楽天モバイルと日本通信SIM。今までのスマホ料金から大きく値下げされ、月2,178円で20GBも使える2つのプランに、どちらがよりお得なのか頭を悩ませている人も多いのではないでしょうか。
結論からいうと、総合的に見ておすすめなのは楽天モバイルですが、一定の条件下では日本通信SIMがおすすめとなる場合もあります。
そこで本記事では楽天モバイルと日本通信SIMの違いについて、様々な観点から分かりやすく比較していきます。
楽天モバイル新プランと日本通信SIM合理的プランの特徴とは
まずは楽天モバイルと日本通信SIMのそれぞれの特徴について、概要を見ていきましょう。
楽天モバイルUN-LIMIT VI(アンリミットVI)プランの特徴
- 3か月間月額料金無料キャンペーン中
- 無制限に通信できて3,278円(楽天回線+楽天5G回線)
- 新プランでは1GBまでは無料で使える(~3GB月1,078円、~20GB2,178円)
- エリア拡大中(2021年夏までに人口カバー率96%を予定)
- エリア外ではパートナー回線(au)を5GBまで使用可能
- 通話料無料
- 店舗購入可能
- 契約期間の縛りなし
楽天モバイルは、ドコモ・au・ソフトバンクに続く第4のキャリアとして2020年に独自回線の提供をスタートしました。
無制限に通信できて月3,278円という安さである上、現在は3か月間月額料金無料キャンペーン中なのでさらにお得に使うことができます。
また、4月1日から提供開始されている「UN-LIMIT VIプラン」は1GBまでは月額料金が無料という新プラン。
以降3GBまでは1,078円、20GBまでは2,178円と容量に応じて料金が段階制となっているため、スマホをほとんど使わないという人はもちろん、たくさん使うという人どちらにとってもおすすめです。
日本通信SIM合理的プランの特徴
- ドコモ回線の格安SIM
- 合理的20GBプラン:20GB(2021年3月以前は16GB)月2,178円+月70分の通話無料
- 合理的かけほプラン:3GB+かけ放題月2,728円
- 1GB275円でチャージ可能
- 契約期間の縛りなし
- WEB申し込みのみ
日本通信SIMは日本通信が運営する格安SIM。
docomo回線を使用しているためエリアの心配がなく、どこでも使うことができます。
日本通信SIMのうち、特に話題となっているのが「合理的20GBプラン」。
月20GBの容量を楽天モバイルと同じく2,178円で利用できます。
ただし格安SIMは、キャリアと同じ回線をレンタルし使っていますが、借りている回線の帯域幅には限界があるため、キャリアよりは速度が遅くなってしまいます。
基本的に動画を見たり、検索をしたり、SNSを使ったりといった際にほとんど問題は見られませんが、お昼などの利用者の多い時間帯は著しく速度が低下してしまうこともあるため注意が必要です。
楽天モバイル新プランと日本通信SIM合理的プランを徹底比較!どっちがおすすめ?
楽天モバイル新プランと日本通信SIM合理的プランについて、「料金」「回線」「サービス」の3つの観点から、徹底的に比較していきます。
それぞれの格安SIMの各項目に関する簡単な評価は次の通りです。
楽天モバイル UN-LIMIT VI |
日本通信SIM |
||
合理的20GBプラン | 合理的かけほプラン | ||
料金 | (3か月間無料) 0~1GB:無料 1~3GB:1,078円 3~20GB:2,178円 20GB~:3,278円 |
2,178円 | 2,728円 |
通信量 | 無制限 (au回線5GBまで) |
16GB→20GB※ 超過後1GB275円で 追加購入可能 |
3GB 超過後1GB275円で 追加購入可能 |
通話 | 楽天Link利用で 無制限無料 |
月70分まで 無料 |
かけ放題 無料 |
契約 期間 |
縛りなし | 縛りなし | |
回線 | 楽天回線 楽天5G回線 au回線 楽天回線はエリア拡大中 eSIMあり |
docomo回線 だが不安定さ有 |
|
キャリア メール |
2021年夏頃 対応予定 |
非対応 | |
契約 方法 |
WEB 店舗 |
WEBのみ |
※2021年3月までは16GB、以降20GBへ増量
どちらも20GB2,178円であることに変わりはありませんが、細かい料金プランや、使用している回線などに違いがあることがわかります。
それぞれの項目について、分かりやすく比較していきましょう。
料金の比較
20GBの料金はどちらも月2,178円の楽天モバイルと日本通信SIM。
しかし結論から言うと、料金面では楽天モバイルに軍配が上がります。
楽天モバイルの「UN-LIMIT VIプラン」と、日本通信の「合理的20GBプラン」「合理的かけほプラン」の料金やキャンペーンを比べていきましょう。
基本料金の比較|総合的に見て楽天モバイルが安い
楽天モバイルと日本通信SIMの料金を比較すると以下の通り。
楽天モバイル UN-LIMIT VI |
日本通信SIM |
||
合理的20GBプラン | 合理的かけほプラン | ||
~1GB | 無料 | 2,178円 | 2,728円 |
1~3GB | 1,078円 | ||
3~20GB | 2,178円 | ー | |
20GB~ | 無制限 3,278円 |
ー | ー |
チャージ | 1GB/550円 | 1GB/275円 | |
契約 手数料 |
0円 | 3,300円 | |
通話 | 専用アプリ利用で かけ放題 |
月70分まで 無料 |
かけ放題 |
※税込表記
20GBの料金はどちらも月2,178円で変わりませんが、楽天モバイルの新プランでは料金が使用した通信量による段階制。
そのため、ネットをあまり使わなかった月でも損になることが無く、逆に使いすぎてしまった場合も通信制限になる心配がありません(楽天エリアで使用の場合)。
特に1GB未満は無料で使用できるため、普段LINEやニュースを確認するぐらいでしか使わないという人なら月額料金0円でスマホを持つことが可能です。
一方日本通信の合理的20GBプランは月の使用量が1GBであっても、20GBであっても2,178円。
このプランもたしかに安くはあるのですが、普段あまりスマホを使わず20GBもあっても余してしまうという人にとってはかえって損になってしまうので要注意。
料金プランでは楽天モバイルの方が幅広く色々な使い方に対応していると言えるでしょう。
キャンペーンの比較|楽天モバイルは3か月間無料+ポイントプレゼントあり
楽天モバイルでは月額無料キャンペーンなどを実施していますが、日本通信SIMでは現在実施中のキャンペーンはありません。
楽天モバイル | 日本通信SIM | |
キャンペーン |
|
なし |
割引総額 | 最大34,834円 | ー |
キャンペーンの無い日本通信SIMと比べると、最大3万円以上の割引がある楽天モバイルはかなりお得ですね。
通話料金の比較|楽天モバイルはかけ放題無料。音質重視なら日本通信
楽天モバイルも日本通信SIMもそれぞれかけ放題のサービスがついています。電話をよく使うという人は意外に見落としがちな通話料金もチェックしておきましょう。
楽天モバイル UN-LIMIT VI |
日本通信SIM |
||
合理的20GBプラン | 合理的かけほプラン | ||
基本 通話料金 |
22円/30秒 | 11円/30秒 | |
通話 | 楽天Link利用で 無制限無料 |
月70分まで 無料 |
かけ放題 無料 |
通信方式 | RCS | 音声通話 | |
音質 | ○ | ◎ | ◎ |
※税込表記
楽天モバイルでは「楽天Link」という専用アプリを利用した場合、通話料が無料となります。時間による制限もなし。
日本通信SIMでは20GBプランが月70分まで無料、かけほプランは名前の通り無制限でかけ放題です。
基本的には料金も安く、制限もない楽天モバイルがおすすめですが、注意事項が2つあります。
- 楽天Linkに非対応のスマホがある
- 楽天Linkの音質は日本通信SIMより少し悪くなる
楽天Linkは楽天回線対応製品で使用できるアプリです。
そのため楽天モバイルを契約する際、すでに持っているスマホを使って乗り換えをしたいと考えている人は「スマホが楽天Linkに対応しているかどうか」を予め確認しておきましょう。(参考:楽天回線対応製品)楽天Linkが使えないスマホの場合は、22円/30秒の通話料がかかってしまうので要注意。
ちなみにiPhoneはXS以降であれば楽天Linkを使えることが確認されていますが、厳密にいうと「楽天回線対応製品」ではないため、動作保証の対象外です。そのため万一挙動がおかしいなど問題があったとしても対応してもらえない可能性が高いことを念頭において使用しましょう。
さらに、楽天モバイルと日本通信では通話の通信方式も異なります。
すごく簡単にいうと、楽天モバイルは通常の通話回線を使わずネットを使った通話のため、少しだけ音質が悪く不安定になることがあります。LINEの通話と似たような感じ、といえばわかりやすいでしょうか。
そのため音質重視の人はドコモの通話回線を利用できる日本通信SIMがいいでしょう。
通信回線の比較
楽天モバイルでは主に自社の楽天回線を、日本通信SIMではドコモからレンタルしている回線を利用しています。
それぞれの回線の速度やエリアを比べてみましょう。
エリアの比較|エリアの広さは現時点では日本通信が有利
楽天回線のエリアは残念ながらまだ広くないのが現状。対して日本通信SIMはdocomoの回線を利用しているため、地方であってもつながらないということはありません。
楽天モバイル UN-LIMIT VI |
日本通信SIM |
|
回線 | 楽天回線 エリア外はパートナー回線 (au/5GBまで) |
docomo回線 |
エリア | 楽天回線はエリア拡大中 エリア検索 |
docomo回線のエリア エリア検索 |
楽天モバイルは、エリア外の場合パートナー回線というauの回線に繋がります。エリアが狭いからと言って、まったく繋がらないというわけではないので安心してください。
ただしパートナー回線の上限は5GBまで。それを超えると最大1Mbpsに通信速度が制限されます。(だいたいYoutubeの標準画質が視聴できる程度)
また掴む回線を任意に選ぶことができないため、パートナー回線の電波の方が強い地域では、楽天エリア内であってもauの電波をひろってしまうといったこともあります。
2021年1月時点で楽天モバイルの人口カバー率は73.5%。そのうち楽天回線が繋がりやすいのは、2021年3月末でパートナー回線の提供が終了する東京23区や大阪、奈良県などでしょう。
ですが楽天では2021年夏までにカバー率96%を掲げているため、都市近郊のエリアに住んでいる場合は近々繋がりやすくなる可能性は十分あります。
一方地方など基地局の設置が遅れそうな地域での使用が多い場合は、日本通信SIMを選んでおいた方が安全です。
速度の比較|自社回線を持つ楽天モバイルが優勢
楽天モバイルの楽天回線は自社で提供をしているため、エリア内であれば安定して使用が可能です。
一方日本通信SIMはドコモの回線を使っていますが、MVNOとして帯域を借り受けているだけなので、お昼時など利用者の多い時間帯は回線が混雑し遅くなります。
楽天モバイル |
日本通信SIM |
|
安定性 | 安定 | 混雑状況によって 遅くなる |
速度 | パートナーエリア 5GB使用後 1Mbps |
契約容量使用後 128Kbps |
日本通信SIMは格安SIMの中でも速度が速い方なので、ストレスを感じるほど遅いといったことは今のところありません。
しかし今後利用者が増えてくると、その分混雑しやすくなって遅くなることは十分考えられるため、そういった意味で将来的な安定性は楽天モバイルの方が上でしょう。
また、契約した容量を使い切った後の速度にも差があります。
楽天モバイルではパートナー回線を5GB使った後も1Mbpsの中速程度で使用できるのに対し、日本通信では128Kbpsの低速に。
実際に使ってみるとよく分かるのですが、128Kbpsではニュース記事に添付された画像を1枚表示するだけでも数十秒かかります。動画は読み込んだ挙句エラーになることがほとんど。20GB以降はほとんど使い物にならないと思っておいた方がいいでしょう。
ちなみに、日本通信SIMはなぜかPing値(通信の反応速度)が異様に大きいという口コミも見掛けるため、通信速度以上にもっさり感を感じることがあるかもしれません。
サービスの比較
料金や回線以外の二つのプランの特徴について比較してみましょう。
契約期間の比較|どちらも契約期間に縛りなしなので、解約時の違約金も無し
楽天モバイルも日本通信SIMも契約期間に縛りがありません。
楽天モバイル |
日本通信SIM |
|
契約 期間 |
縛りなし | 縛りなし |
違約金 | なし | なし |
契約期間に縛りがあると、解約時思わぬ出費となってしまうことがあります。中には10,000円近い違約金がかかることも。
しかし楽天モバイルも日本通信SIMもいつ解約しても違約金がかかることがないので、「楽天モバイルの無料期間が終わったから解約したい」「日本通信SIMの速度が遅くなってきたから移りたい」などといった場合でも安心です。
特に楽天モバイルは3か月間無料のキャンペーンがありますし、月1GB未満であれば料金は掛からないので、とりあえずお試しで契約するといった使い方もできますね。
契約方法の比較|楽天モバイルはショップでの契約が可能
格安SIMやキャリアの新プランは基本的にWEBのオンライン契約のみとなっていますが、楽天モバイルでは店舗でも契約が可能です。
楽天モバイル |
日本通信SIM |
|
契約 方法 |
WEB 店舗 |
WEBのみ |
スマホの契約に慣れている人は、WEBから契約した方が簡単で便利ですが、初めての人やあまりスマホについて詳しくない人は、「WEBで申し込みって言っても、何をどうすればいいのか…」と不安になってしまいますよね。
その場合は店舗で契約できる楽天モバイルの方がおすすめ。
わからないことがあってもその場で聞けるので、初心者で少しでも不安がある人は店舗で質問ができます。
2021年4月現在楽天モバイルのショップは600店ほど。
都市圏に偏りはあるものの、ある程度全国を網羅しているので、最寄りのショップを調べたい時は公式サイトから検索してみましょう。(店舗検索)
対応スマホ、セット購入の比較|楽天モバイルは対応機種のセット購入が可能
楽天モバイルではスマホの販売を行っているのに対し、日本通信ではSIMの契約のみ。スマホをセットで買うことはできません。
そのため乗り換えと同時に機種変更をしたいという人は楽天モバイルの方が便利です。最大20,000円のポイントももらえますしね。
楽天モバイル |
日本通信SIM |
|
セット 購入 |
セット購入可能 最大20,000ポイント プレゼント |
セット購入不可 スマホは別途用意 |
対応 機種 |
楽天対応機種 (楽天回線対応製品) |
docomoのスマホ またはSIMフリースマホ (動作確認済端末) |
また、手持ちのスマホを使用する際は、必ず動作確認済端末かどうかを予め確認しておきましょう。動作確認済端末以外だとSIMを差しても正常に使えない可能性があります。これは楽天モバイルも日本通信SIMも同じです。
ただし楽天モバイルで動作保証のあるスマホは楽天モバイルで購入できる端末のみと一般的な格安SIMより種類が少なくなっています。
しかし中には「動作保証はしていないけど使えるっぽいスマホ」として公式が紹介しているものも。
iPhoneもその中のひとつで、保証はされていませんがiPhoneXS以降であれば、きちんと動作するようです。
ちなみに筆者は普段iPhone12miniに楽天モバイルを入れて使っていますが、今のところ使えないなどと言った不具合はありません。
楽天モバイルと日本通信合理的プランはどんな人におすすめ?
ここまで楽天モバイルと日本通信SIMを比べてきましたが、結局どっちがどんな人におすすめなのかという点についてまとめて確認しましょう。
楽天モバイルがおすすめな人
楽天モバイルと日本通信合理的プランを比べると、全体的にお得なのは0円から段階的に使えて、かけ放題も無料な楽天モバイルです。
基本的にはどんな人にもおすすめできるのですが、特に恩恵が大きいのは以下のような人です。
- 楽天エリア内やその近郊に住んでいる
- 月のネット使用量が1GB未満の人、20GB以上の人
- 月のネット使用量がよく変動する人
- 月に電話を70分以上する人
- スマホをセットで購入したい人
- 分からないことを直接聞きたい、店舗で契約がしたい人
楽天モバイルは1GB未満で使う場合と、20GB以上使う場合で最安のプラン。20GB未満でも段階的に料金が変動するため、無駄が無く誰でも多くに使えます。
そのため、使用するエリアが楽天回線のエリア内となっている場合は、楽天モバイルを使うのがいいでしょう。
ただしエリア外の場合も都市圏に程近い場所に住んでいるなら、近々対応する予定は十分にあります。
夏ころにはカバー率も96%になる予定なので、それを見込んで3か月間無料キャンペーンを行っている今のうちに申し込んでおくのがおすすめです。
日本通信合理的プランがおすすめな人
日本通信合理的プランがおすすめなのは次のどれかに該当する人です。
- 楽天回線エリア外での利用が月5GBを超える人
- docomo回線を使いたい人
- 電話の音質を重視する人
- 持っているスマホが楽天モバイルに対応していない人
圧倒的に安い楽天モバイルですが、楽天エリア外でのパートナー回線(au回線)の利用は月5GBまでとなっています。
そのため「楽天エリア外で5GB以上を使う人」は日本通信SIMの方が使い勝手がいいでしょう。
さらに楽天モバイルの対応端末はまだ種類が少ないため、それ以外を使っているという人は不具合が生じる場合があります。
使っているスマホが楽天モバイルの対応端末でない場合は、日本通信SIMにしておいた方が安全です。
まとめ
格安SIMは契約する目的や使い方によってどちらが良いかは変わるので、重要なポイントを比較するのが大切です。
特に日本通信SIMと楽天モバイルはどちらも20GB月2,178円という破格の安さなので、悩ましくなってしまいます。
キャンペーンやサービスなどを総合的に考えると楽天モバイルの方がおすすめです。
ただし、楽天モバイルは始まったばかりのサービスなので、エリアが拡大中だったり、動作保証端末が少なかったりと少し不便があるのも事実。
そのため、楽天エリアに対応する見込みが遠かったり、スマホが対応していないという場合は日本通信SIMなどの他の格安SIMを検討した方がいいでしょう。
ちなみにその場合であっても楽天モバイルは3か月間は無料なので、とりあえず契約しておくというのは十分ありです。