快適にネットを使うために便利な「光回線」ですが、光回線には「対応エリア」があります。必ずしも全国各地で使えるわけではなく、対応していないエリアもあるのです。
居住中のエリアで光回線を使えるかどうかは、NTT回線や地域限定の光回線のエリアを調べることで確認できます。
ただ、光回線がエリア外だからといってネットを使えないわけではなく、ケーブルテレビの光回線や各社のポケットWiFi、ADSLなどの代替手段を使うのも手。
本記事では、光回線の対応エリアを確認する方法や、エリア外の場合の代替手段などについて詳しく解説します。
光回線がエリア内かエリア外かを確かめる方法
居住地区が光回線に対応しているかどうかについては、下記の2つの方法で確認することができます。
- 全国的に普及率の高いNTT回線で調べる
- NTT以外の光回線が利用できるか調べる
それぞれの方法について詳しく見ていきましょう。
全国的に普及率の高いNTT回線で調べる
国内で最も普及率の高い光回線はNTT回線です。
NTTの東日本エリアは、北海道・東北地方・関東地方・中部地方の一部地域、西日本エリアは、中部地方の一部・関西地方・中国地方・四国地方・九州地方・沖縄県で分かれています。
(引用:ドコモ光公式)
ただし、静岡県の熱海市と裾野市の一部は例外的に東日本エリアなので、該当地域に居住中の場合は注意が必要です。
フレッツ光の東日本もしくは西日本の各サイトでは、NTT回線の対応エリアについて確認できるので、アクセスしてみましょう。
ちなみに、居住している住宅が新築物件の場合は、NTT側が住所を把握していないので、エリアの判定ができないこともあります。
あらかじめNTTへ住所登録を行っておくと、そのエリアでNTTの光回線が利用できるかどうか判定することが可能です。
関連:新築で光回線を使いたい!入居日から使うための申し込み方法や手続きの流れ、工事概要まとめ

ちなみに、NTTのフレッツ光ではなく、ドコモ光やソフトバンク光などの光コラボ回線を使用したい場合も、同様の方法で対応エリアを検索できます。
NTT以外の光回線が利用できないかを調べる
NTTの光回線が対応していない場合、もしくはNTT以外の回線を利用したい場合は、地域限定の光回線も検討してみましょう。
地域限定の光回線サービスとして代表的なものには、次の5つの事業者があります。
こうした電力系光回線には、電気とのセット割やauスマホとのセット割「auスマートバリュー」の適用で、光熱費や通信費が安くなることも大きな特徴です。
それぞれの光回線の対応エリアや割引制度は異なるので、公式サイトで詳細を確認しておきましょう。
また、地域限定の光回線はNTTではない独自の回線を使用するので、混雑しにくいことも大きな魅力です。
近年はNTT回線を使う光コラボ事業者が増えて、利用者も急速に増えています。そのため、NTT回線が混雑して遅くなってしまうことが増えているのです。
電力系光回線など地域限定の光回線ではそういった混雑も少ないので、NTT回線よりも快適な速度で使える可能性があります。
なぜ田舎までエリアが広がらないのか
そもそも、光回線はなぜ全国すべての地域に対応しているわけではなく、田舎までなかなかエリアが広がらないのでしょうか。そこには光回線の事業者側の都合があります。
光回線の整備や保守を行うためには、相当の時間と人員が必要です。つまり、光回線のエリアを広げるためには、高額なコストが掛かるということ。
人口がそれなりにいる都市や町であれば、利用者が増えることによって利益が出るため、光回線の整備や保守の費用をまかなうことができます。
しかし、人口が少なくて契約数を確保するのが困難な地域では、時間が経過するごとに保守点検などのコストが増す一方で、収益を得るのは困難です。
現在では、フレッツ光は国内の約95%の地域に対応しているようですが、これ以上対応エリアを広げるのはなかなか難しいかもしれません。
特に、広大な土地に一軒しか家がないという場合は、そこまで回線を引くのは大変でコストも掛かるので、事業者としてもエリアを広げるわけにはいかないでしょう。
こういったコストパフォーマンスの観点から、残念ながら光回線を利用できない地域はどうしても出てしまいます。
光回線が通っていないエリアでインターネットを使う方法は?
フレッツ光や電力系光回線のいずれも利用できないという場合は、下記の3つの代替手段を検討してみましょう。
- 地元のケーブルテレビを利用する
- ポケットWiFiやホームルーターを使う
- ADSLを利用する
それぞれメリットやデメリットがあるので、重要なポイントについて詳しく解説します。
地元のケーブルテレビを利用する
主要な光回線の次に有望な手段として、ケーブルテレビの光回線が挙げられます。
ケーブルテレビとは、地上波放送や衛星放送などのテレビ番組を、ケーブルテレビ網で受信するテレビサービスのこと。
ほとんどのケーブルテレビではインターネットにも対応しているので、ケーブルテレビが契約できる地域ならネットも契約できる可能性が高いです。
ケーブルテレビの光回線は厳密な光回線ではなく、光ファイバーと同軸ケーブルを組み合わせたものが広く使われているため、他社回線と比べると、通信速度や通信品質が見劣りするケースもあります。
それでも、最新のケーブルを使うことで光回線よりも速く通信ができる地域もあるので、ケーブルテレビのインターネット利用も候補の一つとして捉えておくと良いでしょう。
ポケットWiFiやホームルーターを使う
ポケットWiFiとホームルーターも、光回線の代替手段として効果的です。いずれのサービスでも光回線のようなケーブルではなく、無線電波によってインターネットと接続します。
外出先でも使うならポケットWiFi、自宅に設置して使うならホームルーター
ポケットWiFiは、小さなモバイルルーター端末を携帯することで、スマホやタブレット、ノートパソコンをネットに接続できるサービスのことです。
基本的には外出先でもネットを使いたい人向けのものですが、実は自宅でネットを使いたい人でも便利に使えます。

一方、ホームルーターは、自宅に設置するルーターでネットを使えるサービスのことです。
光回線と似ているように思えますが、光ファイバーケーブルではなくモバイル通信用の無線電波を使って通信を行います。

ポケットWiFiやホームルーターのメリット
ポケットWiFiとホームルーターの大きな特徴は、どちらも工事が不要で、光回線が通っていないエリアでも利用できる可能性があること。
そもそも、光回線がなぜ利用できないのかというと、居住中の地域に光ファイバーケーブルが敷設されていないからです。
しかし、ポケットWiFiやホームルーターは各事業者のモバイル通信用の無線電波を使用するので、光回線のエリアは関係ありません。
光回線と違って高額で面倒な工事も必要ないので、気軽に契約することができることも大きな魅力です。
また、最近はホームルーターとスマートホームのシステムを組み合わせたサービスも展開されているので、次世代住宅に興味がある人はぜひ検討してみることをおすすめします。
ポケットWiFiやホームルーターの注意点
ただし、ポケットWiFiやホームルーターはモバイル通信を利用しますが、スマホと全く同じ電波を使うわけではありません。
スマホが利用できる地域でも、ポケットWiFiやホームルーターが使えないことがあります。事前に公式サイト等で対応エリアを確認してから、契約するようにしましょう。
また、いずれのサービスも無線電波を使用するので、有線の光ファイバーケーブルを使う光回線と比べると、どうしても通信速度が劣り、安定性が欠けることにも注意が必要です。
ADSLを利用する
光回線が使えない場合の最終手段に、ADSLがあります。ADSLは光回線が登場する以前に普及していた、電話回線を使用するインターネットサービスです。
つまり、光回線が整備されていない地域でも、固定の電話回線を使うことさえできれば、ADSLでのネットを利用できます。
ただ、フレッツ光はすでにADSLの新規受付を終了しており、サービス自体も2023年に終了することを発表しています。
関連:ADSLの終了!廃止時期や乗り換え先案。代わりの回線は光回線、それともWiMAX?

他の事業者でもADSLのサービスは次々に終了しているので、ADSLを使えるエリアは狭まる一方です。
しかし、光回線が整備されていない地域では、他の地域でADSLが終了してしまった後でも、引き続きADSLを使うことができるとされています。
ADSLは光回線に比べて通信速度が遅く不便ではありますが、光回線が使えない地域では代替案になるでしょう。
まとめ|まずは光回線を引けないかを考え、その後代替案を検討
光回線に対応していないエリアでは、ポケットWiFiやホームルーター、ケーブルテレビやADSLなどの代替手段で、ネットを使うことができます。
しかし、どの手段を選んだ場合でも光回線と比べると通信速度や品質は見劣りするので、できる限り光回線を使うための方法を探りましょう。
そんな場合は、NTTなどの回線事業者などに拡大予定地を確認したり、エリア拡大の要望を出したりすることもできます。改善されることもあるので、ぜひ利用してみましょう。