのケータイやスマホを使っている
- 家族でドコモを使っている
- dポイントを使っている
dポイントは支払いに使うこともできますし、街のスーパーやドラッグストアでも使うことができるので、dポイントユーザーにもドコモ光はおすすめです。
フレッツ光を使っているよりも料金やポイント面でかなりお得になるので、まだ乗り換えていない人はフレッツ光からドコモ光への転用を検討してみましょう。