auから低価格の新プラン「povo」(ポヴォ)が2021年3月23日にサービスを開始しました。(正式名称は「povo on au」)
ドコモのahamoやソフトバンクのLINEMO(ラインモ)と同様、月間データ通信量は20GBですが、月額料金が2,728円と安いのが目玉です。
※LINEMOは2月18日に価格を3,278円→2,728円に変更
申し込みはオンラインで受け付けていて、auやUQmobileからの移行に手数料は掛かりません。
povoでは2月1日から先行エントリーキャンペーンを展開していました。事前申し込みのうえ5月31日までに本契約をすることで、3,000円相当のau PAYがGETできます。
本記事では、povoの概要や、au大容量プランにあってpovoには無いもの、4キャリアでの料金比較結果について解説していきます。
auの新プラン『povo』とは
総務省が求める「携帯料金引き下げ」に応じてドコモが「ahamo」を、ソフトバンクは「LINEMO」(ラインモ)を発表していましたが、3キャリアの中で最も遅い発表となったのがauです。
新プランの価格設定などに注目が集まっていた中、20GBで月2,728円の安い価格設定プラン「povo」を打ち出し、話題を呼んでいます。
主な特徴は以下の通りです。
- 20GB月2,728円
- povoのサービス開始は3月23日から
- 月550円のオプションで5分以内の通話料無料
- 1回220円で24時データ使い放題
- au回線利用
- スマホとのセット割引は無し
povoの料金|20GB月2,728円、通話料無料はオプションで付け外しできる
povoは、月間20GBまでの通信容量を月額2,728円(税込)で使えるというシンプルなプラン。
auスマートバリューや家族割プラスなどの割引は一切適用されない代わりに、ドコモの新プランに比べて、1ヶ月あたり242円安く使うことができます。
ドコモの月2,970円だけでもかなり驚きの価格と言えますが、auの新プランpovoはそれよりもさらに安いです。
povoの月額料金 | |
20GB | 2,728円 |
オプション① 5分以内の 国内通話無料 |
550円 |
オプション② データ使い放題 24時間 |
220円 |
オプション③ データ追加1GB |
550円/1GB |
オプション④ 通話かけ放題 |
1,650円 |
※税込表記
ただ、ドコモの新料金に含まれている「5分までの国内通話無料」が、povoでは任意でつけるオプションとなっています。(オプションの550円をつければ月3,278円)
通話に対してできるだけ料金を抑える場合は、povoやahamoよりも楽天モバイルです。なにしろ何分話しても通話料金を無料にできます。
また、ahamoやLINEMOとの大きな違いは、20GBとは別に24時間データ通信が使い放題できるオプション(月220円)を月に何度でも適用できること。
YouTubeやNetflixを高画質で1時間見ると約1GBを消費しますが、シリーズものや長時間に渡るLIVE中継を見るなら、20GBではちょっと心もとないですよね。
そんな時でもこのオプションを使えば、通信容量や速度制限を気にせずに通信することができます。
povoの開始時期|2021年3月23日から
povoは、2021年3月23日(火)からサービスを開始しています。
ちなみに、ソフトバンクのLINEMOはすでに3月17日に開始しており、ドコモのahamoは3月26日の開始を予定しています。
povoの通信回線|auの回線とエリアで使用可能!5Gは2021年夏以降の予定
povoはauの高品質な4G LTEネットワークを使用するため、エリアはauと同じく全国で利用できます。
2021年夏以降、5Gにも対応する予定です。
povoの速度制限|20GB超過後でも1Mbps以下で使える
povoのデータ容量である20GBを超過すると、通信速度が掛かります。
しかしそれでも、最大1Mbpsで使い続けることは可能です。
画像の表示や動画の再生に時間が掛かる可能性はありますが、ネット検索やTwitter閲覧程度であれば問題なく使えます。
もし通常の速度が良いなら、1GBあたり550円でデータ容量を追加購入するまでです。
au大容量プランにあって、povoにないこと
povoの発表と同時に、auのデータMAX 4G/5Gについても料金の引き下げが伝えられました。
以前は月額8,415円(5Gは月額9,515円)でしたが、価格改定後は月額7,238円。
(データ利用料が3GB以下であれば、自動的に1,650円の割引)
auスマートバリューや家族割プラスなど各種割引を全て適用すると、4,928円から。
両者の違いをまとめました。
povoはスマホのセット割も家族割も使えない
キャリアのスマホプランと言えばお馴染みなのが、光回線(auひかりやJ:COM等)とスマホのセット割や家族割ですが、povoにはいつもの割引が一切ついていません。
一応、2021年夏までの期間限定で、早期申し込み特典としてpovo回線も家族人数のカウント対象に入れることにはなっていますが、21年夏以降はその特典も適用できなくなってしまいます。
したがって、セット割や家族割を適用していた人がpovoに乗り換えた場合、auユーザーの割引額が減少するという問題が生じます。
例えば、家族3人でau回線を契約していた場合、auスマートバリューで月1,100円引き、家族割プラスでも月1,100円の割引があるため、家族全員で6,600円の割引を受けることができました。
しかし、auを契約する家族3人のうち2人がpovoに切り替えると、家族全員の割引額は1,100円に留まります。(家族割プラスが0円になる)
auから povoへ移行 |
家族3人とも au |
家族2人au 1人povo |
家族1人au 2人povo |
月額料金 | 7,238円 7,238円 7,238円 |
7,238円 7,238円 2,728円 |
7,238円 2,728円 2,728円 |
auスマート バリュー |
-3,300円 (3回線) |
-2,200円 (2回線) |
ー1,100円 |
家族割 プラス |
-3,300円 (3回線) |
-1,100円 (2回線) |
ー |
合計※ | 18,414円 | 13,904円 | 11,594円 |
※税込表記
※au PAYお支払い割を適用すると1回線あたりさらに-110円引き
家族全体の料金を合わせると月6,600円安くはなりますが、auを契約している家族の割引額は下がる点には注意ですね。
家族間通話も無料じゃない
家族割が使えなくなるだけでなく、povoでは家族間通話やSMS利用料も有料扱いとなります。
メッセージはLINEで十分でしょうし、通話についてはオプションをつける方法もありますが、家族との電話は5分以上になることのほうが多いでしょう。
LINE電話よりもキャリアの音声通話を長時間使う場合は、povoに1,650円の掛け放題オプションをつけて使ったほうが良さそうです。(合計月4,378円)
ちなみに、ドコモの場合、ahamoから家族に電話を掛けると5分以上の通話は有料ですが、ドコモのギガプラン(ギガライトやギガホなど)からahamoに掛ける場合は従来通り無料となっているという違いがあります。
キャリアメールが使えなくなる
povoに切り替えると、それまで使っていた「@ezweb.ne.jp」や「@au.com」のつくキャリアメールアドレスは使えなくなります。
普段のやり取りがLINE中心になっていたとしても、会員登録や手続きの場面でメールアドレスを求められることは今でも多いです。
auからpovoへの移行を考えている人は、事前にGmailやYahoo!メールなどの「フリーメール」への登録と移行を済ませておくのがおすすめ。
最近のフリーメールは迷惑メール対策などもしっかりなされているため、無料でありながら安心して使うことができます。
ショップや電話でサポートしてもらえなくなる
povoはオンライン申し込み。SIMの挿入や設定などは全て自分ですることになります。
「困ったことがあったらショップやカスタマーセンターに電話して相談する」などして対処していた人も多いかと思いますが、povoではこれまでのような手厚いサポートがありません。
申し込みやトラブル解決、解約までをオンライン手続きを通してするのは心配…という人は、これまで通りauで契約しておくのが無難です。
povo・ahamo・LINEMO・楽天の4キャリアとの比較表
auのpovoとドコモのahamo、ソフトバンクのLINEMO、楽天モバイル(UN-LIMIT Ⅵ)の4キャリアから出ている低価格プランの情報をまとめました。
povo | ahamo | LINEMO |
楽天 モバイル |
|
料金 | 2,728円 | 2,970円 | 2,728円 | 3か月間無料 0~1GB:0円 1~3GB:1,078円 3~20GB:2,178円 20GB~:3,278円 |
容量 | 20GB | 20GB | 20GB | 無制限 (楽天エリア) |
データ 追加 |
1GB 550円 |
1GB 550円 |
1GB 550円 |
1GB 550円 |
音声 通話 |
22円/30秒 | 5分以内 無料 |
22円/30秒 | 国内通話 無料 (アプリ) |
通話 定額 |
5分以内無料 (550円) 通話かけ放題 (1,650円) |
かけ放題 1,100円 |
5分以内無料 (550円) 通話かけ放題 (1,650円) |
かけ放題 980円 |
速度 制限 |
最大 1Mbps |
最大 1Mbps |
最大 1Mbps |
最大 1Mbps |
eSIM | 対応予定 | × | 〇 | 〇 |
5G | 2021年夏 (予定) |
〇 | 〇 | 〇 |
セット割 | × | × | × | × |
家族割 | × | △ ※ |
× | × |
海外 | 未公表 | アメリカ (料金含) |
82ヶ国 (料金含) |
66の 国と地域 (料金含) |
テザ リング |
〇 | 〇 | 〇 | 〇 |
開始 | 3月23日 | 3月26日 | 3月17日 | 4月予定 |
詳細 | ー | 詳細 | 詳細 | 詳細 |
※税込表記
※ahamoの家族割引きは無いが、ドコモの他のプランを使っている家族の割引にahamo回線分もカウントされる
最近は「LINEでしか電話をしない」という人も多いことを考えると、5分以内通話無料をオプションにして自由に取り外しができるのは割と便利。
しかも、シンガポールの会社(CIRCLES LIFE)の技術を使ったオプションメニュー(トッピングメニュー)で簡単に操作できるのも使い勝手が良さそうです。
(引用:au新料金発表会資料)
イメージ画像には「2時間ムービー見放題」や「24時間SNS使い放題」といった文字があることから、3月以降に順次追加されるトッピングにも期待が持てますね。
一方、3キャリアのなかでもauのpovoは5G対応が遅れていますが、2021年夏時点でも5Gエリアはまだそこまで全国的に広がっているわけではないため、さほど気にするほどではありません。
20GB月額2,728円で使えるだけでなく、こういったトッピング(オプション)があるのはpovoならでは。
少しでも安くスマホを使いたいという人や、柔軟にオプションを付け外ししたい人は、povoを選ぶと良いでしょう。
ちなみに、本サイトではこれらのキャリアよりも安く使える日本通信SIMの「合理的20GBプラン」についても解説しています。
気になる方は、「日本通信SIMの合理的20GBプランの料金や速度比較」を参考にしてください。

まとめ|オプションを自由にトッピングできるpovoはアリ
povoの概要やauとの違い、他社の低価格プランとの比較した結果について解説してきました。
- 月額2,728円で使える
- 2021年3月23日開始
- 「5分以内国内通話無料」オプション(月550円)は付け外し可能
- 24時間データ放題(月220円)オプションで満足に動画視聴ができる
- その他にも順次オプションを追加予定
- 5Gは2021年夏以降対応
他社に比べると5G対応が2021年夏とやや遅れ気味ですが、5Gを使うには5G対応端末を、5Gの対応エリアで使う必要があり、普段使いを考えるとそこまで重要性は高くありません。
「月に20GBを安く使えればそれでいい」「あまり使わない機能は極力削りたい」ようなユーザーにpovoはぴったりのプランと言えます。
今後追加されるであろうオプションにも期待が高まりますね。