楽天モバイルの新プラン「UN-LIMIT Ⅵ」(アンリミット・シックス)の詳細が発表されました。
「衝撃的な価格」であると事前に言及されていた通り、1GB未満は基本料金無料、20GBまでは段階的に料金が上がり、20GB以上は無制限に使えて月3,278円という破格の安さとなっています。
ドコモのahamoやauのpovoはデータ量が月20GBまでなので、データ量をより多く、料金をよりお得に使いたい方は楽天モバイルも検討したいところです。
本記事では楽天モバイルの新プランの詳細と、他社と比較した時のメリット・デメリットについて、分かりやすく解説していきます。
関連記事
楽天モバイル新プラン「UN-LIMIT Ⅵ」とは
ドコモのahamoに続いてソフトバンクのLINEMO(ラインモ)、auのpovoと、各キャリアがこれまでにないほどの低価格帯プランを発表。
旧プラン(「UN-LIMIT Ⅴ」)が月3,278円と他社と並んでいただけに、楽天はどのような対応を取るのか非常に注目されていました。
ここでは、満を持して発表された楽天モバイル新プラン「UN-LIMIT Ⅵ」に関する詳細情報について見ていきましょう。
料金は?|1GB未満は無料!3~20GB:月2,178円、月3,278円で無制限
旧プランは一律月額3,278円でしたが、新プランでは0GBから1GB未満が無料、1~3GB未満が月1,078円、3~20GBが月2,178円、20GB以上は無制限に使えて月3,278円の、段階料金制がとられています。
なかでも1GB未満「無料」はものすごいインパクトですね。
例えば他社をメイン回線に使っていて、通信量が少し足りなくなった時でも、1GB未満でサブ回線の楽天モバイルを使えば、メイン回線でデータチャージをしなくても良くなります。
もしほとんど使わないとしても、1GB以上使わなければ料金は掛からないので、無料期間終了後も、とりあえずそのまま契約を残しておくのもアリです。
しかし、無制限で20GB以上使えるとはいうものの、居住地や通勤、職場周辺に楽天回線が無く、パートナー回線しか使えない場合は、最大5GBまでしか使えません。
その場合、高速通信で20GB以上使うことは不可能なので、料金は月2,178円となります。
いつから始まる?|4月1日から
楽天モバイルの新プランが開始されるのは、2021年4月1日(木)から。
すでに楽天モバイルを使っている人も全員、自動的に移行されます。
1年間無料キャンペーンは4月7日で終了。以降は3カ月無料に(ポイント還元あり)
楽天モバイルはどれだけ通信量を使っても1年間無料であるキャンペーンが行われていましたが、無事当初の予定だった300万人を突破し、2021年4月7日にキャンぺーンを終了しました。
2021年4月8日以降の申し込みの場合は、「3カ月無料キャンペーン」が適用されます。
1年のインパクトには負けてしまいますが、3カ月無料もエリアなどのお試しには十分すぎる期間ですし、初回事務手数料無料と新規申し込み5,000円分ポイント還元は引き続き行われています。
またスマホを新たに購入する場合はさらにポイント還元があり、機種によっては実質無料で利用できるものもあります。
公式:楽天モバイル
既存ユーザーの1年間無料は?|申し込みから1年間は継続される
楽天モバイルの特典「1年間基本料金無料」が適用されるのは、プランを開通した日から1年後の前日まで。
例えば2021年2月1日に開通した場合、4月1日のプラン移行後でも、基本料金無料がそのまま2022年1月31日まで継続されます。
つまり、特典適用期間中は20GB以上使っても、3GB以下でも0円です。
速度制限は?|楽天回線は無制限、パートナー回線は月5GB超で1Mbps以下
ahamoやpovoなど他社のプランは月20GBを超過すると最大1Mbps以下の速度制限に掛かりますが、楽天回線なら月20GBを超過しても速度制限はナシ。
他社で月20GB超過後の速度を通常に戻すには、1GBあたり550円のデータチャージが必要であることを考えると、楽天モバイルがいかにお得に使えるのかがよく分かりますね。
ただし、楽天回線ではなくパートナー回線(au)による通信の場合は、5GBを超過した時点で最大1Mbpsとなってしまう点には注意が必要です。
2回線目はいくら?|月1,078円から
2回線目以降は、基本料金が月1,078円からと決まっています。
1GB未満は月額料金が無料になるなら、いくつも回線を契約すれば無料でデータ通信ができる…というような使い方は、残念ながらできません。
通話料は?|Rakuten Linkアプリを使えば国内通話無料
旧プラン同様、専用アプリの「Rakuten Link」アプリを使って電話を掛けることで、国内通話は無料となります。
データ通信による通話なので少し音質が悪くなる可能性はありますが、ありがたいのはRakuten Linkで電話してもデータ通信量は消費されないこと。
パートナー回線で5GBまでしか使えなくても、データ通信残量を気にしながら電話を掛けなくていいのは助かりますね。
テザリングは?|楽天エリアなら通信量の上限はない
楽天モバイルではテザリングにデータ通信の制限を設けていないため、楽天回線に繋がっている限りは無制限に使えます。
例えばauの無制限プラン「使い放題MAX 5G/4G」では、テザリングのデータ量上限を月30GBまでとしているため、テザリングをよく使うなら無制限で使える楽天モバイルがおすすめです。
他社と比較した楽天モバイル新プランのメリット
続々登場した他社の新プランと比較したうえで、楽天モバイルを選ぶことにどのようなメリットがあるのかをまとめました。
【楽天モバイル新プランのメリット】
- 店舗で契約できる
- 楽天ひかりが1年間無料になる
- 2021年夏にはメールアドレスが提供される
店舗で契約できる
ドコモのahamo、auのpovo、ソフトバンクのLINEMO(ラインモ)はいずれも、申し込みをオンライン専用にすることで人件費の削減を図ったプランです。
ただ、本当はahamoやpovoを契約したくても、これまでのようにショップで相談しながら手続きできないことに不安を抱える人は多いでしょう。
しかし楽天モバイルであれば、オンライン申し込みはもちろん、店舗(ショップ)での申し込みも受け付けているため、分からないことがあっても何でも相談ができます。
ただし楽天モバイルの店舗数自体はそこまで多くはありません。
楽天ひかりが1年間無料になる
楽天モバイル契約者は、楽天ひかりの月額基本料金が1年間無料で利用することができます。
2年目以降は戸建てで月5,280円(税込)、マンションタイプで月4,180円と通常料金にはなってしまいますが、ahamoやpovoなどは光回線とのセット割がないため、少しでもお得に使いたい人にはおすすめです。
もちろん、楽天ひかりを契約しないとしても、低価格の光回線と楽天モバイルを使うことで通信費自体をかなり節約することができます。
2021年夏にはメールアドレスが提供される
楽天モバイルでは、2021年夏にメールアドレスの提供が開始される予定です。
一方、ahamoやpovo、LINEMOではキャリアメールが使えなくなるため、乗り換え時はフリーメールなどへの移行が必要となります。
まあ最近ではフリーメールでもセキュリティ対策が施されていますし、手続き等でもメールアドレスとして認められていることがほとんどなので、キャリアメールにそこまでこだわなくても良いとは思いますが…。
他社と比較した楽天モバイル新プランのデメリット
旧プランから新プランになったことで内容がパワーアップされたものの、楽天モバイルではいくつか気を付けておきたいこともあります。
【楽天モバイル新プランのデメリット】
- パートナー回線しか使えないエリアはまだまだ多い
- アプリを使わないと通話料が30秒で22円掛かる
- 3GB以上10GB未満なら他社を使った方が安い
パートナー回線しか使えないエリアはまだまだ多い
楽天モバイルは、他の格安SIM同様で元々ドコモ、auのキャリアの回線を借りたMVNOでしたが、2019年10月から独自の落選回線を利用したスマホとしてのサービス(MNO)に変わりました。
ただサービス開始当初は楽天回線のエリアが正直かなり狭く、基本的にはパートナー回線であるau回線に繋がるばかり。
1年間無料で使い放題に期待したものの、結局au回線で5GBまでしか使えなかったというのが実際のところでした(それでも無料なのでありがたかったですが)。
しかし、最近は基地局をどんどん増設してくれているおかげでエリアも急拡大。
筆者の自宅でも楽天回線が使えるようになるなど、だいぶ無制限で使い放題の恩恵を受けることができるようになりました。
ちなみに楽天回線は人口カバー率は1月で73.5%、2月には80%、夏には96%になる予定としています。夏ころにはさらに使い勝手が良くなりそうです。
ただそうは言っても、キャリアであるドコモやau、ソフトバンクといった3大キャリアなみのエリアとなるのはまだまだだいぶ先。
特にエリア内であっても地下やビル内では繋がりにくく、パートナー回線(au回線)を拾ってしまう場合が多いです。
パートナー回線の提供が続く他の地域ではしばらくの間、通常の速度で使えるデータ量が5GB以下になる可能性は十分に考えられます。
アプリを使わないと通話料が30秒で22円掛かる
楽天 | ahamo (アハモ) |
LINEMO (ラインモ) |
povo (ポヴォ) |
|
通話料 | Rakuten Link 利用で無料 |
5分以内 無料 |
月550円追加で 5分以内無料 |
月550円追加で 5分以内無料 |
Rakuten Linkアプリを使えば確かに国内通話は無料ですが、アプリを使わない場合は30秒ごとに22円の通話料金が発生します。
そもそも、ahamoなら専用のアプリを使わなくても、5分以内の通話であれば何度掛けても無料です。(povo/LINEMOは月550円のオプションで対応)
それに比べて楽天モバイルでは、電話が掛かってきてすぐに折り返したい時でも、一度専用アプリを開いて掛け直す手間があります。
したがって、普段から電話を頻繁に掛けるという人にとって使い勝手が良いのは、楽天モバイルよりも他社のプランと言えるでしょう。
3GB以上10GB未満なら他社を使った方が安い
楽天モバイルでは、3GBを境にして20GBまでを月2,178円としていますが、月に20GB近くも使わないという人にとっては、もったいないプランです。
例えばmineo(マイネオ)なら月5GBまでが1,518円、月10GBまでなら月1,958円で使えるため、毎月使っても3GB以上10GB以下なら、マイネオのほうが安くなります。
もちろん、毎月10GB以上使うような人であれば楽天モバイルで十分まかなえますが、速度や通話料よりも料金を重視するなら、格安SIMを選んだほうがお得です。

楽天モバイル新プランに関する口コミや評判
楽天モバイルの新プランに関する口コミや評判を集めました。
楽天モバイルそろそろタダ期間が終わると思ったら、Wi-Fi下でしか使わなければ実質ゼロになる事になった。ラッキー (Twitter)
楽天モバイルが始まってすぐに申し込んでいた場合、2021年4月には1年間無料の特典が終了します。
それでも「1GB未満無料」であれば、急いで解約しなくたって良いですよね。
「eSIMでいざという時に2回線目として使う」「電話を掛けるために使う」という人も多そうです。
マイネオから楽天モバイルにした 1年無料やし使用するGBに応じて値段変化するのは魅力的 (Twitter)
こちらはマイネオから楽天に乗り換えたという方の口コミ。普段使う通信量がそこまで決まっていない人にとっては、プラン変更手続きをしなくても使った分だけ料金を支払う段階料金制が使いやすいのでしょう。
楽天モバイルの無料に誘われてさよならドコモ…。 ついでにiPhone11にしたらデカすぎて、片手で出来たことができなくなったー……(・ω・`*)ネー ポイント7000ポイントのために頑張ったよ! (Twitter)
無料特典やポイントをGETするために、ドコモから楽天モバイルに乗り換えたという人もいました。
楽天モバイルは楽天SPUにも適用されるので、普段から楽天市場や楽天カードを使う人が契約だけしておくのもアリですね。
気になるならとりあえず3カ月間の無料期間に試してみるのがおすすめ
楽天モバイル新プランの概要について紹介しました。
4月の時点では5GBまでしか使えなくても、楽天回線の接続状況に応じてパートナー回線の提供は順次終了していくため、夏頃までには楽天回線に繋がって20GB以上使える地域も広がります。
ただ、普段から月に5GB程度しか使わないなら楽天モバイルをメイン回線にしても良いですが、いつも5GB以上使ってしまうなら、パートナー回線の5GB制限が心配ですよね。
もし使うなら、本格的に楽天モバイルに乗り換えるよりもサブ回線として利用するのがおすすめ。
SIMを2枚入れられる端末や、eSIMに対応したiPhoneなら、電話を掛ける時だけRakuten Linkを使って、普段はメイン回線で通信ということもできます。(関連:楽天モバイルのeSIMとは?)
今なら3か月間無料ですし、もし使わないとしても基本料金は掛からないので、気になっているならとりあえず契約してみると良いでしょう。