最近ではインターネット通信の最大速度1Gbps超え!なんてプロバイダも増えてきましたね。
しかし本当にそれだけの速度が出せているのか、実感できる機会は少ないのではないでしょうか。
現在使っている通信機器がどれくらいの速度なのか知ると、あれ?思ったより遅いなと感じるかもしれません。
今回はインターネットの回線速度の調べ方と速度の目安について解説していきます。
回線速度とは?調べたら何がわかるの?
回線速度とは1秒間に送ることのできるデータの量のことです。
単位はbps(ビーピーエス/ビットパーセカンド)。1bpsは1秒間に1ビットのデータを伝送できることを表します。
回線の上り速度と下り速度やタイムラグがわかる!
回線の速度には上りと下りの2種類があり、それぞれ分けて計測されます。
- 上り速度:アップロード、送信の際の速度
- 下り速度:ダウンロード、受信の際の速度
また測定ツールを使用すると回線速度以外にもいろいろな情報を得ることができます。
- Ping値:データを要求してから受け取るまでの応答速度
- Jitter:応答速度のズレ、揺らぎ
- Bufferbloat:余計なデータの存在により通信効率が落ちているかどうか
- パケットロス:通信の際にパケット(データ)を消失しているかどうか
これらは回線速度と同じく回線の品質を見るものです。

でもたいてい回線を契約すると速度って書いてありますよね?わざわざ自分で測る必要ってあるんですか?

回線速度として明記されているのはあくまで最大速度の「理論値」です。回線速度は通信環境によって大きく変化します。そのため最大速度に届かないことがほとんどなんですよ。
回線速度で大切なのは「理論値」よりも「実測値」
回線を契約する際、小さな文字で書かれていることが多いのが「ベストエフォート」という言葉です。
一見とてもいい響きですが、その意味は「速度の最大値を実現するために努力をしています」ということ。
そこで大事なのが速度の「理論値」ではなく「実測値」です。
実際にドコモなどの携帯会社は2015年から回線の実効速度と最大速度を併記するようになりました。
それだけ理論値と実測値には乖離が見られるのです。
ただこの「実測値」は場所、時間帯、使用機器など通信する環境によって大きく異なります。
いくら速い回線と契約をしても、そのほかの環境が整備されていなければ「理論値」にはるか及ばない「実測値」となってしまいます。
自分のネット環境がきちんと整えられているか知るためにも、「実測値」を把握することは大切です。
実測値を知ると役に立つこと
回線速度を測定すると自分の回線の速さが「実測値」として数値化できます。
この実測値は以下のように役立てることが可能です。
快適にインターネットを使えるか事前に知ることができる
ネットをする、といってもその用途は人それぞれです。
ゲームをする人、ニュースを見る人、動画を見る人、使い方によって必要な回線速度は変わります。
自分の用途に合わせた速度の目安と実測値を比較することで、通信する前に通信環境が整えられているかを把握することが可能です。
速度の目安については後述を参考にしてください。
通信が遅い場合どこに原因があるか知ることができる
回線速度が遅い場合、その原因は多岐にわたります。
スマホ、PC、ケーブルやルーターといった機器に不調がある場合、それを交換し回線速度を測ると何に原因があるのかわかりやすくなるでしょう。
また回線に問題がある場合も、単に時間帯を変えれば速度が速くなるのか、そもそも契約しているプロバイダが悪いのか知ることが可能です。
原因がわからないと対策をうつことはできません。
体感的に遅いと感じていなくても、無駄な通信を減らすことで回線にかかる負荷を軽減できます。
無理な通信によるデータの損失、機器の故障を防ぐことができる
通常データの送受信の際、データはまるごといっぺんではなく、細かく分けた状態で伝送します。
しかし速度が足りていない状態で無理にやりとりしようとすると、途中でデータを損失する恐れがあるのです。
重たいデータを送受信するときは、あらかじめそれに見合った回線速度がでているかどうか確認すると安心できます。
また速度が十分ではなく負荷がかかった結果、PCなどががフリーズしてしまうと、機器の故障にもつながるでしょう。
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回線速度の調べ方
回線速度はブラウザやアプリなどから簡単に調べることができますが、実は使用するツールによって測定結果に差が出ます。
通信環境は人それぞれのため、万人に対し誤差のないツールというのは今のところ存在しません。
そのため、いろいろなツールを試すよりは、自分の知りたい情報を得られる使いやすいツールを続けて使用し、結果を比較するといった使い方が望ましいでしょう。
測定方法は大きく分けて2種類あります。
- ダウンロード方式:データをダウンロードしその結果から回線速度を算出。比較的正確に測定が可能。
- フラッシュ方式:AdobeFlashを使用しているため非対応機種がある。正確さもいまいちのためおすすめ度は低。
測定前に気を付けること
正しい測定結果を得るために確認事項がいくつかあります。
- 同回線で他の人が通信を行っていないか
- 同一機器で別の通信を行っていないか
- 速度制限にかかっていないか
同じ回線や機器で通信を行っていると、その通信が負荷となり測定結果に影響が出てしまいます。
より正確な数値を知りたいのであれば、他の接続は切っておくことが望ましいです。
また20時~23時頃は利用者が多く、遅くなる傾向があります。
もしその時間帯の速度を知りたいのであれば問題ありませんが、回線自体の純粋な速度を知りたいのであれば時間をずらして計測した方がいいでしょう。
ブラウザから調べる
ブラウザから調べる場合は「SpeedTest(スピードテスト)」や「回線速度 測定」といったキーワードで検索をすると表示される測定ツールを使用しましょう。
いくつも種類があるため、おすすめなものから紹介します。
SouceForge SpeedTest|速度、Jitterやパケットロスもいっぺんに測定OK!
SourceForge Speed Testはしっかりと計測したい人には特におすすめしたい測定ツールです。
少し時間がかかりますがその分、上り下りの速度はもちろん、Ping値、Jitter、Bufferbloat、パケットロスまですべていっぺんに計測してくれます。
測定後「VIEW DETAILS」を押すとすべての平均値とMIN、MAX、さらにはYoutubeやゲームなどサービス別のネット環境診断まで表示される徹底ぶり。
HTML5のためスマホからでも利用が可能です。
ただし米国のサーバを使用しているためPing値が大きめに計測されることに注意しましょう。
表記もすべて英語です。
【使いやすさ★★★★☆/情報量★★★★★/測定所要時間50秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:〇 Bufferbloat:〇 パケットロス:〇
Fast.com|多数接続のPing値も計測
インターネット回線の速度テスト|Fast.comは動画サイトNetflixが提供しているダウンロード方式の無料測定ツールです。スマホからも計測ができますが、毎回ブラウザにつなげるのが面倒な場合はアプリ版も用意されています。
ページを開くと同時に計測が始まるため、モバイル回線の場合は気を付けましょう。
初期画面は下りの速度のみが表示されていて、5秒ほどで計測が終わります。
Ping値(レイテンシ)や上り速度も計測すると30秒かかりますが、計測にかかる時間は設定から変更することも可能です。
Fast.comのいい点はPing値を「アンロード済」と「ロード済」で分けて表示してくれるところ。
Netflixような動画サービスでは、バックグラウンドで別の通信をしていることも少なくないため、「ロード済」では同時に接続しているほかのサービスを加味したPing値を知ることができます。
「アンロード済」と「ロード済」に差がある場合はほかの通信をいくつか減らしてみると通信環境を改善できます。
【使いやすさ★★★★☆/情報量★★★★☆/測定所要時間5~30秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
SPEEDCHECK
SPEEDCHECKは上り速度、下り速度、Ping値、通信の安定性をシンプルに測定してくれます。
履歴をグラフで表示することができるので、計測結果を記録しておきたい人にはおすすめです。
スマホからも使用でき、アプリ版もあるので使いやすいほうを選べます。
Speedtest by Ookla
利用者も多く、正確に計測ができると人気なのがOoklaの「Speedtest」。
シンプルに上り速度、下り速度、Ping値を計測し、結果を履歴として残してくれます。
昨日の結果と今日の結果を簡単に比較できるのはうれしいですね。ちなみにすべて英語表記です。
残念ながらスマホからブラウザ版を使うことはできず、アプリをダウンロードする必要がありますがアプリ版ではJitterなどもすべて計測できる上日本語表記のため、むしろブラウザよりおすすめ。
【使いやすさ★★★★☆/情報量★★★☆☆/測定所要時間35秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
Googleインターネット速度テスト
スピードテストと検索して、一番上に表示されるのがGoogleのインターネット速度テストです。
ダウンロード方式で、上り下り速度とPing値を素早く測定してくれるので、特にこだわりなく回線速度を知りたいだけならこれが最も手軽に計測できます。
【使いやすさ★★★★★/情報量★★☆☆☆/測定所要時間20秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
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速度.jpスピードテストシンプル版
速度.jpは上り下りとPing値を計測できるシンプルな測定ツールです。
速度が遅いときのチェック項目や、地域別の速度平均なども見ることが可能です。
スマホからも使用できますが、広告がとても邪魔なので要注意。
BNRスピードテスト
BNRスピードテストはFlash方式の測定ツールです。Flashを使用できない場合は画像読み込み版も用意されていますが、こちらはFlash版より計測結果が遅くなることがあります。
ですがこのサイトはADSLが普及していた時代からあるもの。デザインも長い歴史を感じる趣を残しています。
PC、Macの機能を使って調べる
PCやMacであれば、測定ツールを使わなくてももともと備わっている機能を使って計測することが可能です。
Windows10|タスクマネージャーから調べる
Windowsではまずスタート部分を「右クリック」し、タスクマネージャーを選択します。
タスクマネージャーの画面が簡易表示になっている場合は、詳細表示を選択しましょう。
タブ部分から「パフォーマンス」を選び、「イーサネット」か「Wi-Fi」を表示させましょう。
現在の接続状況をグラフと数値で知ることができます。
MacOS|ネットワークユーティリティから調べる
Macの場合はネットワークユーティリティから通信状況を知ることができます。
ネットワークユーティリティは以下の場所から使用できます。
- Spotlightを使って探す
- OS X Marvericks以降:/システム/ライブラリ/CoreServices/Applications
- OS X MoutainLion、 Lion、SnowLeopard:アプリケーションフォルダ>ユーティリティ内
(引用:Appleサポート)
アプリから調べる
アプリからの計測も最初にダウンロードする以外はブラウザと変わりません。スタートの部分をタッチすると測定を開始できます。
アプリ版は種類によって得られる情報がかなり異なるため、自分の用途に合ったものを選ぶといいでしょう。
Speedtest|Ping値からパケットロスまで計測できる万能アプリ
ブラウザのSpeedtestのアプリ版です。
正確さという点から利用者も多く、測定をしたいのであればSpeedtestを選べば間違いはないでしょう。
デザインなどはシンプルを極めていますが、Jitter、Bufferbloat、パケットロスまで測ることができます。
広告も一面を使うタイプではないのでさほど邪魔に感じない点もポイントが高いです。
【使いやすさ★★★★★/情報量★★★★★/測定所要時間30秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:〇 Bufferbloat:〇 パケットロス:〇
SpeedTest Master|履歴グラフ表示やネットワーク診断など使いやすさ◎
SpeedTest Masterはかなり使いやすいアプリです。
回線ごとに履歴を残してくれる上、グラフ表示もわかりやすくなっています。
平均値を自動計算してくれるため今回の測定結果が普段と比べ遅いかどうか一目でわかるのもうれしいですね。
ほかにもネットワークが正しく接続されているかを診断することもできます。
口コミでも測定結果の評価をイラスト表示してくれるわかりやすさが人気です。
【使いやすさ★★★★★/情報量★★★★☆/測定所要時間20秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
RBB SPEEDTEST|とにかく速く測定したいときに!速度ランキング機能も
RBB SPEEDTESTは測定時間が15秒ほどとアプリの中では一番速く計測が終わりました。
自分の測定結果の平均値を出してくれるほか、全国平均や機種別、キャリア別、WiFiスポット別の速度ランキング(直近一カ月平均)などを知ることも可能です。
スケジュール機能がついているので毎日決まった時間に計測したいという場合はこれがおすすめ。
【使いやすさ★★★★☆/情報量★★★★☆/測定所要時間15秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
SPEEDCHECK|シンプルさを極めたいならこれ
SPEEDCHECKはシンプルなタイプのアプリです。
ブラウザ版とほぼ同じで余計な情報はなく、上り速度、下り速度、Ping値、通信の安定性を素早く測定してくれます。
アプリを開いた瞬間にスタートボタンがあるので、ごちゃごちゃとしたUIが気に食わない方にはお勧めです。
測定履歴を残せたり、メール、ゲーム、動画などを使用する際のパフォーマンスがわかるなどうれしい機能も付いてます。
測定後に広告が表示されるのがちょっと邪魔です。
【使いやすさ★★★★☆/情報量★★★☆☆/測定所要時間20秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
Speedchecker/スピードテスト|シンプルながら機能も備わったバランス型
シンプルですがほしい情報をバランスよく調べることができるのがSpeedchecker。
上り下りの速度とPing値、結果を再表示させる履歴機能。さらには音楽や動画をダウンロード、アップロードした際にかかる時間まで表示してくれます。
測定項目が少ない割に測定時間が他より少し長かったのがちょっと微妙ですね。
有料版だと広告を非表示にすることができたりサーバを選択できるようになります。
【使いやすさ★★★☆☆/情報量★★★☆☆/測定所要時間35秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
みんなのネット回線速度|結果を共有して周囲のネット環境と比較できる
測定した結果を共有できるのが特徴の「みんなのネット回線速度」。
測定前に回線や所在地などを登録しないといけないため、ただ測定したい場合には向かないでしょう。
しかし周囲の通信状況の平均値や、現在使用している回線の地域別速度ランキングなど測定によって得られる付随情報が多く役立ちます。
測定アプリとして使い勝手はいまいちですが、通信速度の情報を集めるといった意味では入れておいて損はないでしょう。
ちなみにJitterも測ってくれます。
【使いやすさ★★☆☆☆/情報量★★★★☆/測定所要時間20秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:〇 Jitter:〇 Bufferbloat:× パケットロス:×
ドコモスピードテスト|ドコモユーザーにうれしい機能付き
ドコモが提供している回線速度測定アプリですが、ドコモユーザー以外も使用はできます。
近くのドコモのWiFiスポットやドコモショップ、ドコモの通信エリアを知ることができるのでドコモユーザーには便利でしょう。
また周辺の通信速度も知ることができるため、周りに比べて自分が著しく遅い場合といった状況を知ることができます。
ですが上り下りの回線速度しか測定することができないため、ドコモ以外のユーザーにはうまみが少ないでしょう。ドコモのアプリなので当たり前ですけどね。
【使いやすさ★★★☆☆/情報量★★★★☆(ドコモ以外の場合★★☆☆☆)/測定所要時間30秒】
上り速度:〇 下り速度:〇 Ping値:× Jitter:× Bufferbloat:× パケットロス:×
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回線速度の目安 どれくらいあれば安心?
回線速度を知ることができれば、その速度ではどの程度快適にネットを行うことができるのかがわかります。
回線速度はもちろん速いに越したことはありません。しかし最大速度まで届かなくても十分快適にネットをすることは可能です。
大切なのは、自分の用途に合わせた速度が出ているかどうか。
あまりにも重たいデータをやり取りしたり、超高画質の動画を見るといった場合でなければ、10~20Mbpsの速度が出ていればたいていの通信は行うことができます。
- メール:128Kbps~1Mbps
- 通話:1Mbps~10Mbps
- SNS、サイト閲覧:1~10Mbps
- 動画視聴:1~20Mbps
- ゲーム:10~30Mbps
- データのダウンロード、アップロード:10Mbps以上
最後に
速度が思ったよりも出ていなかった場合、自分で通信環境を整えるのももちろんですが、契約している回線を再検討するのも一つの手です。
固定回線であればプロバイダによって速度に差があるため、住んでいる地域で最も速いプロバイダを測定ツールを使って探すこともできます。
こちらの回線速度の対処法の記事も参考に、快適な通信を楽しんでください。
