国内や海外を旅行する際に、多くの人が旅行のお供として持っていくことが多いポケットWiFi。
しかし移動で飛行機を利用する場合、手荷物や預け荷物としてポケットWiFiを持ち込む際には守らなければいけないルールがあります。
規則に反した場合は罰金となってしまう可能性もあるため、注意が必要です。
本記事では、ポケットWiFiを飛行機に持ち込む時の注意点や、機内で使えるWiFiについて解説していきます。
ポケットWiFiは飛行機に持ち込みできる?機内では使えないの?
結論から言えば、ポケットWiFiを飛行機内に持ち込む事は可能です。
ただ、持ち込むためにはいくつかの制限や注意点があります。
飛行機内に持ち込むには電源を完全に切る必要がある
ポケットWiFiを始め、多くの電子機器には、リチウム電池が使われています。
繰り返し充電して何度も使えるため、日常生活の中では欠かせない電池です。
ただ、リチウム電池には熱くなりやすい性質があるため、機内に持ち込むにあたっては各航空会社ごとに制限が設けられています。
例えば、ANA(全日空)の制限は以下の通りです。
・リチウム電池の重さが2g以下
・電池容量が160wh以下であること
(Wh)= 定格定量(Ah)× 定格電圧(V)
基本的にはどの航空会社でも似たような制限が定められていますが、ほとんどの人はこの制限に引っ掛かるようなことはないため、あまり気にする必要はありません。
ただし、モバイルバッテリー対応のポケットWiFiや、複数の電子機器を持ち歩く人は、飛行機に乗るまでに確認しておくようにしましょう。
機内でポケットWiFiの電源を入れるのは航空法に違反する
ポケットWiFiの持ち込みができたとしても、飛行機内でポケットWiFiを使うことはできません。
なぜなら航空法により、「航空機外の設備と無線通信を行う電子機器」の使用が禁じられているから。
電子機器の使用制限は平成26年9月に緩和され、機内モードのスマートフォンや通信用の電波を発さい電子機器などは使用が可能となりましたが、ポケットWiFiは変わらず禁止されています。
参考:国土交通省「航空機内における電子機器の使用制限を緩和」
そもそも、機内における電子機器の使用が禁じられているのは、機内で電子機器を使用し、電波を発射することで、機内の機器が誤作動を起こしてしまう可能性があるため。
搭乗時は必ず客室乗務員からアナウンスがありますが、飛行機のドアが閉まるまでには必ず電源をOFFにしておきましょう。(機内モードのあるポケットWiFiはそれを利用しても良い)
ちなみに、航空法に背くと50万円の罰金が課せられてしまうので、注意してください。
手荷物にしてもポケットWiFiを飛行機内で使うことはできない
実際のところ、手荷物にして持ち込んだところで、上空でポケットWiFiを使用することはできません。
そもそも、基地局から飛ばされる電波は、横方向に広がるようになっているため、上空で電波をキャッチするのは難しいです。
たとえ電波が届きそうな低空を飛んでいてかろうじて電波を拾えたとしても、飛行機のスピードでは通信の安定性に欠けますし、すぐに圏外になります。(そもそもその時点で航空法に違反していますが)
どうしても機内でインターネットを使いたのであれば、後述する「機内WiFi」を利用してみましょう。
預け荷物に入れる時の注意点は?
手荷物にせず、ポケットWiFiを預け荷物にする時にも注意点があります。
故障しないようにタオルなどでくるむ
どの航空会社でも、貴重品や壊れやすいものを預け荷物にすることは推奨されていません。
それはポケットWiFiでも言えること。キャリーバッグに適当に入れただけでは、衝撃で故障してしまう可能性があります。
手荷物を減らすために預け荷物にするなら、タオルなどでくるむなどの対策を取るようにしてください。
衝撃を吸収するクッションケースなどは100均でも手に入るので、あらかじめ用意しておくと良いでしょう。
電波を発さないように電源を切る
ぎりぎりまでポケットWiFiを使わなくても、空港のロビーやラウンジにはフリーWiFiがありますし、スマホでテザリングすればパソコンでインターネットを使うこともできます。
たとえ預け荷物にする時でも、飛行機の電子機器に影響を与える可能性があるため、ポケットWiFiの電源は必ず落としておきましょう。
飛行機内での通信は「機内WiFi」サービスが使える
機内でインターネットを使う方法に「機内WiFi」があります。
機内WiFiとは、その名の通り「飛行機で使えるWiFiサービス」のこと。
機内WiFiの概要や料金を確認していきましょう。
国内線はJALやANAの多くの路線において無料で使える
JALとANAの国内線では、2017年から機内WiFiの無料サービスが始まっています。
機内WiFiには、通常のインターネットサービスに加えて、音楽配信や映画、ラジオ、雑誌など様々なコンテンツがあり、長時間のフライトでも退屈しません。
スマホの電波が届かない飛行機に乗っていてもLINEでメッセージが送れると、何だか不思議な気分になりますね。
なお、機内WiFiを使ってインターネットを使うことはできますが、画像の表示や動画の再生・投稿はできないため、通信量の消費が多いInstagramやYouTubeを利用することは難しいです。
私が機内WiFiを使った時は、投稿を見ることはできても、ストーリーを見ることはできませんでした。
なお、機内WiFiが使える便は、予約画面から確認することができるので、WiFiの使える便を選んで搭乗することも可能です。
国際線は基本有料であることが多い
国内線の機内WiFiは、アプリのダウンロードや利用登録をすれば、誰でも無料で使うことができますが、国際線では基本的に有料です。
時間や通信量に制限が設けられており、いくつかのプランから選ぶことになります。
JALとANAの国際線における料金は以下の通りです。
【JAL】(USドル)
時間 | 料金(※) |
1時間 | $10.15($9.15) |
3時間 | $14.40($12.95) |
24時間 | $18.80($16.80) |
※()内の料金は特定のクレジットカードで支払った場合の金額
【ANA】(USドル)
時間 | 料金 | 上限 |
30分 | $4.95 | 15MB |
1時間 | $8.95 | 30MB |
フル | $19.95 | 100MB |
30分 | $6.95 | なし |
1時間 | $14.40 | なし |
フル | $18.80 | なし |
利用時間が終了したり、通信量が上限に達してしまった場合は、プランを追加購入することになります。
航空会社が提供する機内のWiFiサービスに接続する方法
JALとANAでWiFiサービスを利用する際の接続方法について確認していきます。
機内WiFi利用の際は、スマホを「機内モード」にすることをお忘れなく。
JAL|アプリのダウンロード不要でブラウザから直接利用開始できる
JALはアプリをダウンロードしなくても、ブラウザ(Safariやchrome)からWiFiサービスに接続することができます。
接続は簡単で、機内に搭乗後、スマホのWiFi接続画面で「Japan Airlines」もしくは「gogoinflight」を選択して、ブラウザを開くだけ。
後は画面にしたがって操作をすればインターネットを利用できるようになります。
参考:JAL公式
ANA|搭乗前にアプリのダウンロードを済ませておく
ANAで機内WiFiを使うには、あらかじめアプリのダウンロードが必要です。離陸してしまうとアプリのダウンロードができないので注意してください。
こちらも接続自体は難しくありません。
WiFi接続画面で「ANA WI-FI-service」に接続後、アプリから「機内WiFi」を選択。
メールアドレスの登録などが終わると、インターネットや機内WiFiサービスを利用可能です。
JALに比べるとダウンロードという手間がありますが、ANAをよく利用するなら事前にアプリを入れておくと何かと便利です。
参考:ANA公式
ポケットWiFiは電源を切って手荷物にする
【この記事のまとめ】
- 手荷物や預け荷物では電源を切る
- 故障やトラブルを回避するために手荷物のほうが良い
(リチウム電池の規定はチェックしておく) - 機内でポケットWiFiを使うのは航空法違反
- 無料の機内WiFiを利用しよう
ポケットWiFiを手荷物や預け荷物にする際の注意事項や、機内WiFiの概要や使い方について解説してきました。
航空法や航空会社の規定で決められている通り、ポケットWiFiなどの電子機器は必ず電源を切って持ち込むようにしましょう。
故障やトラブルを避けるためにも、預け荷物よりも手荷物にすることをおすすめします。