どんなときもWiFiは2020年8月24日、どんなときもWiFiの無制限プランを終了することを発表しました。
2019年3月のサービス開始から1年半、無制限に使えるクラウドSIMのパイオニアとして業界を引っ張ってきていたどんなときもWiFiが終了を発表したことで、ポケットWiFi業界の流れも変わりそうです。
本記事では、どんなときもWiFiが無制限プラン終了を決めた理由と、現契約者に関わる代替プランや特別プランについて解説します。
どんなときもWiFiが「無制限プランの終了」のお知らせを発表
運営元であるグッド・ラックは、2020年6月に総務省から行政指導を受け、業務の改善に向けてサービスの在り方について検討を重ねてきた結果、無制限プラン終了を発表しました。
2020年10月31日に無制限プランの提供終了
どんなときもWiFiの発表によると、無制限プランについては2020年10月31日(土)に提供を終了するとのこと。
2019年3月にサービスが始まり、日本でクラウドSIMのポケットWiFiブームが広がる立役者となったプランだっただけに、残念に感じている人も多いです。
どんなときもwifi 無制限プラン廃止か…。1年弱使ったけど、まま快適に使えていたので残念😭 外出メインなので、UQに切り替えるかな。それ程料金変わらないし。(Twitter)
どんなときもWIFIとうとうだめになったか。使い放題で良かったのに。(Twitter)
実際、私もどんなときもWiFiも使っているのですが、通信制限などの騒動があった以降も全く問題なく使えていただけに、プランの移行や解約をするほどでもないのにな…という感じです。
現在の契約者については代替プランへの移行を求める
グッドラックは、現ユーザーに対して電話やメールで代替プランへの移行と説明を順次行っています。
代替プランは全部で5種類。
- モバレコ+どんなときもWiFi(30GB)
- モバレコAir
- Softbank光
- Broad WiMAX
- どんなときもWiFi(30GB)
申し込み上限に達した場合は選べなくなるため、代替プランへの切り替えを考えている人は早めに手続きをしたほうが良さそうです。
代替プランで話題を呼んでいる「特別プラン」について、まずは詳細を見ていきましょう。
【特別プラン】モバレコAirとどんなときもWiFi(30GB)をモバレコの料金で使える
(引用:手元に届いたメールの臨時解約申請フォームより)
特別プランというのは、モバレコAirとどんなときもWiFiの2台をモバレコの料金だけで使えるというもの。
つまり、どんなときもWiFi分の料金は掛からずに2台使えるということです。その際の月額料金は次の通り。
月額料金 | 契約期間 | データ容量 |
最大2ヶ月 1,970円 |
2年(自動更新) | モバレコAir →制限なし どんなときもWiFi →月30GBまで可 |
3~24ヶ月目 3,344円 |
||
25ヶ月目 4,880円 |
どんなときもWiFiの料金が月額3,480円だったので、24ヶ月目まではどんなときもWiFiを使っていた時よりも安く使えるというプランになっています。
参考:モバレコAirの口コミや評判、ソフトバンクエアーとの違い

モバレコAirにデータ容量無いとは言うが、サービス安定提供にともなう速度制限がある
特別プランを用意した経緯について、グッドラックの説明は次の通り。
弊社としては、「どんなときも、自由に」そして最適なインターネット環境(WiFi)を届けたいという考えはサービス開始当初から変わっておりません。しかし、モバイルルーター1台でそれをかなえることは、現時点では、不可能不誠実と判断せざるを得ません。
そこで、ご家庭でのご利用で大容量通信可能なホームルーターに、外出先でのご利用に充分であると考えられる量が用意されたモバイルルーターの特典をお付けして2台セットで、できる限りお客様にご満足いただける環境を、今までの1台契約時と同程度の金額でお届け出来ればと特別なプランを考えました。
(引用:どんなときもWiFi代替プラン)
(※太字は本サイトで加筆)
モバレコAirは、ソフトバンクエアーと基本的に性能は全く同じです。
ただ、モバレコAirのデータ容量制限なしと言っても、通信内容によっては、ソフトバンク側から帯域制限を受ける可能性はあります。
帯域制限とは、動画再生などの通信を行った場合、通信速度を制限するといった対応のことです。
実際、代替プランの切り替え手続きページでも、次のように説明されています。
サービス安定提供にともなう速度制限のため、通信速度が低下する場合があります。動画やファイル交換ソフトなどをご利用の場合は速度が低下する場合があります。
そのため、ホームルーター+30GBの組み合わせとは言え、大容量の通信をするようなユーザーにとっては、満足な通信ができないかもしれません。
25ヶ月目以降はモバレコAirの料金が上がり、どんなときもWiFiも月額料金が掛かる
特別プランに切り替える時は、契約解除のタイミングや月額料金が上がることに注意しておきたいところです。
特別プランを利用すると、更新月(25ヶ月目)以外の解約で9,500円の契約解除料が掛かります。
加えて25ヶ月目以降はモバレコAirの料金が4,880円に上がり、どんなときもWiFiの利用料として月650円がプラスされるため、初月に比べると3,560円多く支払わなければいけません。
特別プランを考えている人は、こういった注意点を踏まえたうえで契約を進めましょう。
【特別プランを契約する際の注意点】
- 25ヶ月目の更新月以外で解約するには9,500円の契約解除料が必要
- 25ヶ月目以降はモバレコAirの料金が上がり、どんなときもWiFiにも月650円の利用料が掛かる
- モバレコAirの端末代金は丸3年使わないと実質無料にならない
追記:その他の代替プランはいつでも解約サポートとほぼ同じメンツ
上述した特別プランの他は、前からどんなときもWiFiで利用できた「いつでも解約サポート」と似たような乗り換え先が並んでいます。
(引用:手元に届いたメールの臨時解約申請フォームより)
「どんなときもWiFiなのにSoftbank光?」と疑問を持った人もいるかもしれませんが、この場合はグッドラック(もしくは親元のリンクライフ)が代理店となって申し込む形になるのでしょう。
モバレコAir単体でも特典プランと月額料金が変わらないのは残念ですが、特典プランのキャッシュバック額が5,500円なのに対し、単体プランは15,500円なのが救いです。
一方、どんなときもWiFi(30GB)を選ぶと、データ容量が30GBなのに、料金は今と変わらない3,480円でキャッシュバックもありません。無制限で使えなくなるのに、ちょっとあんまりな気もします。
私がこの代替プランの中で選ぶなら、Broad WiMAXでしょうか。
キャッシュバックが11,500円ありますし、最初の2ヶ月は3,000円以下、3ヶ月目以降は月3,400円ほど、25ヶ月目以降もモバレコAirより安く使うことができます。
3年プランなのが少々ネックですが、特典プランだと25ヶ月目以降の月額料金が月5,500円になってしまうことを考えるとマシです。
関連:Broad WiMAXの口コミや評判、料金やメリット・デメリット
キャッシュバックや何となくで選んでしまうよりも、切り替え後の月額料金や契約解除のタイミングで考えるようにしましょう。
代替プランに納得できない場合、契約解除料は無償
どれも微妙…と思ってしまったら、特別プランや代替プランではなく、解約の道を選ぶこともできます。
契約解除料は無償。つまり、違約金なしに解約できるので、どんなときもWiFiを使うのを辞めたい人は今このタイミングで解約するのがおすすめ。
なお、何も手続きしなかった場合は10月末をもって強制的に解約となります。
どんなときもWiFiが「無制限プラン」を終了する理由
クラウドSIM業界を牽引してきたどんなときもWiFiは、無制限プランを終了する理由について公式の文書で次の3つの理由を挙げています。
- 本当の意味でのデータ無制限での利用は不可能
- 事業の採算上サービスを継続することが難しい
- 運用には利用量のコントロールが必要で、契約者に対し誠実な対応ができない
どんなときもWiFiが掲げてきたのは、月間通信量も短期的な制限もない「本当の意味でのデータ無制限」でした。
しかし、クラウドSIMのシステムを利用する以上、それを実現するのは不可能であると説明しています。
なぜなら、クラウドSIMはそもそも「場所とキャリアに縛られない通信環境を提供うする技術」であって、「データ容量無制限を提供するものではない」ものだから。
「無制限」の魅力を求めて多くのユーザーが集まった結果、どんなときもWiFiでは「上位5%の」ユーザーで「総容量の20%を占める状態」に至ったそうです。
ユーザーの中にはテラを超える人もいたとか。
超ヘビーユーザーを抱えている以上、クラウドSIMシステムを使ってできる限り無制限で通信できるよう運用するには、自然と次の対応になってしまいます。
- どこかでユーザーに対し「利用量のコントロール」
- 急な低速化や細やかな制限をせざるを得ない
ただ、「これでは本当の意味で無制限のサービスを提供することなんてできず、誠実な対応ができない」という結論に達したことが、無制限プラン終了の理由とのことでした。
引用:どんなときもWiFi「無制限プラン終了と代替プランについて」
クラウドSIMの無制限プランは今後一切なくなる可能性がある
どんなときもWiFiから「クラウドSIMではデータ容量無制限は不可能」「無制限プランの廃止」といった発表があったということは、他のクラウドSIMにも影響が出てくるのは否めません。
実際、2020年上半期の時点でクラウドSIMによる無制限プランを扱っていたポケットWiFiの多くで、無制限プランの廃止と制限ありプランへの移行が進められています。
1日や数日間の通信量に応じて制限を設けるプランへの切り替えが進む
あれだけたくさんあったLTE無制限のクラウドSIMは、ほとんど新規受付停止となっています。
【クラウドSIMのプラン受付状況】
無制限プラン | 2020年11月時点 |
よくばりWiFi | 新規受付停止 |
ギガゴリWiFi ワールド |
新規受付停止 |
Mugen WiFi | 100GBプランへ移行 |
BBN WiFi | 新規受付停止 |
hi-ho GOGO WiFi | 新規受付停止 |
クラウドWi-Fi | 新規受付一時停止 |
ZEUS WiFi | 100GB 40GB 20GBプランへ移行 |
ポケモバCloud | 100GBプランへ移行 |
FUJI WiFi クラウドプラン |
100ギガPlusへ |
どこよりもWiFi | 最大200GBまでの 段階定額制へ移行 |
それがだいじWiFi | 100GBプランへ移行 |
ギガWiFi | 100GBプランへ移行 |
限界突破WiFi | 容量が5GBと10GBで 段階的に速度制限 (WEBは現在入荷待ち) |
hi-ho Let’s Wi-Fi | 1日7GB or 4GB超で 翌々日制限 |
いずれにしても、クラウドSIMのポケットWiFiを無制限で使える時代はもう終わったと考えたほうが良さそうです。
上表の後半部分からも分かる通り、現在クラウドSIMを扱っている会社では、1日や数日間の通信量に応じて制限を設けるプランへの切り替えが進んでいます。
どんなときもWiFiから乗り換えは制限のあるクラウドSIMを選ぶのが安心
クラウドSIMを選んだのは、「通信制限になるのが嫌で、無制限で使えるって言うから選んだのに…」という人も多いと思います。
ただ、どんなときもWiFiの対応とその他ポケットWiFiが無制限プランを終了している流れを考えると、ポケットWiFiを無制限で使うことはあきらめたほうが良いでしょう。
今後乗り換えるなら、むしろそれがだいじWiFiやhi-ho Let’s WiFiのように、制限があることを明確に公表しているようなクラウドSIMを選ぶほうが安心して使えるはずです。
それでも1日7GBや10GBでは足りないと感じている人は、自分や他のユーザーのためにも、複数のポケットWiFiを契約するか、自宅に光回線を引くようにしてください。
代替プランを選ぶか解約するかはよく考えて
【この記事のまとめ】
- どんなときもWiFiが無制限でプランを2020年10月末で終了
- 現ユーザーに対しては代替プランへの移行もしくは契約解除をお願いする
- 特別プランはモバレコAirの料金だけでモバレコAirとどんなときもWiFi(30GB)を使えるもの
- 納得できなければ無償で契約解除可能
- 自宅での通信が多いなら代替プランはありだが、外出先での利用がメインなら解約が吉
どんなときもWiFiの無制限プラン終了と、代替プランについて主に解説してきました。
中には私のように何の問題もなく今もどんなときもWiFiを使えている人もいるかもしれませんが、このプランのまま使えるのも10月末までです。
通信量の消費は自宅のほうが多いなら、モバレコAirと30GBプランの2台使いができる特別プランを、外出先でもたっぷり使いたいのなら、契約を解除して他社に乗り換えがおすすめ。
利用者に対しては既にメールが届いており、順次で電話でプランの説明があります。電話内容が分かりづらいといった話もありますが、話はしっかり聞いた上で、自分に合った選択をしましょう。