ソフトバンクのインターネット接続サービスには、大きく分けて「ソフトバンクエアー」と「ソフトバンク光」の2種類があります。
これらのサービスは、回線方式が無線電波と光回線という違いがあるので、通信速度や安定性といった使用感に大きな差があることが特徴。
ソフトバンクエアーはお得な月額料金や回線工事が不要なお手軽さ、ソフトバンク光は安定した通信と速度が魅力です。
本記事では、ソフトバンクエアーとソフトバンク光の違いや、ソフトバンク光への乗り換え方について分かりやすく解説します。
ソフトバンクエアーとソフトバンク光を比較!どっちがいい?
「ソフトバンクエアー」と「ソフトバンク光」は、どちらもソフトバンクのネット回線ですが、いろいろな違いがあります。
まずは次の5つの観点から、ソフトバンクエアーとソフトバンク光を比較してみましょう。
- 月額料金
- 回線工事
- 通信速度
- 割引制度
- キャンペーン
それぞれの違いについて分かりやすく解説していきます。
【料金】マンションで使うならソフトバンク光のほうが安い
ソフトバンクエアーとソフトバンク光の月額料金の比較は次の通りです。
※税込表記
比べてみると、ソフトバンクエアーはソフトバンク光の戸建てタイプよりはお得ですが、マンションタイプと比べると割高になります。(最初の1年は同額)
月額料金の点だけで考えると、マンション住みの人はソフトバンク光の方がお得だということです。
Airターミナルの端末代は59,400円と高額ですが、分割払いが「月月割」で毎月相殺されていくため、3年以上契約する場合は実質無料になります。
【工事】ソフトバンクエアーは面倒な工事不要!届いたらすぐ使える
ソフトバンクエアーとソフトバンク光の最も大きな違いは、回線工事が必要かどうかということです。
ソフトバンク光は光回線サービスなので、新規契約時は光回線の敷設工事が必要となり、工事費は最大で26,400円と高額です。
キャンペーンでキャッシュバックを受けると工事費は実質無料になりますが、それでも工事を行う必要があるのは厄介ですよね。
一方で、ソフトバンクエアーは「4G LTE」の無線電波で通信する回線なので、面倒な工事はいっさい必要ありません。
回線 | 工事費 |
ソフトバンク エアー |
なし |
ソフト バンク光 |
最大26,400円 (キャンペーン等で実質無料) |
また、集合住宅で光回線の設備が導入されていない場合は、管理者の許可を得なければ光回線を導入することはできないことを考えると、ソフトバンクエアーのほうが気軽に契約できますね。
こういった手軽さが、ソフトバンクエアーの大きな魅力だと言えるでしょう。
【速度】家族で何台も接続するならソフトバンク光のほうが速い
無線電波で通信するソフトバンクエアーと、光回線で通信を行うソフトバンク光では、通信速度にも大きな違いがあります。
ソフトバンクエアーは無線通信なのでソフトバンク光よりも速度が劣りやすい
ソフトバンク光は光ファイバーで物理的に接続された回線を使いますが、ソフトバンクエアーでは無線電波による通信。
そのため、ソフトバンク光では高速な通信を安定して行いやすいのに対し、ソフトバンクエアーではどうしても通信が不安定になりやすいのが難点です。
ソフトバンクエアーとソフトバンク光の通信速度の比較は次の通りで、ソフトバンク光の方が大幅に速くなります。
回線 | 最大通信速度 |
ソフトバンク エアー |
481Mbps ~962Mbps |
ソフト バンク光 |
1Gbps ~10Gbps |
上記のように、ソフトバンク光は1Gbpsの速度で使用できますが、ソフトバンクエアーの速度は半分以下の481Mbpsしか出ません。
一部地域では最大962Mbpsとなっていますが、実測値は100Mbpsを大きく下回ることもあるようです。
動画閲覧やゲームなど一般的な用途では10Mbpsあれば十分ですが、ソフトバンク光と比べる遅いことには変わりないので、通信速度が必要な場合は気になるでしょう。
Airターミナルの同時接続台数は最大64台だが、推奨は4台以下
また、Airターミナルには最大64台の端末を接続することができますが、基本的には4台以下にすることが推奨されています。
接続台数が増えるほどAirターミナルに負荷が掛かり、通信が不安定になることや速度が低下することが増えるからです。
動画視聴では1台の接続でも画質設定によって遅くなることがあるので、同時に複数の端末を使用することが多いならソフトバンク光の方が安心ですね。
【割引】おうち割光セットはどっちも使えて割引額も同じ
ソフトバンクエアーとソフトバンク光は、どちらもソフトバンクのスマホユーザーがセットで契約すると、「おうち割光セット」を適用することができます。
おうち割光セットは、ソフトバンクのスマホ料金が最大1,100円安くなる割引を、永年受けることができるという制度。
割引額はスマホの料金プランによって異なりますが、最新の「データプランメリハリ」や「データプランミニフィット」プランでは1,100円の割引になります。
最大10回線まで割引を受けることができるので、家族にソフトバンクユーザーが多いほどお得です。
さらに、ソフトバンク系列のワイモバイルのユーザーも「おうち割光セット」の対象となり、料金プランによって最大1,100円の割引を受けることができます。
25歳以下のソフトバンク・ワイモバイルユーザーなら、「U-25限定SoftBank Air 割引」と「おうち割光セット」の併用で、通信費が圧倒的に安くなりますよ。
【特典】乗り換え時に適用できる違約金負担キャンペーンは両者とも利用可
(引用:ソフトバンク光公式)
他社からの乗り換えで適用される「SoftBank あんしん乗り換えキャンペーン」も、ソフトバンクエアーとソフトバンク光のどちらでも受けることができます。
このキャンペーンは、他社回線を解約するときに発生する違約金や撤去工事費を、ソフトバンク側が全額負担してくれるというもの。
上限金額は100,000円となっていますが、現在のところ100,000円を超えるような違約金を請求される回線はほとんどないので、事実上無料で乗り換え可能と考えて良いでしょう。
ただし、あくまで解約時に掛かった費用を還元してくれるというシステムなので、解約時に生じる費用を一時的に自分で支払っておく必要があるので注意してください。
利用開始から5か月目の末日までに、解約費用等の証明書を専用フォームからアップロートすると、6か月目に普通為替にて還元を受けることができます。
このキャンペーンのおかげで、ソフトバンクエアーやソフトバンク光に安心して乗り換えることができますね。
ただし、ソフトバンク光からソフトバンクエアーに乗り換えるときは、違約金負担のキャンペーンは適用されないので注意が必要です。
ソフトバンクエアーからソフトバンク光へ乗り換える場合は、後ほど解説する「サービス変更」を申し込めば違約金は掛かりません。
ソフトバンクエアーとソフトバンク光はどんな人に向いている?
ソフトバンクエアーとソフトバンク光の違いについて解説してきましたが、それぞれどんな人に向いているのでしょうか。
どちらの回線がどんな人におすすめなのかについて、具体的な例を交えながら見ていきましょう。
ソフトバンクエアーを使う方がいい人
ソフトバンクエアー最大の特徴は、集合住宅の場合はソフトバンク光より安いこと、光回線の引き込み工事が不要なことです。
つまり、次のような人にはソフトバンクエアーの方が向いていると言えます。
- 集合住宅に住んでいて通信費を抑えたい人
- 何らかの理由で光回線の工事をしたくない人
- 引っ越しが多くて光回線を契約しづらい人
- 通信速度や安定性はそれほど気にしない人
- 一人暮らしで同時に使用する機器が少ない人
- ソフトバンクやワイモバイルのスマホユーザー
ソフトバンク光を契約するとき、集合住宅でもマンションタイプの設備が導入されていなければ、戸建てタイプで契約する必要があります。
ソフトバンクエアーは工事不要で月額料金も300円以上安いので、通信費を抑えたい場合はこちらの方が良いでしょう。
また、引っ越しが多い人は、毎回インターネットの解約や引越し手続きをするのは面倒なので、ソフトバンクエアーが便利です。
ソフトバンクエアーは通信速度や安定性の低さが難点ですが、通信品質をあまり気にしない人や同時に複数の機器を接続しない場合は、ソフトバンクエアーで問題ありません。
自分に当てはまる項目が多ければ、公式サイトで料金シミュレーションをするなどして、申し込みを検討して見ると良いでしょう。
ただし、ソフトバンクエアーには次の4つの注意点があります。
- 契約期間と違約金がある
- レンタルする場合は解約時にAirターミナルの返却が必要
- Airターミナルを購入した場合は機種代の残債を請求される
- データ容量は無制限だが混雑する時間帯は速度制限を掛けられる
ソフトバンク光と同様に、ソフトバンクエアーには2年間の契約期間が設けられていて、自動更新の期間(契約満了月)以外で解約すると10,450円の解約金を請求されます。
レンタルの場合は、Airターミナルを返却する必要がありますが、解約翌月の20日までに返送しないと36,300円の違約金を請求されるので要注意。
端末を購入した場合は3年以上継続利用すれば実質無料になるものの、3年以内に解約すると端末代の残債分を一括請求されるので注意してください。
また、夜間など利用者が増えて混雑する時間帯(17時~24時ごろ)は、ビデオ通話や動画配信サービスなどの負荷が高いサービスを利用するときに速度制限が掛かります。
格安SIMとは違い、基本的に特定のユーザーに制限が掛けられることはありませんが、明らかにユーザー側の原因で負荷が高い場合は、個別の通信制限を受ける場合もあるので気を付けてください。
ソフトバンク光を申し込んだほうがいい人
ソフトバンク光は、高速で安定した通信をできることが最大の特徴で、光電話を使用できるという魅力もあります。
そのため、次のような人はソフトバンク光の方が向いていると言えるでしょう。
- 家族にソフトバンクユーザーがいる人
- 光電話で固定電話を使用したい人
- 高速で安定した通信が必要な人
- 同時に複数の機器を接続することが多い人
高画質動画の閲覧やオンラインゲームのプレイ、動画や画像の投稿などをすることが多い人は、通信が不安定になりやすいソフトバンクエアーよりもソフトバンク光を申し込む方が良いでしょう。
ソフトバンク光の光電話には「光電話(N)」と「ホワイト光電話」の2種類がありますが、ホワイト光電話を契約する場合は、電話番号の扱いに注意してください。
ホワイト光電話はソフトバンク独自の光電話なので、ホワイト光電話で電話番号を発番した場合は、ソフトバンク光を解約するとその番号は使用できなくなります。
なお、ソフトバンク光には2年間の契約期間があり、契約更新期間(契約満了月)以外に解約すると10,450円の違約金を請求されるので、解約時期には注意が必要です。
引っ越しが多いなど解約する可能性が高いときは、ソフトバンク光ではなくソフトバンクエアーにしておくと、解約金や回線工事などの心配がありません。
ソフトバンクエアーからソフトバンク光への乗り換えは可能?
ソフトバンクエアーを契約したものの、通信環境に不満があってソフトバンク光に乗り換えたいと思うことがあるかもしれません。
もちろん、ソフトバンクエアーからソフトバンク光への乗り換えは可能で、手続きも簡単に済ませることができます。
しかし、乗り換えの手順や端末代の分割払いについて注意すべき点があるので、重要なポイントについて確認していきましょう。
ソフトバンク光の窓口でソフトバンクエアーへの「サービス変更」を伝える
ソフトバンク光では、他社からの乗り換えで生じる解約金等を負担してくれますが、ソフトバンクエアーからの乗り換えは対象となりません。
しかし、ソフトバンク光への乗り換え時に「サービス変更」の手続きを行うと、本来は支払う必要のある違約金10,450円が免除されるので便利です。
サービス変更の手続きは、下記のソフトバンクエアーの問い合わせ先へ電話で行いましょう。
電話番号:0800-1111-820(通話料無料)
受付時間:10:00~19:00(平日のみ)
電話を掛けて、「ソフトバンクエアーからソフトバンク光へ『サービス変更』したい」と伝えると、解約金なしで乗り換えることができます。
これなら、ソフトバンクエアーを試してみた後で、ソフトバンク光へ乗り換えたくなったときでも安心ですね。
3年以内に切り替えると端末の支払いを引き続き請求される
前述したサービス変更の手続きを行えば、ソフトバンクエアーの解約金を支払う必要はありません。
しかし、ソフトバンクエアーでAirターミナルを購入した場合は、ソフトバンク光の解約時期に注意が必要です。
ソフトバンク光へ乗り換えた後も、Airターミナルの端末代金の分割払いと割引による相殺は継続されるため、端末代金の支払いを気にする必要はありません。
ただし、ソフトバンクエアーを契約してから3年以内にソフトバンク光を解約すると、Airターミナル代金の残債分を一括請求されてしまうので注意が必要です。
例えば、ソフトバンクエアーの契約から1年後にソフトバンク光へ乗り換えて、さらに1年後にソフトバンク光を解約すると、残債分として21,780円を請求されてしまいます。
ソフトバンク光の解約時期にさえ気を付ければ、いつでもお手軽に乗り換えることができるので安心ですね。
速度と安定性ならソフトバンク光、手軽さはソフトバンクエアー
ソフトバンクエアーは工事不要でお手軽に利用できるので、引っ越しが多い人でも安心して契約できます。
ソフトバンク光は通信速度が速くて通信も安定しているので、高画質動画の視聴やオンラインゲームのプレイが多い人におすすめです。
一方で、ソフトバンクエアーは通信速度や安定性が劣ること、ソフトバンク光は回線工事が必要なところが難点と言えます。
速度と安定性を重視するならソフトバンク光を、手軽さを求めるならソフトバンクエアーを選ぶと良いでしょう。
ソフトバンクエアーからソフトバンク光への乗り換えは「サービス変更」で簡単に行えるので、まずはソフトバンクエアーから試してみるのも良いかもしれませんね。