楽天モバイルから5G対応プラン「Rakuten UN-LIMIT V(楽天アンリミットファイブ)」が発表され、サービス開始となりました。
ドコモやau、ソフトバンクなど各社が5Gサービスを本格的に開始したのが2020年3月頃なので、半年ほど遅れてのスタートです。
ただ、他のキャリアと違うのは、4Gも5Gも使えて月2,980円という料金の安さ。
キャリアが軒並み7,000円以上の5Gプランを出しているだけに、約1/3に抑えられているのはかなり画期的です。一方で、ここまで値段が安いと不安という人もいるでしょう。
そこで今回は、半年以上UN-LIMITを使ってきた筆者が、楽天モバイルの新プラン「Rakuten UN-LIMIT V」の詳細と注意点について解説します。
2020年9月30日 楽天モバイルから5Gサービスが開始!
まずは、楽天モバイルの5G対応プラン「Rakuten UN-LIMIT V(楽天アンリミットファイブ)」のポイントをチェックしておきましょう。
4Gと5G併用で月額料金はそのまま月2,980円でキャリアよりかなり安い
今回の5G対応プランのポイントは、とにかく月2,980円という料金の安さ。
先駆けて5Gサービスを開始しているドコモ・au・ソフトバンクと料金を比較しても、その差は歴然です。
【キャリア4社による無制限に使える5G対応プラン】
月額料金 | 割引を全て 適用した場合 | |
楽天 | 2,980円 | ー |
ドコモ | 7,650円 | 4,480円※1 |
au | 8,480円 | 3,460円※2 |
ソフトバンク | 8,650円 | 3,480円※3 |
※1:家族割、ギガホ割、ドコモ光セット割など
※2:家族割プラス、スマートバリューなど
※3:家族4人、おうち割光セットなど
家族割など使える割引を全て適用したとしても、4キャリアの中で楽天モバイルが最も安いことが分かりますね。
楽天の5G対応端末「Rakuten BIG(楽天ビッグ)」(63,455円)も登場
(引用:Rakuten BIG公式)
今回は「Rakuten UN-LIMIT V」のサービス発表に合わせて、5G対応機種「Rakuten BIG」が発売されることになりました。
以前からカードサイズの「Rakuten Mini」はありましたが、今度はBIGです。
料金は48回の分割払いで月1,321円、一括払いだと63,455円となっています。
最大6,300円相当分のポイント還元があるので、実質57,155円です。
項目 | 内容 |
名称 | Rakuten BIG |
色 | ホワイト / ブラック / クリムゾンレッド |
サイズ (高さ/幅/厚さ) | 約174 x 約80 x 約9 (mm) |
重量 | 約227g |
ディスプレイ | 約6.9インチ / 有機EL 解像度 FHD+ / 2,460 × 1,080 |
連続待受時間(LTE) 連続通話(通信)時間(LTE) | 約530時間 約21.7時間 |
CPU | Qualcomm® Snapdragon™ 765G 5G mobile platform / オクタコア 2.4GHz + 2.2GHz + 1.8GHz |
OS | Android™ 10 |
Wi-Fi規格 | IEEE802.11 a/b/g/n/ac |
備考 | ワイヤレス充電非対応 おサイフケータイ対応 ディスプレイ指紋認証対応 eSIM |
気を付けたいのが、Rakuten BIGは、Miniと同じくeSIM搭載製品であること。
SIMスロットが無いため、他のSIMを入れて一緒に使うといったことはできません。
それに、楽天モバイルを解約してしまうと、WiFi環境が無いと通信ができなくなってしまいます。
つまり、Rakuten BIGは楽天モバイルを使うための機種というわけです。

eSIM以外の機種なら「AQUOS R5G」
(引用:Rakuten BIG公式)
物理SIMをスロットに入れられないRakuten BIGよりも、汎用性があるのは「AQUOS R5G」です。
Rakuten BIGが対応していない顔認証や防水端末であるうえに、ハイレゾオーディオで高音質の音楽を聴くことができます。
しかし、端末価格が117,091円と高額です。Rakuten BIGはほぼ半分の値段設定であることを考えると、ちょっと値が張るのが悩ましいですね。
費用を抑えて5Gを使うなら、手持ちの他社5G対応スマホに掛かっているSIMロックを解除して楽天SIMを入れるか、中古で端末を手に入れるか、Rakuten BIGを選ぶかです。
こちらも最大6,300円相当のポイント還元を利用すれば、実質110,791円で使えます。
楽天以外の各社も6万円代の5G対応端末を出していることを考えると、高いのには変わりありませんが。
4G+5Gが使える「Rakuten UN-LIMIT V(楽天アンリミットファイブ)」の注意点
実際に楽天モバイルを使っている筆者が思う、「Rakuten UN-LIMIT V」の注意点を3つ挙げました。
エリアがあまりにもピンポイントすぎる
Rakuten UN-LIMITが始まった時の楽天回線エリアもそうでしたが、10月1日時点は、楽天5Gエリアが全国でもほんの数か所というくらい僅かな地点にしかありません。
(引用:楽天5Gエリア:2020年10月1日時点)
5G対応エリア | |
北海道 | 札幌市白石区南郷通15丁目南付近 |
埼玉県 | さいたま市大宮区桜木町1丁目付近 さいたま市中央区新都心付近 |
東京都 | 世田谷区瀬田1丁目付近 世田谷区瀬田2丁目付近 世田谷区瀬田3丁目付近 世田谷区瀬田4丁目付近 世田谷区上野毛1丁目付近 世田谷区上野毛2丁目付近 世田谷区上野毛3丁目付近 世田谷区上野毛4丁目付近 世田谷区玉川1丁目付近 世田谷区玉川2丁目付近 世田谷区中町1丁目付近 世田谷区野毛2丁目付近 世田谷区野毛3丁目付近 板橋区板橋3丁目付近 |
神奈川県 | 横浜市西区浅間台付近 |
大阪府 | 大阪市北区堂山町付近 大阪市北区曾根崎1丁目付近 |
兵庫県 | 神戸市兵庫区御崎町1丁目付近 |
つまり、5G対応プランを契約したからといって、大多数の人は居住地や職場で楽天5Gを使うことはまだできないということです。
ただ、ドコモなど他社の5Gエリアもまだ狭く、使いたい場所で自由に5Gが使えるようになるには、どこの会社も数年掛かるとみられています。
4Gの楽天回線エリアすらまだ狭いのが実情
楽天モバイルが他社キャリアに劣るのは、4Gの楽天回線エリア自体がまだまだ狭いということ。
3キャリアは人口カバー率99%と驚異的なカバー力があります。
しかし楽天回線エリアは都市部を中心に少しずつ広がっている段階ではあるものの、都市部から離れた地域や地方などはほとんどがauのパートナーエリアというのが現状です。
※濃いピンクが楽天回線エリア、紫が楽天回線の拡大予定エリア、薄いピンクがauのパートナーエリア
【東京周辺の楽天エリア】
(引用:Rakuten BIG公式)
【大阪周辺の楽天エリア】
(引用:Rakuten BIG公式)
パートナーエリアの場合、月の通信量は5GBまでになるため、楽天回線エリア外の場合はメイン回線として使うには少し心許ないかもしれません。
実際、私も使い始めの頃はパートナーエリアだったので、mineoと楽天モバイルを併用しながら使っていました。
それでも、使い始めてから4ヶ月程度で楽天回線エリア圏内に入ったことで、今では通信量を気にすることなく使えています。
3キャリアに比べるとエリアは狭いですが、数年以内には概ねカバーされることを期待しましょう。
5G対応スマホでなければプランをアップデートさせたところで5Gを使えない
当然ですが、「Rakuten UN-LIMIT V」を契約しても、5G対応スマホでなければ5Gを使うことはできません。
2020年9月30日以前にUN-LIMITを契約している場合、アップデート手続きもしくは自動アップデート(2020年10月12日以降)により、順次アップデートされて「Rakuten UN-LIMIT V」へ移行します。
ただ、移行したところで5Gスマホを使っていない場合は5Gを使うことができないという点には注意が必要です。
「Rakuten UN-LIMIT V(楽天アンリミットファイブ)」の契約は今からでも遅くない!
楽天モバイルを考えている友人と話していると、「何でそんなに安いのか」「不利になることがあるから安いのではないか」と料金が安すぎて逆に怖いといった話が出ました。
確かに、「アップデートをしますか」といったポップ画面が頻繁に出たり、ポイント還元に時間が掛かったり、急に電波が無くなって繋がりにくくなったりといった難点はあります。
それでも、少しでも携帯料金を下げたい人や、楽天回線エリア・拡大予定エリアに住んでいる人であれば、「Rakuten UN-LIMIT V」は一度検討してみるべきです。
今から契約しても最大1年間は携帯基本料金が無料になる
楽天モバイルをおすすめするのは、契約が今からでも、携帯基本料金が無料になるのは契約した時点から1年間適用されるという理由からです。
CMで「1年間月額料金無料」といった言葉を聞いて、そんなうまい話なんてあるわけがないと思っている人も多いはず。
ただ、筆者はこの半年間、楽天モバイルの携帯通信料金は支払っていませんし、あと半年は無料期間が続きます。(SIMからeSIMへの変更料金、通話料金は発生しています)
もし毎月7,000円以上支払っている携帯料金が1年間無料になれば、年84,000円もお得になります。
300万人までという制限はありますが、6月30日の時点で100万人ですから、まだ定員に余裕はあるはずです。
5Gエリアが広がるのは数年掛かるが、楽天エリアは少しずつ拡大している
確かに、楽天5Gエリアはあまりにもピンポイントすぎるし、5Gエリアが私たちの日常に溶け込むにはまだまだ時間が掛かります。
ただ、4Gの楽天回線エリアはこの半年だけでも着実に拡大してきていることを考えると、今はauのパートナーエリアでも、近いうちに楽天エリアになる可能性は高いです。
楽天回線エリアに入れば、Rakuten Linkによる通話も無料ですし、テザリング機能を使えば通信量無制限でパソコンやゲームの通信に使うこともできます。
楽天回線エリアが今後拡大していくことを見越して契約するのも、全然アリです。
事務手数料3,000円が実質無料になる特典も開催中
(引用:Rakuten BIG公式)
楽天モバイルを契約する際に掛かる事務手数料3,000円は、Rakuten Linkによる通話を1回でも行えば、全額ポイント還元されます。
楽天モバイル契約後に、端末にRakuten Linkをダウンロードして、Rakuten Linkから電話を掛けるだけなので簡単です。
関連記事:楽天Link(リンク)とは?iPhoneでは使えないの?対応機種や料金、使い方、評判を紹介
楽天モバイルは解約事務手数料が掛からない
CMでも強調されている通り、楽天モバイルは解約事務手数料が掛かりません。
気に入らなければ、いつでも解約できます。
もちろん、無料期間内に解約するようにすれば、携帯基本料金も解約金も掛からずに使い倒すこともできるので、もはや使わない理由はないのではないでしょうか。


「Rakuten UN-LIMIT V(楽天アンリミットファイブ)」へのアップデート方法
(引用:Rakuten BIG公式)
Rakuten UN-LIMITを使っている人は、10月12日以降に順次「Rakuten UN-LIMIT V」へと自動アップデートされます。
ただ、自動アップデートなんか待てないという人は、my楽天モバイルから移行手続きを申し込むことも可能です。
- my楽天モバイル
- 契約プラン>プランを変更する>プランを選択
- 通話&データ画面の「次へ進む」を選択
- 「この内容で次へ進む」を選択
- 「お申込み内容の確認」画面が表示される
- 「重要事項説明・利用規約」画面の表示
- 利用規約の確認、位置情報通信履歴の提供への同意
- 「同意して申し込む」を選択
- 手続き完了
(引用:楽天モバイル公式)
難しくはなく、私も2分程度で移行できました。
まとめ|携帯料金を下げたいなら「Rakuten UN-LIMIT V(楽天アンリミットファイブ)」はベスト
楽天モバイルの5G対応プラン「Rakuten UN-LIMIT V」について解説してきました。
ポイントをまとめると、次の通りです。
- 4Gも5Gも使えて月2,980円
- 5Gを使うには5Gスマホが必要
- Rakuten BIGは5G対応でeSIM機種
- 5Gエリアはかなり狭い。今後に拡大に期待
- 5Gを使えなくても楽天エリア内に家や職場があるならアリ
携帯料金の値下げが話題になっていますが、キャリアの料金が下がるのを待っているくらいなら、楽天モバイルを契約して1年間無料で使った方がお得です。
通信費を少しでも下げたいのであれば、「Rakuten UN-LIMIT V」という選択肢は前向きに検討するのが良いでしょう。