「FS040W」は、富士ソフトから新たに発売されたポケットWiFiルーターです。
旧型のFS030Wと比べると、通信速度や同時接続可能数などのスペックが、最新の通信環境に適応できるようにアップグレードされています。
その他にも、USBインターフェイスがType-Cに変更されて便利になったことや、バッテリーから他の機器へ電源を供給できる機能が追加されたこともポイントです。
本記事では、最新のポケットWiFiルーターFS040Wについて、旧型機との違いや新たな機能について詳しく解説します。
富士ソフトから「FS040W」がデビュー!
(引用:FS040W公式)
富士ソフトから、新型のポケットWiFiルーター「FS040W」が2020年7月に発売されました。
ビックカメラやアマゾンで購入可能で、ビックカメラでの価格は19,800円(税込)となっています。
後述する「専用ホームキット」の価格は10,780円(税込)ですが、ルーターとのセットで購入すると29,800円(税込)なのでお得です。
FS040Wの製品仕様は以下の通り。
項目 | 内容 |
名称 | +F FS040W |
型番 | FS040WMB1 |
サイズ | 高さ 約76.0mm ×幅 約76.0mm ×厚さ 約19.6mm |
質量 | 約 142g |
通信方式 | 4G 受信時最大 300Mbps / 送信時最大 50Mbps |
3G 受信時最大42.2Mbps / 送信時最大5.76Mbps |
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対応周波数 | 4G docomo…1/3/19/21 au…1/3/11/18/26/41 Softbank…1/3/8/11 |
3G docomo…1/6/19 au…非対応 Softbank…1 |
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無線LAN 2.4GHz/5GHz | |
連続通信時間 | 20時間 |
無線LAN同時接続数 | 15台 |
USB接続数 | 1台 |
セキュリティ | WEP,WPA-PSK,WPA2-PSK |
充電用端子 | USB Type-C端子 |
旧型と比べて、通信速度や無線LANの同時接続可能数など、さまざまな機能がアップグレードされています。
新作「FS040W」と旧機「FS030W」との違いは?両者を比較
FS040Wで気になるところは、旧型機FS030Wとの違いではないでしょうか。
旧型の方が安価に購入できますが、機能面では新型の方が優れているはずなので、どちらを買うべきか迷ってしまうかもしれませんね。
そこで、FS040WのFS030Wの違いについて、次の8つの観点から徹底比較してみましょう。
- 通信速度
- 接続可能台数
- USB端子の種類
- SIMカードのサイズ
- 液晶画面の強度
- 新たに追加された「バッテリー給電モード」
それぞれのポイントについて、詳しく検証していきます。
専用ホームキット(クレードル)は高性能アンテナ搭載で最大867Mbps!
(引用:FS040W公式)
FS040Wは据え置き型のホームルーターとして、FS030Wよりも使いやすくなりました。
別売りの「専用ホームキット(クレードル)」には高性能アンテナが搭載されていて、ホームキットに入れてWiFiの速度が最大867Mbpsになります。
単体で使用した場合の速度は4Gでも最大300Mbpsなので、ポケットWiFiとして使うよりも自宅で据え置きのホームルーターとして使う方が、通信速度が約3倍も速くなるということです。
また、ホームキットはビームフォーミングに対応しているので、より広範囲に電波を送り届けることができます。
(※ビームフォーミングとは特定の場所に電波を集中させる技術のこと。離れた場所や障害物が多い場所でも電波が届きやすくなる。)
自宅の1階にルーターを置いて2階でネットを使う場合でも、WiFiが届くので安心です。
4Gの最大通信速度が150Mbpsから300Mbpsまで拡大!
FS040Wの最大通信速度は4G下り300Mbpsで、FS030Wの150Mbpsと比べると2倍速くなりました。
最大通信速度はあくまで理論値なので、必ず300Mbpsの速度が出るわけではありませんが、それでも旧型より速いのは間違いありません。
また、FS040Wは複数の電波をひとつにまとめて使用する「キャリアアグリゲーション」に対応しているため、最大433Mbpsの速度にも対応しています。
ネットを快適に使うためには通信速度がとにかく重要なので、従来よりも速くなったのは嬉しいですよね。
ホームキットを使えば接続台数は最大32台!
FS040Wの無線LAN同時接続数は通常15台ですが、専用ホームキットを使用すると32台まで接続できるようになります。
最近はスマホやパソコンなどの通信機器だけではなく、テレビやエアコンなどの家電製品もWiFiに接続するようになりました。
接続可能台数に余裕がある方がたくさん機器を繋いでも遅くなりにくいので、複数の機器をWiFiに接続するときは便利です。
端子が「microUSB2.0」から「Type-C」になって充電がしやすくなった
FS040WにはType-CのUSBポートが搭載されていて、FS030WのmicroUSB2.0からの変更となりました。(下図参考)
USB Type-Cが他のUSB規格よりも優れている点は、端子の上下がないため簡単にケーブルを挿せることです。
従来のUSBポートではケーブルの向きを気にする必要がありましたが、FS040Wでは使いたいときにすぐ挿すことができます。
USBケーブルの挿し間違えがなくなることや、何度も挿し直して端子を傷めてしまうことがなくなるので安心ですね。
スマホにバッテリーの給電ができるようになった!
FS040Wにはバッテリー給電モードが搭載された、ルーターをモバイルバッテリーのように使えるようになりました。
バッテリー給電モードとは、FS040Wのバッテリーに充電された電力を、他の機器へ供給したり充電したりできる機能のことです。
外出先でスマホの充電が切れてしまったときや、突然の停電や災害時などで一時的に電源が使えなくなったときも、最低限の通信はできるので安心です。
ただし、スマホやタブレットなどに給電や充電するときは、FS040Wのバッテリーが十分に充電されている必要があります。
また、端末を接続するときはUSB Type-C to Type-Cケーブルが別途必要で、FS040Wの充電機能をONにする必要もあるので注意してください。
バッテリーレス機能は引き続き搭載!ACアダプターのみで利用できる
旧型のFS030Wにも搭載されていたバッテリーレス機能は、FS040Wにもきちんと継承されています。
FS040WやFS030Wの充電バッテリーは取り外し可能で、ACアダプタを本体に接続さえすれば、バッテリーを使わずに使用することが可能です。
バッテリーとして使用されているリチウムイオン電池は、長期間の使用や充電を繰り返すことで膨張や劣化しやすいため、外しても使える(バッテリーレス)と端末を長く愛用することができます。
リチウムイオン電池の劣化は避けられないことですが、FS040Wではバッテリーを使用せずに、ACアダプターのみで使用することが可能です。
ただし、ACアダプターだけで使用する場合は、前述したバッテリー供給モードで他の端末を充電することはできないので気を付けてください。
SIMサイズがmicroSIMからnanoSIMに変更!
FS040Wでは、対応するSIMカードのサイズがnanoSIMになり、FS030WのmicroSIMから変更されました。
現在ではnanoSIMを採用する端末が増えてきているので、ルーターもnanoSIMに対応している方が機器間のSIM交換がしやすくなります。
ただし、使用中の端末が古い場合はSIMカードを変更する必要があるので、事前にSIMのサイズを確認しておきましょう。
液晶画面が強化されてより割れにくくなった!
FS040Wの液晶画面はFS030Wと比べて強化された素材が使用されているので、少しくらいの衝撃では割れにくくなっています。
自宅で使用することが多いならともかく、ポケットWiFiとして持ち歩く場合は何かに当ててしまうことが多いので、液晶が壊れやすいのは不安ですよね。
FS040Wの液晶は耐久性が高くなったので故障や修理などの心配が少なくなり、外出先でも安心して使うことができます。
FS040WはFUJI Wifiで利用可能!
ポケットWiFi各社ではまだFS030Wを使っているところが多いですが、FS040Wを扱うところはまだ少ないです。
FS040Wを使える数少ない契約先には、FUJI Wifiがあります。
FUJI Wifiにはレンタルルーターを持ち運びできる「ルータープラン」と、使用中の通信機器にSIMカードを挿入する「SIMプラン」があり、FS040Wは両方のプランに対応。
ただし、ルータープランの場合、FS030WとFS040Wの機種から選択することはできず、在庫状況に応じてランダムに届くことになっているので注意してください。
回線はSoftbankとdocomo、auの3回線から選択可能です。詳細はFUJi WiFiの料金や評判についてまとめた詳細ページからどうぞ。
参考:FUJI WiFi(フジワイファイ)のSIMプランの通信速度や評判まとめ
FS040Wは楽天モバイルのSIMを挿しても使える?
Amazonやビックカメラで手に入るFS040WはSIMフリー端末です。
つまり、FS040Wの対応周波数(バンド)に一致しているSIMを使えば、ドコモやau、ソフトバンクに限らず使うことができます。
最近話題なのは、3か月間データ通信使い放題で月額料金無料を掲げている「楽天モバイル」です。
結論から言うと、FS040Wは楽天モバイルのSIMを挿しても使うことができます。
ただ、FS040Wで楽天モバイルを使うには、端末の設定時に楽天モバイルのプロファイルを追加しなければいけません。
まあそうは言っても、iPhoneで楽天SIMを使うのと同じように、FS040WのAPN設定に「rakuten.jp」を入れるだけですが。
設定などは、公式サイトやFS040Wの取扱説明書に掲載されている「+F 設定ツール」を使うとスムーズなのでおすすめです。
(参考:「+F 設定ツール」富士ソフト公式)
アプリがあれば、パスワードを入力しなくても端末側にあるQRコードを使って簡単に接続することも可能です。
楽天回線のエリア内であれば、光回線やホームルーターの契約をしなくても、楽天モバイルとFS040Wの組み合わせでWiFiが使い放題になります。
FS040Wを手に入れて自宅でも外出先でも快適な通信を
【FS040Wの特徴】
- 専用ホームキットは高性能アンテナ搭載で下り最大867Mbpsの速度が可能に
- 4Gの最大通信速度が150Mbpsから300Mbpsまで拡大
- ホームキットを使えば接続台数は最大32台に
- 端子が「Type-C」になって充電がしやすい
- スマホにバッテリーの給電ができる
- バッテリーレス機能は引き続き搭載
- SIMサイズがnanoSIMに
- 液晶画面が強化されて割れにくい
- FUJI WifiのルータープランとSIMプランで利用可能
- 楽天モバイルにも対応
FS040Wのスペックと、FS030Wとの違いについてまとめてきました。
FS030Wはそのサイズ感や使いやすさから、多くのポケットWiFiで導入されてきた端末です。
FS040Wになって速度やビームフォーミング機能の向上、対応周波数や接続台数の増加で、より便利になりました。
ホームキットは約1万円と割高ですが、速度や接続台数を重視する人はぜひ手に入れておきたいものです。
FS040Wを手に入れて、自宅や外出先で快適に通信しましょう。