2020年4月に楽天モバイルのUN-LIMITサービスが始まったのと同時に発表されたのが「Rakuten Casa」(楽天カーサ)。
Rakuten Casaは、楽天モバイルのエリア外にある自宅や店舗でも楽天モバイル回線を使えるようにするための小型室内アンテナ(フェムトセル)です。
今回はRakuten Casaの概要やメリット・デメリット、口コミや評判について解説します。
Rakuten Casa(楽天カーサ)とは?
(引用:楽天モバイル公式)
Rakuten Casaは上図のような、まるでお皿のような物体です。
ただし、手に入れることができるのは、後述する所定の条件を満たした人のみという制約付き。
では早速概要と手に入れ方について確認していきます。
自宅や店舗を楽天モバイルの基地局にするフェムトセル(小型室内アンテナ)
Rakuten Casaの特徴は、自宅や店舗を楽天モバイルの小型基地局にできること。
2020年4月に始まった楽天モバイルUN-LIMITは、楽天モバイルエリアなら通信量を無制限に使えるのがウリです。
しかし、楽天エリアはまだまだ限定的。大都市や都市部の一部地域以外はパートナー回線(au回線)で接続するしかなく、しかも月5GBまでしか使えないというデメリットがあります。
(引用:楽天モバイル公式)
また、たとえ自宅や店舗が楽天モバイルエリアに入っていたとしても、電波が弱いなどの理由でパートナー回線を掴んでしまうことも少なくありません。
そういった問題を解決するのがRakuten Casaです。フェムトセルと呼ばれる機器で、いわゆる超小型基地局として使用します。
Rakuten Casaを介せば、楽天回線の基地局が無いパートナー回線に住んでいても、楽天回線へ接続することが可能になるというわけです。

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楽天モバイルと楽天ひかりの契約者しか申し込みはできない
自宅や店舗で簡単に楽天回線を使えるなら、データ通信が無制限になって最高…となるところですが、そうは問屋が卸しません。
Rakuten Casaが申し込めるのはあくまでも、楽天モバイルと楽天ひかりの契約者のみ。
楽天ひかりを契約することはつまり、光回線契約をするということになります。
実際、Rakuten Casaはソフトバンクエアーのようにコンセントに挿すだけで使えるようなものではなく、固定回線との接続が必須です。
(引用:楽天モバイル公式)
そして固定回線のONU(ルーター)と接続することで、光回線のWiFiと楽天回線が使える機器です。
よく考えてみれば、そもそも光回線であればスマホのような速度制限もなく、基本的にはデータ通信無制限に使えます。
楽天ひかりの契約者がデータ通信使い放題のために、わざわざRakuten Casaを契約する意味はあまり無いように感じられますね。


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Rakuten Casaのメリットは?
デメリットが多そうなRakuten Casa。逆にどんなメリットがあるのかを考えてみました。
- 事務手数料はポイント還元で相殺、無料で手に入る
- 楽天回線の電波が弱い場所や室内でも快適に通信できる
- QRコードから簡単にWiFi接続ができる
以下見ていきます。
事務手数料3,000円がポイント還元されるため無料で手に入る
Rakuten Casaを手に入れると言っても機器はレンタルするだけで、購入するわけではありません。
単純にこの機器を手にするための費用は、事務手数料の3,000円です。
ただ公式サイトには以下の通り「実質無料になる」旨の記載があります。
事務手数料として3,000円(税込)かかります。
当社が「Rakuten Casa」の設置完了を確認した後、3,000円相当の楽天ポイントにて還元いたします。(引用:楽天モバイル公式)
楽天市場で使える3,000円分のポイントで還元されるわけですから、Rakuten Casaだけを考えれば手に入れる際のコストは0円です。
楽天モバイルは1年間基本料金が0円で使えますし、ランニングコストが掛かるのは楽天ひかりと電気代くらいですね。
楽天モバイルの電波が弱い場所でも快適に繋がるようになる
東京や名古屋などの都心部でも、奥まった部屋や建物の場所が悪いと電波が弱く、楽天エリアであってもパートナー回線に繋がることがよくあります。
Rakuten Casaなら電話が弱い地域でも確実に楽天回線に繋がるので、いつの間にかパートナー回線に繋がっていて、5GBの通信量でやり繰りしないといけないなんてこともありません。
QRコードから簡単にWiFi接続ができる
(引用:楽天モバイル公式)
Rakuten Casaの底面には、WiFi接続に必要なSSIDやパスワードなどが記載されたシールが貼ってあります。
WiFiのパスワードの文字列は小さくて読みにくく、打ち込んでもどこかで間違えて再度入力…なんてこともあってなかなか面倒なもの。
Rakuten Casaではシール右端にある「かんたんWi-Fi接続用QRコード」を読み取ることで、WiFi接続が合っという間に完了します。
接続しやすさという点で言えば、簡単に使えて助かりますね。
Rakuten Casaのデメリットは?
上記3つのメリットに対して、デメリットは5つ。
- そもそも楽天ひかりの契約が必要
- 楽天モバイルの特長であるデータ通信使い放題の意味がない
- 楽天回線対応製品を使っていないと使えない
- Rakuten Casaはレンタルなので未返却だと20,000円の弁償となる
- あくまでも小型基地局なので第三者が利用する可能性がある
こちらもしっかり確認していきましょう。
そもそも楽天ひかり(楽天の光コラボレーション)の契約が必要
Rakuten Casaを申し込むにはそもそも楽天モバイルだけでなく、楽天ひかりへの契約も必要です。
つまり、楽天モバイルとRakuten Casaが無料で使えるにしても、楽天ひかりの月額料金が発生します。
楽天ひかりの基本料金はマンションで月3,800円、戸建て4,800円です。
せっかく楽天モバイルを基本料金無料で使っているのに、Rakuten Casaを利用する目的だけで楽天ひかりを契約するのはあまりにも勿体無い。
それに楽天モバイルは、無料期間が終われば2,980円の月額料金が掛かるようになります。
楽天ひかりと楽天モバイルを既に契約しているのであれば使うのもアリだと思いますが、Rakuten Casaを目的に楽天ひかりを契約するのは費用対効果的にやめたほうが良いです。
楽天モバイルのデータ通信使い放題はあまり意味がない
記事の前半でも触れましたが、楽天回線エリアならデータ通信が無制限になるのが楽天モバイルの最大の特徴です。
しかし、Rakuten Casaの申し込みができる人は楽天ひかりの契約者でもあります。
光回線契約をしている時点でデータ通信をある程度大容量にできるわけですから、わざわざRakuten Casaを手に入れて楽天回線を使えるようにしてもあまり意味がありません。
楽天回線対応製品を使っていないと楽天基地局への接続ができない
Rakuten Casaに接続できる端末について、公式サイトには以下のように記載しています。
「Rakuten Casa」で楽天基地局に接続するには、お使いのスマートフォンが楽天回線対応製品である必要があります。
(引用:楽天モバイル公式)
つまり動作保証対象外の端末では、Rakuten Casaへの接続ができないという意味です。
しかし実際のところ楽天モバイルの周波数であるバンド3は、SIMフリーのiPhoneなどでも接続自体は可能ですし、楽天回線の対応エリアでバンド3への接続ができている人は少なくありません。
動作保証対象外製品が全く使えないということはないかもしれませんが、うまく接続できないなどの問題が起きても楽天側はなかなか取り合ってくれない可能性があるの注意してください。
Rakuten Casaはレンタルなので返却しないと20,000円が請求される
時折「Rakuten Casaを売った」「転売した」といった話も聞きますが、勝手に手放してはいけません。
なぜならRakuten Casaはレンタルだから。
楽天モバイルか楽天ひかりのどちらかを解約した際は、Rakuten Casaを返却する必要があります。
未返却の場合や、転売や紛失等で返せない場合は罰金として20,000円を請求されることになるので、絶対にやめましょう。
小型基地局であるため第三者が利用する可能性がある
小型基地局は元来、電波の悪い場所で利用する人が快適に使えることを目的としています。
そのため家庭に設置されるフェムトセルは、設置者だけでなくその周囲の利用者でも電波を受信することさえできれば利用は可能です。
都市部等を除けば楽天エリアに対応していない地域はかなりあるため、小型基地局を設置することで第三者が屋外や近所から電波を利用する可能性があります。
au回線からRakuten回線に電波の切り替わるポイントがあることを徹底的に調べるようなことがない限りは、局地的に楽天エリアがあることを知ることはそうないとは思いますが…。
Rakuten Casaの口コミや評判はどう?
Rakuten Casaは「楽天ひかり」と「楽天モバイル」契約が必要という条件の厳しさがあってか、実際に使っている人はまだそう多くはありません。
ただ、いくつか口コミや評判を集めましたので見ていきましょう。
楽天casaとかいう自宅で基地局つくれる機器すげーとおもったら楽天ひかり限定なのね。
楽天ひかり経由でcasaつないで…って
casaで楽天の基地局つくる必要ある?
楽天ひかりでつなげばいいじゃんか
わざわざひかりつないでモバイル通信する必要あるのかな。
なんかやってることよくわかんないなぁ楽天— ぴーたろう(嫁メシの中の人) (@ak_pNET) May 7, 2020
楽天モバイルのrakuten casa、楽天ひかりのセットやめて、早く違う回線でも対応してほしいな…。
— ぐっちち (@gchhmt) May 5, 2020
Rakuten Casaを使える前提として、楽天ひかりをセットで契約しなければいけないことをネックに感じている人が多いようです。
光コラボの転用や事業者変更を考えている人ならお得に契約することもできなくはないので、気になる人は楽天ひかりの公式サイトをチェックしてみましょう。(公式「楽天ひかり」)
Rakuten Casa欲しかったけど
よく考えたらメリット無いし— PK (@PDX201) May 8, 2020
住んでいるエリアでパートナー回線しか使えない場合、無料で手に入る機器で楽天回線が使えるというメリットはあるもの、それ以外に目立ったメリットはありません。
したがって、Rakuten Casaに向いているのは次のような人と言えます。
- 楽天ひかりと楽天モバイルを契約している
- 当分2つとも解約する予定は無い
- 近所に楽天回線エリアが無い
一つでもあてはまらない場合や、わざわざRakuten Casaを手に入れる必要はなさそうです。
【結論】パートナーエリア住みの楽天モバイルユーザーならアリかも
Rakuten Casaの概要やメリット・デメリット、口コミや評判について確認してきました。
正直、ほとんどの人にとってRakuten Casaを契約する意味はないと思います。
ただ、せっかく楽天モバイルを契約しても、近くに楽天回線エリアが無ければ、データ通信は5GBまでの制限が付き、楽天Linkによる無料通話なども使うことができません。
そんな人が光回線の契約先として楽天ひかりを考えているのであれば、最終的にRakuten Casaを利用するのも悪くないでしょう。

