2019年2月には、文部科学省によってこれまでの小中学校における携帯電話持ち込み原則禁止の方針を見直すことが明らかになりました。
現在は原則禁止となっていますが、小学生の5割が携帯電話も持っている時代のため、小学校への持ち込み容認も遠くはないはずです。
しかし、小学生の子供に携帯やスマホは必要なのか?とお悩みの方も多いでしょう。
この記事では、小学生の子供に携帯やスマホを持たせる理由や契約時の注意点、小学生向けのおすすめの格安スマホを紹介します。
小学生の子供に携帯を持たせようか悩んでいる方は、ぜひ最後まで読んでみてください。
小学生の子どもに携帯・スマホは必要?持たせる理由は何?
小学生の子供に携帯やスマホは必要かどうかは人それぞれです。
まず、携帯やスマホを持たせるメリットとデメリットを紹介します。
【メリット】小学生に携帯・スマホを持たせたい理由
小学生に携帯やスマホを持たせるメリットとして、以下3点が挙げられます。
- 緊急時に家族と連絡が取れる
- 防犯・安全のための居場所確認
- 塾や習い事の送り迎えの連絡ができる
小学生になると、友達同士や1人で行動することが増えていき、いつ災害や事故に巻き込まれるか分かりません。
そんな時にGPS機能を使用し、離れた場所からでもお子さんのいる場所が分かったり、緊急時でもすぐに連絡のやり取りができたりと、防犯グッズの代わりにもなります。
また、塾や習い事の送り迎えは終わる時間を予想して、早めに迎えにいきますよね。
少し早めに終わったり遅くなったりした時でも、携帯があれば連絡がもらえるので、時間調整もできスムーズに送り迎えができます。
【デメリット】小学生に携帯・スマホを持たせたくない理由
反対に小学生に携帯やスマホを持たせるデメリットは、以下の3点が挙げられます。
- トラブルに巻き込まれる危険がある
- 勉強に支障が出てしまう
- スマホ中毒になる恐れがある
小学生に携帯やスマホを持たせたくない最大の理由は、ネット上でトラブルに巻き込まれる可能性があることです。
SNSを通じて、ちょっとしたことでいじめや仲間外れにされたり、知らない人と出会い事件に巻き込まれるケースも少なくありません。
また、スマホにはSNSやゲームなど、魅力的なアプリがたくさんあります。
子供たちにとってスマホは依存性が高いため、利用時間を決めていないと手放せなくなってしまいます。勉強に支障が出てしまい、学力低下に繋がるのはだれしも避けたいと思うでしょう。
小学生のスマホ・携帯、持たせるならいつからがいい?持たせたら何をするべき?
小学生に、いつからスマホや携帯を持たせた方が良いのかは、とても悩ましい問題です。
続いて、小学生の携帯の所有率や契約する上での注意点をご紹介します。
【参考】学年が上がるほど所有率も上昇する
国の利用調査では、高学年の半数以上が携帯を所有していることが分かりました。
その中で、スマホを持っているのは全体の3割ほどと、学年が上がるほどスマホの所有率も上がっています。
低学年と高学年に分けて携帯の所有率を詳しく見ていきましょう。
低学年(小学1~3年生)|1年生は2~3割程度、3年生になると都市部では5割に到達
小学校1〜2年生の携帯所有率は、都市部、地方部ともに約2〜3割程度です。
しかし、3年生になると地方部では4割程度、都心部では5割の小学生が携帯を所有しています。
携帯所有している中でも、低価格で位置情報も確認できる「キッズ向け携帯」の保有率が約9割という結果でした。
小学低学年から携帯を持たせることで、災害時の連絡手段としても活用できるため、子供や保護者にとっても安心感が増します。
高学年(小学4~6年生)|6年生では6~7割が所持
小学校高学年にもなると、携帯の所有率も上昇します。
都市部では、小学校4〜6年生が約4〜5割程度。6年生だと一気に上がり7割の小学生が携帯を所持しています。
一方の地方部では、小学4〜6年生ともに4〜5割程度の所有率でした。
また小学4〜5年生までは、キッズケータイの所有率が高いですが、高学年を境にスマホに移行する家庭が多いようです。
高学年になると、習い事や塾に1人で行くようになり、電車やバスなどの交通機関を利用して遠出する機会が増えていきます。
そのためスマホがあれば、連絡手段としてだけなく、電車の遅延や乗り換えなども確認できるため、スマホを持たせるメリットが増えていきます。
【契約前】学年によって使い方のルールを決めることが重要
携帯を契約する前に、子供と一緒に使い方のルールを決めておきましょう。
例えば小学低学年であれば、「決められた時間のみ」「食事中にスマホを利用しない」「アプリをインストールするときは必ず親に相談をする」などといった基本的なルールが大切となります。
しかし高学年なると、アプリへの課金方法や友達同士のSNSを通したやり取りにも敏感になってくる年頃です。
そのため、「アプリの追加料金がかからないようにする」「LINEやTwitterなどで個人情報や友達の悪口を書かない」「悩みや困ったことがあったら必ず相談する」など、一歩先のトラブルを考えたルールが必要となります。
「うちは放任だから」と子どもの自主性に任せるのももちろん自由です。
しかし、万が一のトラブルが起きてから後悔したくないという場合は、やはり契約前に学年によって携帯の使い方のルールを決めることが重要でしょう。
【契約後】フィルタリングや管理サービスを使って、使用状況を確認しよう
携帯を契約後は、フィルタリングサービスなどの管理サービスを利用し、子供の使用状況を管理、確認しましょう。
フィルタリングサービスとは、危険サイトへのアクセスを制限し、インターネット上でのトラブルから守ってくれる機能。
法令等により18歳未満は、必ずフィルタリングサービスへ加入しなければなりません。
このフィルタリングサービスには、さまざまな機能があります。
- インターネットの利用状況が見守れる
- アプリのインストールやサイトの閲覧を制限できる
- GPS機能などで居場所が分かる
- 携帯の利用時間帯を設定できる
- 電話発着の制限がかけられる
フィルタリングサービスの使い方は機種や端末、契約プランによって異なりますが、基本的に管理者(保護者など)のスマホやパソコンから子供の携帯の利用状況が閲覧できる仕組みになっています。
小学生のスマホ・携帯の選び方の疑問点Q&A
小学生のスマホや携帯の選び方の疑問点をまとめてみました。
Q.キッズケータイやキッズ向けプランにしようと思っているけどどう?
A.高学年にはおすすめしない。
特定の人物としか連絡が取れない仕様のキッズケータイやキッズ向けプランは、小学低学年にはおすすめできますが、高学年にはおすすめできません。
高学年になると、キッズケータイを持っている子供たちは極端に減ってしまい、スマホを持つ子供が多くなります。
キッズケータイは特定の人物との連絡機能しかついていないため、使い過ぎ防止や防犯としては有効ですが、友達とのコミュニケーション手段にはならず、不満を持ってしまう子が増えるでしょう。(単に見た目が子供っぽい、という理由もあります。背伸びしたいお年頃ですしね)
普通のスマホだと、インターネット上のトラブルが心配という人も多いと思いますが、フィルタリングサービスで利用制限がかけられるので、小学生でも安心して利用できます。
キッズケータイにはできて、スマホではできないという機能はほぼないので、高学年には格安スマホなどがおすすめです。
Q.もう使わなくなったスマホを子供に使わせたい場合どうすればいい?
A.格安SIMを契約して挿入すれば立派なスマホに
使わなくなったスマホは、それだけではWiFiがないと通信できませんが、格安SIMを挿入すると、通話やLINEなども通常のスマホ同様使用できます。
格安SIMを契約するだけで、機種代もかからないため、非常にリーズナブルです。
しかし、どのスマホでもすぐに格安SIMが使えるとは限りません。
購入したキャリアやスマホのモデルによって、使える格安SIMが変わってきます。
そのため事前にしっかり確認し、使わなくなったスマホで使える格安SIMを契約するか、SIMのロックを解除しておきましょう。
Q.キャリアの家族割と格安SIM、どっちが安い?
A.月額料金は格安SIMがお得
大手キャリアの家族割と格安SIMであれば、月額料金は格安SIMの方がお得です。
キャリアやプランによって異なりますが、大手キャリアに比べて格安SIMの月額料金は、半額〜1/3程度となります。
家族割は、月額料金から500円割が相場なため、ほとんどの場合格安SIMの方がお得です。
しかし、子供だけ格安SIMにしてしまうと、請求先が分かれてしまい支払いが面倒になってしまうデメリットもあります。
ワイモバイルやUQモバイルなどの格安SIMであれば、家族割もあり請求元も一本化できるので、家族揃って格安SIMに乗り換えもおすすめです。
小学生向けおすすめ格安スマホ・格安SIM
小学生に持たせるのに適した格安SIMのプランやスマホ端末を紹介します。
TONEモバイル|子供を守る機能が豊富。キッズ向けの格安SIM
トーンモバイルは、子供を見守るための機能やサービスが豊富な格安SIMです。
東京都含む9都県市で推奨されているため、キッズケータイからスマホに変える「最初の一台」にはまさにうってつけ。
料金プランは2種類あり、手持ちのiPhoneにSIMを差す「TONE SIM(for iPhone)プラン」と、オリジナル端末である「TONE端末e20/e19」とセットになった「TONE端末プラン」です。
iPhone用 | TONE端末用 | |
月額 基本料金 (税込) |
1,650円 | 1,100円 +端末代907円 |
データ通信 | 500~600Kbpsの低速で使い放題 |
トーンモバイルはネットをどれだけ使用しても、料金が変わらない「使い放題」が魅力。
その代わり速度が遅く、動画やSNSなどを見るには読み込みにかなり時間がかかるため、結果として使い過ぎ防止にもなります。
また、保護者がトーンモバイルを使用している場合、フィルタリングサービスは無料になるなど、サービスも充実。
トーンモバイルの安心オプション | ||
月額 (税込) |
オプション内容 | |
TONEファミリー オプション |
無料 (220円) |
移動通知/居場所確認 |
あんしん インターネット オプション |
無料 (110円) |
年齢に合わせて適切なサイトのみを 表示させるフィルタリングアプリ |
トーンオリジナル端末自体にも、見守り機能が備わっているので、安心してスマホを持たせることが可能です。
UQモバイル|4段階のフィルタリング機能が無料。節約モードで通信量が多くても安心
テレビCMでよく目にするUQモバイルは、KDDIのサブブランド。速度も非常に安定しているので、使いやすい格安SIMです。
UQモバイルには容量別に3つのプランがあり、最安1,628円で契約が可能です。
プランS (3GB/月) |
プランM (15GB/月) |
プランL (25GB/月) |
|
月額 基本料金 (税込) |
1,628円 | 2,728円 | 3,828円 |
UQモバイルには低速通信に切り替えることでデータ容量を消費しなくなる節約モードもあるため、SNSやネット検索など通信量が多くても、速度制限にかかりにくい点もうれしいですね。(参考:UQモバイルの節約モードとは)
また危険なサイトやアプリから守る「あんしんフィルターfor UQ mobile」は無料で利用できます。
あんしんフィルターfor UQ mobile | |
月額料金 | 無料 |
設定/ アプリダウンロード |
必要 |
主なサービス |
|
子どもの成長に合わせて「小学生」「中学生」「高校生」「高校生プラス」の4段階で制限のレベルの設定や、保護者による遠隔操作で制限内容のカスタマイズが可能です。
Y!mobile|4段階のフィルタリング機能が無料。1回10分以内の国内通話も無料
Y!mobileは、ソフトバンクのサブブランドです。
価格は安くても大手キャリアに劣らない速度と安定性でとても人気となっています。
またY!mobileは、家族割など特典がたくさんあり、とてもお得に利用できます。
プランS (3GB/月) |
プランM (15GB/月) |
プランL (25GB/月) |
|
月額 基本料金 |
2,178円 | 3,278円 | 4,158円 |
家族割 適用時料金 |
990円 | 2,090円 | 2,970円 |
※税込表記
ちなみにY!mobileも、不適切なサイトや有害アプリから守る「あんしんフィルター」が無料で利用できます。
あんしんフィルター | |
月額料金 | 無料 |
設定/ アプリダウンロード |
必要 |
主なサービス |
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UQモバイル同様「小学生モード」「中学生モード」「高校生モード」「高校生プラスモード」の4段階あり、コンテンツを年齢に応じてまとめて制限できるので安心です。
楽天モバイル|3か月間無料で使い放題。ただしフィルタリングには月330円が必要
楽天モバイルは、2020年4月8日より独自回線で運用する携帯キャリアサービスが開始しました。
新しくなった楽天モバイルの料金は、1つのプランしかありません。
新規で契約した方を対象に、データ使い放題で3か月間月額料金が無料となるキャンペーンを行っていたり、専用アプリで通話をすれば通話料も無料なのでとてもお得です。
Rakuten UN-LIMIT | |
月額基本料金 | 3か月間無料 0~1GB:0円 1~3GB:1,078円 3~20GB:2,178円 20GB~:3,278円 |
データ通信 | 使い放題 |
また、家庭でも外出先でも子どものスマホ利用を見守る安心で便利な「あんしんコントロールby i−フィルター」サービスがあります。
月額330円と月額料金はかかってしまいますが、年齢に合わせたフィルタリング調整ができたり、1日1回利用状況をメールで受け取れたりと、安心してスマホを利用させることができます。
あんしんコントロール by i−フィルター |
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月額料金 | 330円 |
設定/ アプリダウンロード |
必要 |
主なサービス |
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小学生向け格安スマホのおすすめ機種
続いて、小学生向けのおすすめ機種を紹介します。
ちなみにキッズケータイのおすすめはこちらの記事も参考にしてください。

また、中学生まで使うことを見越して購入する場合はこちらの記事の機種も見てみましょう。

TONE e20|見守り機能が豊富なトーンモバイルのオリジナル端末
TONE e20は、トーンモバイルオリジナルのスマホです。
TONE e20 | |
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価格 (税込) |
21,780円 |
サイズ | 約159×76.5×8.2 |
バッテリー | 3,900mAh |
CPU | Mediatek Helio P22 オクタコア |
防水/防塵機能 | 非対応 |
内臓メモリ | 4GB(RAM)/64GB(ROM) |
カメラ | 外側:1,200万画素+1,300万画素+200万画素 内側:800万画素 |
機能 | ・自画撮り被害防止機能 ・指紋認証/顔認証 ・置くだけサポート ・場所によってスマホ利用をロックできる ジオロック/ここだけアプリロック ・歩きスマホ防止機能 |
トーンモバイルのTONE e20は、トーンモバイルのSIMとセットで契約することによって手に入ります。
端末のみの販売はしていません。
機能面では、子供が不適切な写真を撮影してしまった際にAIによってロックがかかる「自画撮り被害防止機能」や、子供のいる場所によってアプリやスマホの利用を制限できるジオロック/ここだけアプリロックなど、学校や塾に行く際に持たせても不要な場面で使わせない機能などが豊富に備わっています。
Rakuten Mini|コンパクト&リーズナブルな楽天モバイルオリジナル端末
Rakuten Miniは、楽天モバイルオリジナルの世界最小、最軽量のスマホです。
RakutenMini | |
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価格 (税込) |
18,700円 |
サイズ | 約106.2×53.4×8.6 |
バッテリー | 3,600mAh |
CPU | Snapdragon439 オクタコア |
防水/防塵機能 | 対応/対応 |
内臓メモリ | 3GB(RAM)/32GB(ROM) |
カメラ | 外側:1,600万画素 内側:500万画素 |
機能 | ・おサイフケータイ ・顔認証 ・eSIM |
画面の隅々まで指が届くサイズのため、あらゆる操作を片手だけでできる快適さが魅力となっています。
またカードサイズで、おサイフケータイにも対応しており、通学時の電車移動の決済にとても役立ちます。
しかし、サイズが小さい分電池持ちが良くないので、インターネットなどをあまり使用しない場合や、使い過ぎ予防策としておすすめです。
iPhone|中古購入でも手に入る。新品はハイスペックな分割高なので注意
スマートフォンの中でもとても人気が高いiPhone。憧れからか、iPhoneじゃなきゃ嫌だと子供に言われるケースも多いようです。
1台10万円以上もする最新のiPhoneは、ほとんどの人にとって十分すぎるスペックの高さで、その分値段も高くなっています。
小学生が使う範囲では、そのスペックの高さを発揮することは正直言って稀なので、もう少し安いスマホでも十分です。中にはiPhoneしかスマホを知らないため、「(キッズケータイではなく)スマホが欲しい」といった意味でiPhoneが欲しいと言っているケースもあります。
「みんなiPhoneだから」「かっこいいから」と言われるかもしれませんが、小学生の約2割は自分の使用しているスマホがAndroidかiPhoneか把握していないとのアンケート結果もあるので、もしねだられた場合は、なぜiPhoneが欲しいのかという部分をはっきりさせておいた方がいいでしょう。
ただし、自分もiPhoneを使っていて操作を教えるのが楽、などといった理由からiPhoneを選ぶという人もいます。
その場合は廉価版であるiPhone SEや、旧世代のiPhone8であれば、手を出しやすい価格帯でおすすめです。
ちなみに中古のiPhone8であれば15,000円~30,000円程度で手に入ります。
iPhoneSE(第二世代) | iPhone8 | |
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![]() |
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価格 (税込) |
64GB:49,280円 128GB:54,780円 256GB:66,880円 |
64GB:58,080円程度 128GB:63,580円程度 ※AppleStoreでの販売は終了 |
サイズ | 138.4×67.3×7.3mm | 138.4×67.3×7.3mm |
CPU | A13 Bionic | A11 Bionic |
防水/防塵機能 | 対応/対応 | 対応/対応 |
カメラ | シングル12MP広角 True Toneフラッシュ ポートレートモード |
シングル12MP広角 True Toneフラッシュ |
機能 | ・スクリーンタイム ・指紋認証 ・DSDV(eSIM) |
・スクリーンタイム ・指紋認証 |
iPhoneには、スマホの使用時間が分かるスクリーンタイムや、iPhoneを無くしたときに利用するiPhoneを探すなど、Apple独自の機能もあります。
まとめ|小学生からスマホを持つ子は多い。ただし家庭内ルールは契約前に決めておこう
小学校に携帯の持ち込みが可能になると、低学年から携帯を所有する子供が増えていきます。
小学生は、インターネットへの知識が少ないのは当たり前です。
スマホを持たせるのであれば、ルール決めや相談、管理が非常に大切になってきます。
子供の自主性に任せる場合でも、自分のために相手のためにも、ネットテラシーはしっかりと教育しましょう。