インターネットを利用するためには、光回線だけではなくプロバイダも一緒に契約する必要があります。
プロバイダによってネットの快適性が大きく変わるため、対応エリアや月額料金、接続オプションやセキュリティサービスなどを比較して慎重に選びたいところ。
一方で、プロバイダがひとつに固定されている光回線も増えているなど、プロバイダの選択肢は回線によってさまざまです。
本記事では、後悔しないプロバイダの選び方や主要な光回線でおすすめのプロバイダについて、詳しく解説します。
プロバイダを選ばなくてもいい光回線が増えている
以前は光回線を契約するときにプロバイダも選ぶ必要があることがほとんどでしたが、現在ではプロバイダを選ぶ必要がない光回線も増えています。
そもそもプロバイダとは、インターネットの接続サービスを「プロバイド(提供)」する事業者のことで、いわばユーザーと光回線のつなぎ役のようなもの。
つまり、ネットを利用できるようにするためには、光回線を提供する「光回線事業者」と、それに接続するサービスを提供する「プロバイダ」がセットで必要だということです。
光回線には次のようなものがあります。
一方、プロバイダは次のようなものです。
- So-net
- @nifty
- ASAHIネット
- BB.excite
- BIGLOBE
- OCN
- So-net
実はプロバイダが必要なのはスマホでも同じで、NTTドコモのspモードやauのLTE NETなど、スマホの契約にはプロバイダサービスもオプションに含まれています。
当初インターネット回線が普及し始めてからしばらくの間は、ネット回線とプロバイダを別々に契約する必要がありました。現在でもフレッツ光やドコモ光ではプロバイダの選択が必要です。
一方で、ソフトバンク光やNURO光など、光回線を選んだ時点でプロバイダが決まってくるような、選択が不要な回線も増えています。
こういった「一体型サービス」では回線事業者がプロバイダも提供しているので、契約や月額料金の支払い、問い合わせなどの窓口を一本化できるので便利です。

インターネット契約で後悔しないプロバイダの選び方
光回線を契約するときはプロバイダを選ぶ必要がありますが、回線によっては選択肢が多くて迷ってしまうことがありますよね。
回線よりもプロバイダの方が、ネットの快適性に大きな影響を与えることもあるので、プロバイダの選択は重要です。
そこで、次の4つの点を意識すると、後悔のないプロバイダ選択ができるようになります。
- 光回線とプロバイダの対応エリア
- 「v6プラス」や「IPv6オプション」への対応
- セキュリティやカスタマーサービスの品質
- 月額料金の安さや割引の充実度
それぞれのポイントについて詳しく見ていきましょう。
光回線とプロバイダがエリアに対応しているか
光回線とプロバイダの両方が、居住地域に対応しているかどうかという点が、ネット回線を契約するときにまず注目すべき点です。
最初にプロバイダを決めていても、そのプロバイダを選べる光回線が居住エリアに対応しているとは限らないからです。
長期間契約しているプロバイダがある場合は、光回線を変更してもプロバイダを継続したいところですが、乗り換え先の光回線に対応していないこともあります。
それとは逆に、気になる光回線が先に見つかっても、居住中のエリアに対応していなければやはり契約することはできません。
光回線やプロバイダを選ぶときは、居住している地域に対応しているかどうか、公式サイト上であらかじめ確認しておきましょう。
また、集合住宅の場合はあらかじめ各部屋に共通の指定回線が引かれているので、選択可能な回線が制限されることがほとんどです。
NTTの回線設備が設置されている場合はフレッツ光か光コラボ事業者、auひかりの回線がある場合はauひかりしか選べません。
プロバイダも指定されていることがあるので、マンションやアパートへ引っ越したり回線を乗り換えたりするときは、あらかじめ管理者に確認しておきましょう。
v6プラスやIPv6オプションに対応しているか
プロバイダがv6プラスやIPv6オプションに対応しているかどうかは、通信速度や快適性を左右する重要な要素です。
v6プラスやIPv6(IPoE)オプションは新しい接続方式で、従来のIPv4(PPPoE)と比べて混雑しづらいためネットを快適に使いやすくなります。
IPv4(PPPoE)は帯域幅(回線の通り道)が狭く、ネットに接続するたびに認証手続きが必要となるため、利用者が多くなるとすぐに混雑します。
いわば1本しかない道に手動の料金所があり、多数の車が通ろうとして渋滞を起こしているような状態です。
IPoEはPPPoEと比べて帯域幅が広く、面倒なユーザー認証ではなく簡易な回線認証だけで良いので、混雑することが少なくなるのが特徴。
複数の道路にETCが設置されているようなものなので、多数の利用者がスムーズに回線に接続することができるのです。
なお、IPv6 IPoE+IPv4 over IPv6やv6プラスならIPv6でもIPv4のサイトにアクセスできるので、より幅広いサイトにアクセスできて便利です。
プロバイダを選択するときは、IPv4(PPPoE)ではなくIPv6(IPoE)を、できればIPv6 IPoE+IPv4 over IPv6や、v6プラスに対応しているところを選ぶ方が良いでしょう。
参考:IPv4とIPv6の違いを分かりやすく解説、IPv6対応でも速度が速くなるとは限らないって本当?
また、v6プラスやIPv6(IPoE)に対応しているルーターのレンタル費用も、プロバイダを選ぶときのポイントになります。
ルーターのレンタルは一般的に月額330円~550円ほど掛かるので、無料でレンタルできるプロバイダを選ぶとお得です。
セキュリティソフトやカスタマーサポートなどのサービスは十分か
プロバイダはセキュリティソフトやメールサービス、カスタマーサポートなどを提供しますが、その品質もプロバイダ選びの重要な基準です。
ひとくちにセキュリティソフトといっても、ウイルスやスパイウェアの駆除、危険サイトや有害サイトへのアクセスブロックなど、使用者や目的によって必要な機能もさまざま。
プロバイダによってはセキュリティソフトを提供していないことがあるので、安全性を重視したい場合は要注意。
セキュリティソフトは月額550円くらいの有料オプションなので、一定期間は無料になるなどキャンペーンが充実しているプロバイダを選ぶとお得です。
また、光回線自体ではなくネットへの接続に問題が起きたときは、光回線事業者ではなくプロバイダに連絡することになります。
そのときにプロバイダのサポート体制が不十分なら、問題を解決するまでに時間が掛かってしまうこともあるでしょう。
各種オプションの品質やカスタマーサポートの対応が悪いと、ネットを快適かつ安全に使うのが難しくなることもあるので、サービスの良いプロバイダを選びたいところですね。
月額料金は安いか、割引はあるか
光回線とプロバイダがエリア内に対応していることが分かった場合、まず最優先に考えたいのが月額料金や割引ではないでしょうか。
月々の通信費はネット回線だけではなく、スマホなど他の機器に掛かる分もあるため、できるだけ安く抑えたいですよね。
1か月あたりのプロバイダ利用料は、だいたい1,000円前後が相場となるため、このラインを基準に考えてみると良いでしょう。
また、プロバイダの月額料金が他社より少し高い場合でも、割引やキャンペーンなどを利用するとお得になることがあります。
プロバイダの割引で最も多いのが、一定期間のプロバイダ月額料金が安くなるというものなので、とにかく月額料金を安くしたいときはそこを比較してみましょう。
その他にも、現金のキャッシュバックやポイント還元など、プロバイダによって割引やキャンペーンには様々な形式があります。
様々な選択肢から慎重に検討して、少しでも安くてサービスも良い光回線とプロバイダを、上手に選びたいですね。
光回線別!おすすめのプロバイダはどれ?
光回線ごとに選択できるプロバイダは様々なので、どれを選べば良いか迷うことがあるかもしれませんね。
そこで、主要な光回線でおすすめのプロバイダについて、次のようにまとめてみました。
- フレッツ光のプロバイダパックで月額料金が一番安いのは「AsahiNet」
- ドコモ光の「GMOとくとくBB」はv6プラス対応ルーターのレンタルが無料
- auひかりはプロバイダで料金や速度が変わらないためサービス内容で選ぶ
- ソフトバンク光は「Yahoo!BB」のみ
- NURO光は「So-net」のみ
それぞれのプロバイダについて、選ぶべき理由や特徴などについて詳しく解説します。
【フレッツ光】プロバイダパックで一番月額料金が安いのはAsahiNet
フレッツ光の光回線とプロバイダは本来別々に契約しますが、契約や月額料金の支払い先が異なるので面倒なことがあります。
そこで、両者がセットになる「プロバイダパック」を契約すると、月額料金の支払いがNTTファイナンスに一本化されるので便利です。
さらに、プロバイダパックで契約すると通常よりプロバイダの月額料金が安くなるなど、様々な特典を受けることができます。
戸建てタイプを契約した場合の、プロバイダの月額料金やプロバイダパック特典、最低利用期間や解約金などをまとめてみました。
プロバイダ | 月額料金 | 開通月 無料 |
プロバイダ パック特典 |
最低 利用期間 |
解約金 |
WAKWAK | 1,045円 | 〇 | 翌月以降 23ヶ月550円 |
24か月 | 4,950円 |
So-net | 1,100円 | 〇 | 翌月以降 11ヶ月770円 |
なし | なし |
plala | 1,100円 | × | 1か月間無料 +35ヶ月550円 |
24か月 | 9,900円 |
OCN | 1,210円 | 〇 | なし | なし | なし |
hi-ho | 1,320円 | 〇 | 翌月以降 3ヶ月無料 |
25か月 | 11,000円 |
DTI | 1,046円 | 〇 | 翌月以降 23ヶ月522円 |
25か月 | 11,000円 |
BIGLOBE | 1,320円 | 〇 | 翌月以降 36ヶ月550円 |
25か月 | 5,000円 |
BB.excite | 550円 | × | なし | なし | なし |
AsahiNet | 858円 | 〇 | 翌月以降11ヶ月無料 +12か月500円 |
12か月 | 2,000円 |
@nifty | 1,100円 | × | 16ヶ月無料 | なし | なし |
※税込表記
上記のように、月額料金自体が最も安いのはBB.exciteですが、プロバイダパック特典も含めて考えると、次のようにAsahiNetが最もお得になります。
プロバイダ | 24か月間の 月額料金 |
AsahiNet | 6,600円 |
@nifty | 8,800円 |
WAKWAK | 12,650円 |
BB.excite | 13,200円 |
ただし、AsahiNetには12か月の最低利用期間が設けられており、期間内に解約すると2,200円の違約金が発生するので注意が必要です。
【ドコモ光】GMOとくとくBBを選ぶとWiFiルーターが無料
ドコモ光の料金プランにはタイプAとタイプBの2種類があり、それぞれ月額料金や選択可能なプロバイダが異なります。
ドコモ光の料金プランにはタイプAとタイプBの2種類があり、それぞれ月額料金や選択可能なプロバ
合計で24種類のプロバイダの中から選択することができますが、その中でも特にお得なのがタイプAの「GMOとくとくBB」です。
GMOとくとくBBを契約した場合の月額料金は、ネットとプロバイダがセットで戸建てタイプ月5,720円、マンションタイプ月4,400円となります。
ドコモ光をGMOとくとくBBで契約するとお得なのは、次の3つの特典があるためです。
- 最大20,000円のキャッシュバックを受けることができる
- 「v6プラス」サービスを無料で利用可能
- v6プラス対応のWiFiルーターを無料でレンタル可能
キャッシュバックの金額はオプションサービスの申込内容によって異なり、「ひかりTV for docomo」と「DAZN for docomo」を契約すると最大の20,000円となります。
また、他社では有料オプション扱いのことが多い「v6プラス」サービスを、GMOとくとくBBでは無料で利用でき、v6プラス対応のWiFiルーターも無料でレンタル可能です。
高速なネット接続をお得に使うなら、GMOとくとくBBを選ぶと良いでしょう。
【auひかり】プロバイダで速度や料金は変わらない!サービスで選択
auひかりでは基本的にauが提供するプロバイダ「au one net」が推奨されていて、キャッシュバックや毎月ポイントが貯まることなどが魅力です。
- au one net
- @nifty
- @T COM
- ASAHIネット
- BIGLOBE
- DTI
- So-net
ただし、auひかりでは全部で7種類のプロバイダを選ぶことが可能で、どれを選んでも月額料金や通信速度は変わりません。
auひかりの月額料金は光回線とプロバイダがセットになっていて、ネットへの接続にはプロバイダを介さないIPoE方式を採用していることが理由です。
つまり、auひかりではどのプロバイダが速いかということを一切気にせず、単純にサービスやオプションの充実度だけを見て、プロバイダを選択することができます。
auひかりでは一度プロバイダを契約した後に変更することができないので、最初にしっかりと後悔のない選択をするようにしましょう。

【ソフトバンク光】選択不要、Yahoo!BBの一択
ソフトバンク光を契約すると、プロバイダは自動的にソフトバンクが提供している「Yahoo!BB」になるので、プロバイダを選ぶ必要はありません。
契約や月額料金の支払いも一本化されるので、支払いや問い合わせのときの手間を省けて便利です。
ちなみに、フレッツ光でもYahoo!BBを選択できる「Yahoo!BB光 with フレッツ」があり、どちらもフレッツ光回線とYahoo!BBの組み合わせになります。
両者を比較すると月額料金や工事費、スマホとのセット割などの点でソフトバンク光の方がお得なので、こちらを選ぶ方が良いでしょう。
Yahoo!BBで有料オプションサービスを申し込むと、ヤフオク!やYahoo!ショッピングなどのサービスを利用するときに、お得な特典を受けることができます。
ただし、ソフトバンク光で高速に接続できるIPv6接続オプションを利用するためには、月額513円で「光BBユニット」をレンタルする必要があるので注意が必要です。
【NURO光】選択不要、So-netで自動的に決定
NURO光はプロバイダがセットになった光回線サービスなので、ソフトバンク光と同じくプロバイダを選択する必要はありません。
プロバイダはNURO光と同じ、ソニーネットワークコミュニケーションズが運営する「So-net」に自動的に決定されます。
NURO光を契約すると、ONU(光回線終端装置)を無料で借りることができるため、ルーターのレンタル費用の心配をする必要はありません。
さらに、NUROはIPv4とIPv6の両方に接続できるIPv6 IPoE+IPv4 over IPv6を無料で利用できるため、様々なウェブサイトやサービスを快適に利用することができます。
NURO光は通信速度に提供のある光回線ですが、さらに快適になるのも魅力ですよね。
また、戸建てプランではカスペルスキーのセキュリティソフトを無料で利用できることなど、サービス内容も充実している回線です。
ただし、NURO光は対応エリアが次の地域に限られているため、契約したくてもできないことがある点には要注意。
- 北海道
- 関東(東京、神奈川、埼玉、千葉、茨城、栃木、群馬)
- 東海(愛知、静岡、岐阜、三重)
- 関西(大阪、兵庫、京都、滋賀、奈良)
- 九州(福岡、佐賀)
上記の該当地域に居住していて高速な回線を探している場合は、NURO光を検討してみると良いでしょう。
まとめ:自分に合ったプロバイダと光回線を選んで
【まとめ】
- プロバイダ選びで重要なのは、対応エリアとIPv6接続への対応、オプション、料金
- フレッツ光で一番お得なのはAsahiNetのプロバイダパック
- ドコモ光ならGMOとくとくBB
- auひかりはau one netの人気が高い、プロバイダで速度は変わらない
- ソフトバンク光は自動的にYahoo!BB
- NURO光は自動的にSo-net
プロバイダを選ぶときは月額料金だけではなく、対応エリアとIPv6(IPoE)接続への対応、オプションやカスタマーサービスの品質も比較する必要があります。
月額料金を比較するときは割引やキャンペーンも含めて、光回線の月額料金とトータルで比較してみましょう。
ただし、どのプロバイダを選べるかは光回線やエリアで決まるので、自分に合ったプロバイダを選ぶために、まず自分に合った光回線を選ぶことも大切です。
プロバイダを選ぶのが面倒な場合は、ソフトバンクやNURO光など一体型サービスを提供している回線を選ぶと、光回線を手軽に契約することができます。