フレッツ光とauひかりはどちらも主要な光回線ですが、対応エリアや月額料金、各種キャンペーン、回線そのものなど、両者には大きな違いがあります。
したがって、auひかりに乗り換える際は、現在の回線種別に関わらず新規工事が発生することや、フレッツ光のサービスを継続利用できなくなることに注意が必要です。
本記事では、フレッツ光とauひかりについて、様々な観点から分かりやすく比較していきます。
フレッツ光とauひかりを比較
NTT東西の回線を使っているフレッツ光と、独自の回線を使っているauひかり。
光回線は初心者という人でも両者の違いが分かるように、今回は次に挙げる7つの項目に分けて比較しました。
- エリア
- 通信速度
- 月額料金
- 対応プロバイダの種類
- スマホとのセット割
- キャンペーン
- 契約期間
それぞれどのような違いがあるのか詳しく見ていきましょう。
提供エリア|フレッツ光は全国対応だがauひかりの戸建てタイプは限定的
NTT回線を使用するフレッツ光はほぼ全国各地で利用可能です。
一方、auひかりの戸建てタイプは、東海地方や関西地方で申し込みができません。
【auひかり戸建てタイプ非対応エリア】
※沖縄はauひかりちゅらで申し込みが可能
これはKDDI系の地方回線である「コミュファ光」(東海地方)や、「eo光」(関西地方)といった子会社とエリアが被らないようにしているためです。
それぞれのエリアについては各公式サイトのエリア検索のページから、住所を入力して確認するようにしましょう。
通信速度|一部エリアなら両者とも最大10Gbpsの速度に対応している
フレッツ光とauひかりは、どちらも通信速度が最大10Gbpsの料金プランに対応しています。
月額料金や対応エリアなど、両者の違いは次の通りです。
種類 | フレッツ光 クロス |
auひかり ホーム 10ギガ |
月額料金 | 5,610円~ +プロバイダ料(1,100円~) =約8,000円 |
7,018円 |
通信速度 | 最大10Gbps | 最大10Gbps |
エリア | 東京都 大阪府 愛知県 (各一部地域) |
東京都 神奈川県 埼玉県 千葉県 (各一部地域) |
一見すると「フレッツ光 クロス」の方が月額料金が安いように見えますが、こちらはプロバイダ料金が別途必要になるため、実際には「auひかり 10ギガ」の方がお得です。
対応エリアはどちらも限られていますが、auひかりでは関東地域に集中していて、フレッツ光では大阪や愛知の一部地域でも利用できます。
なお、標準プランでの通信速度は両者とも最大1Gbpsなので、大きな違いはありません。

月額料金|プロバイダ料込みになっているauひかりのほうが安い
auひかりの月額料金はプロバイダ料金込みになっていて、「ずっとギガ得プラン」(3年)適用時の戸建てタイプは、電話料金込みで月額5,940円から。
一方、NTT東日本のフレッツ光ネクストのファミリータイプ(戸建てタイプ)を利用した場合、2ねん割やギガ・スマート割を適用しても、月額料金は5,489円で、光電話をつけるとauひかりよりも高くなります。
月額料金を安く抑えたい場合は、トータルでの費用がお得なauひかりがおすすめです。
プロバイダ|フレッツ光のほうが種類は多い、auひかりは7種類のみ
インターネットを利用するためには、光回線と合わせてプロバイダの契約も必要です。
フレッツ光ではプロバイダが100種類以上もあり豊富なのに対して、auひかりでは次の7種類のみとなります。
- @nifty
- @TCOM
- AsahiNet
- au one net
- BIGLOBE
- DTI
- So-net
まあ利用できるプロバイダがかなり限定されてしまいますが、選択肢が多いと選べないという人には7個くらいがちょうどいいかもしれませんね。
参考:auひかり公式
セット割|auスマートバリュー適用でauひかりはお得に使える
auのスマホユーザーがauひかりを契約すると、「auスマートバリュー」によりスマホの月額料金を安くすることができます。
割引される金額はauスマホの料金プランによって異なっていて、最大で毎月1,100円の割引が可能です。
たとえば、「ピタットプラン 5G」は毎月550円、「データMAX 5G」では1,100円の割引を受けられます。
auスマートバリューを適用するには、インターネットだけでなくauひかり電話を契約しなければいけませんが、毎月の割引を考えるとぜひ利用したいですね。
キャンペーン|auひかりには違約約金負担などのキャンペーンがある
(引用:auひかり新スタートサポート)
auひかり公式では、他社から乗り換えるユーザーを対象に、最大30,000円の還元を受けられるキャンペーンを開催しています。
この「新スタートサポート」を活用すれば、現在契約中のプロバイダを解約するときに生じる違約金を相殺することが可能です。
NTT東日本には、フレッツ光クロスを申し込む時に利用できる「フレッツ光クロススタート割」があるものの、違約金を負担してくれるようなキャンペーンは公式にはありません。
ただ、申請書の送付など必要な手続きがいくつかありますので、公式サイトで内容をよく確認しておきましょう。
契約期間|auひかりのずっとギガ得プランは3年の自動更新になる
NTT東西のプランは2ねん割を適用する「2年契約」がほとんどですが、auひかりには3年契約にすることで月額料金が安くなる「ずっとギガ得プラン」があります。
ただ、契約更新期間外で解約すると、違約金として16,500円が請求されてしまうため注意が必要です。
正直3年の契約期間を長いと感じてしまう人は、2年ごとの自動更新になる「ギガ得プラン」という選択肢も考えてみると良いでしょう。
ずっとギガ得プランとギガ得プランの違いは次の通りです。
auひかり | ずっとギガ得 | ギガ得 |
戸建てタイプ (auひかり電話込) |
月5,940円 ~月6,270円 |
月6,270円 |
契約期間 | 3年 | 2年 |
違約金 | 16,500円 | 10,450円 |
契約の柔軟性を重視する場合はギガ得プランという選択も一つの手です。
フレッツ光からauひかりへ乗り換えるデメリットや注意点とは?
フレッツ光からauひかりへ乗り換える際は、次の4つのデメリットに注意が必要です。
- フレッツ光からauひかりに「転用」はできない
- ネットと電話をセットで契約しないと工事費は実質無料にならない
- プロバイダが変わってメールアドレスが変わる可能性がある
- フレッツ光の「ひかりTV」をauひかりテレビに引き継げない
それぞれのデメリットについて詳しく見ていきましょう。
フレッツ光からauひかりに「転用」することはできない
通常、フレッツ光と光コラボ(ドコモ光やソフトバンク光等)は同じNTT回線を使っているため、乗り換える際に回線工事をしなくても簡単に乗り換える(転用する)ことができます。
一方、auひかりは独自の回線を使っているため、同じように「転用」することはできません。
auひかり対応マンションでもない限り、フレッツ光からauひかりへ乗り換える際は、申し込みから1か月以上は掛かると考えておきましょう。

インターネット光回線を乗り換えるメリットや注意点、乗換手順・方法は?転用や事業者変更もこれでバッチリ!!
なお、NTT加入電話で発番した電話番号であれば、auひかりへ乗り換える時に電話番号を継続することができます。(ひかり電話の場合は不可)
ネットと電話をセットで契約しないと工事費は実質無料にならない
転用や事業者変更はNTT回線を利用した光回線同士で行える手続きのため、auひかりを契約する場合は新規工事が必要になります。
工事費は戸建てタイプで41,250円、マンションタイプでは33,000円。ドコモ光は戸建てでも19,800円なので、他社と比べると高額です。
なお、auひかりでは工事費が実質無料になるキャンペーンがあります。
工事費は月額料金とまとめて分割で支払うことになり、戸建てタイプでは1回687円の60回、マンションタイプでは1回1,375円の24回。
その上で、月額料金から戸建てタイプで687円、マンションタイプは1,375円が割引されるため、実質的に工事費が無料になるというシステムです。
ただし、適用するには光回線と電話をセットで契約する必要があるため、インターネット回線だけを利用する場合は損になってしまいます。
後からauひかり電話を追加工事するのもお金が掛かるので、新規申し込みの段階でネットと電話をセットで契約することをおすすめします。
プロバイダが変わってメールアドレスが変わる可能性がある
前述したように、auひかりでは選択できるプロバイダが8種類しかなく、フレッツ光よりも大幅に少ないです。
そのため、元々フレッツ光で利用していたプロバイダが、乗り換え先のauひかりでは使用できなくなることがあります。
プロバイダが変わるとメールアドレスも変わるため、連絡先の引継ぎなどは結構面倒です。
あらかじめフリーメールなどに移行しておくか、メールサービスだけを別料金で引き続き使うかといった準備はしておいたほうが良いでしょう。
フレッツ光の「ひかりTV」をauひかりテレビに引き継ぐことはできない
フレッツ光から他社の光コラボへ転用する場合は、それまでフレッツ光で利用していたサービスの一部を乗り換え先でも滞りなく使えます。
しかし、auひかりはフレッツ光と異なる回線使用しているため「ひかりTV」などNTT系のサービスを引き継ぐことができません。
auひかりにも「auひかり テレビサービス」はありますが、地デジやBSが見れないなど「ひかりTV」内容は大きく異なります。
今まで利用してきたものが使えなくなってしまうため、オプションサービスを引き継げるかについてはしっかり確認しておくようにしましょう。

フレッツ光からauひかりへ申し込む手順
代理店から申し込む場合と、公式サイトから申し込む場合の手順について紹介します。
代理店経由で申し込めば高額キャッシュバックあり
長期的に契約する予定があり、途中解約することもなさそうなら代理店で契約するのも一つです。
光回線契約に多いwebの正規販売代理店は、高額キャッシュバックキャンペーンを展開していることが多いのが特徴。
例えば、KDDI正規代理店であるNNコミュニケーションズから申し込むと、最大52,000円のキャッシュバックをもらえます。
KDDI正規代理店 NNコミュニケーションズの強みは、キャッシュバック手続きが簡単にできること。申し込みの電話口で手続きを終えられるので、メールなどで後からやりとりする必要がありません。
開通した人の100%がキャッシュバックを受けとっているというのですから、安心ですね。
光回線だけの開通なのか、光回線と光電話のセットで開通するのかで料金も変わってくるので、NNコミュニケーションズのサイトでしっかりと確認するようにしてください。
公式サイトからの申し込み方法
次に、最も基本的な「公式サイト」での申し込み方法を紹介します。主な流れは次の通りです。
- auひかり公式サイト
- エリア検索
- 申込み
- 工事
- 開通
- NTTのインターネットサービスを解約
- 必要に応じてNTT回線の撤去
工事費やauスマートバリューを適用することを考えると、多くの場合、auひかりのネットと電話をセットで申し込むことになると思います。
その時に大切になるのが、フレッツ光から電話番号を移行する場合は、auひかりの工事手続きが完了する前にフレッツ光を解約してはいけないということです。
移行前に手続きをしてしまうと、電話番号の引継ぎが適切に行なわれない可能性が出てくるため気を付けてください。
つまり、フレッツ光から電話を移行する場合は、(1)auひかりの申し込み→(2)auひかりの工事(自動的いにフレッツ光からauひかり電話サービスに切り替え)→(3)フレッツ光のネットサービスを解約の順番となります。
フレッツ光の電話サービスを解約する必要はないこと、移行の時は手続きと解約の順番が重要になることには注意しておきたいですね。
なお、フレッツ光の契約中に乗り換える際は、違約金相当額を最大3万円まで還元してくれる「新スタートサポート」を使ってうまくカバーしましょう。
auユーザーはフレッツ光からauひかりに乗換えでお得!
auひかりは工事も実質無料で、乗り換え時は新スタートサポート割もあるので、フレッツ光の契約更新が先だとしても、違約金をしっかりカバーしてもらえます。
特にauユーザーはフレッツ光を使うよりもauひかりを使ったほうが月額料金がお得になりますし、乗り換えを検討してみても良いかもしれません。
ただ、NTT回線の光コラボなどと比べると工事に時間が掛かるなど、スムーズな乗り換えが難しかったり、ひかりTVなどのNTT系のサービスを引き継げなかったりするデメリットもあります。
そんなこと聞いてなかった…ということにならないように、違約金や特典の条件等をよく確認したうえで手続きを行うようにしてくださいね。