キャリアの契約より通信費を抑えられるとあって需要の高まっている格安SIM。
中でもUQモバイルは速度面の安定性や、auのサブブランドということで特に人気のSIMのひとつです。
そんなUQモバイルには、実はあまり知られていない「無制限プラン」があります。
無制限という言葉につられてつい契約しそうになってしまいますが、UQモバイルの無制限プランは必ずしもすべての人におすすめできるものではありません。
今回は、UQモバイルの「データ無制限プラン」についてまとめました。

UQモバイルの低速無制限プランとは
UQモバイルの「データ無制限プラン」の料金や契約内容を詳しく確認していきましょう。
月間データ容量無制限で月額1,980円。ただし最大速度は500Kbps
データ無制限プランはデータ通信とSMSの利用が可能なプランです。データSIMのため、電話番号での通話はできません。
月額料金は1,980円ですが、最大速度が500Kbpsと低速の設定になっています。また契約時に初期費用として、SIMパッケージ料金3,000円が必要です。
月額 料金 | 速度 | 最低利用 期間 | |
データ無制限 プラン | 1,980円 | 送受信最大 500Kbps | なし |
500Kbpsというのは通信速度としてはかなり低速。
500Kbpsでできることは後程詳しく解説しますが、つまりUQモバイルの無制限プランは「たくさん使えるかわりに速度が遅い」プランということですね。
完全に無制限なわけではない!3日6GBの通信制限がある点に注意
さらにUQモバイルの無制限プランの落とし穴は、無制限と名前がついていながら「完全に無制限ではない」ということ。
具体的にいうと、3日で6GB以上使用した場合通信制限にかかってしまいます。
ネットワーク混雑回避のために、直近3日間(0~24時までを1日とし、当日を含む直近3日間の通信量)に6GB以上のご利用があったお客さまの通信速度を制限させていただく場合があります。制限速度は混雑状況に応じて変動します。
3日6GBということは1カ月で60GB程度は使用が可能。
単純に60GBプランで契約するより安いことは確かですが、無制限で使えることを想定し契約しようとしていた人は気を付けなければいけません。
ちなみに1日2GBでは以下のように使うことができます。動画の視聴に利用する際は、通信制限にかかることが多いので特に注意が必要です。
LINEトーク | 約100万回/日 | 約4時間/日 | |
LINE音声通話 | 約100時間/日 | 約4時間/日 | |
LINEビデオ通話 | 約8時間/日 | Youtube(低) | 約10時間/日 |
約16時間/日 | Youtube(標準) | 約3時間/日 |
音声通話可能なプランは廃止に…
UQモバイルの音声通話付きデータ無制限プランは、2019年9月以降新規受付を終了しています。
現在UQモバイルで音声通話が可能なのは、「スマホプラン」「おしゃべりプラン」「ぴったりプラン」の3種類。
3~21GBまでの通信量上限があるため、データ無制限プランのように無制限というわけではありません。
そのため音声通話付きの低速無制限プランを検討している場合は、他の格安SIMを探しましょう。
無制限プランは遅い?500Kbpsの速度でできること、できないこと
それでは具体的に500Kbpsでできることを見ていきましょう。
LINE/ Skype | メッセージ | 〇 | Youtube | 低画質 | 〇 |
通話 | 〇 | 標準画質 | △ | ||
ビデオ通話 | × | 高画質 | × | ||
〇 | テザリング | △ | |||
△ | オンラインゲーム | △ | |||
△ | データ | ダウンロード | △ | ||
WEB ページ | 地図/ニュース | 〇 | アップロード | ||
通販サイト | △ |
LINEやテキストメインのサイト、SNSは使える
メールやトークアプリのメッセージ機能など、テキストデータのやり取りは、ネットの通信の中でも容量が軽く500Kbpsでも問題なくやり取りができます。
データ量 | 所要時間 | 適正 | ||
メール | 5KB/1通 | 0.5秒 | 〇 | |
LINE/ Skype | メッセージ | 2KB/1通 | 0.2秒 | 〇 |
スタンプ | 10KB/1通 | 1秒 | 〇 |
もともと128Kbpsが「テキストデータのやりとりができる速度」とされているので、それより速い500Kbpsでは何も支障ありません。
また、SNSやWEBでの検索は表示に時間はかかるものの、使用することは可能です。
データ量 | 所要時間 | 適正 | ||
SNS | 1MB/ 1投稿 | 20秒 | 〇 | |
Instagram | 5MB/ 1ページ | 1分30秒 | △ | |
WEB | ニュース | 1MB/ 1ページ | 20秒 | 〇 |
通販ページ など | 2MB/ 1ページ | 40秒 | △ |
Twitterやニュース記事など、文字がメインのSNSやWEBサイトは案外さくさく利用できます。
一方で、1ページに何枚も高画質な画像を表示しなければならないインスタグラムなどのSNSや通販サイトなどは、読み込みに時間がかかりストレスがかかってしまうことも。
時間に余裕のないときは、WiFiを使うようにした方がよさそうです。
オンラインゲームではラグが気になる…読み込みの長いものはエラーになることも
スマホのアプリゲームは最初の読み込みさえできてしまえば、さほど通信量の多くないものもあります。
ツムツムやパズドラ、モンストなどは通信制限中(128~200Kbps)でもプレイできたという人も。
ただしPUBGなど通信のタイムラグが重要視されるゲームや、グラブルなど読み込みの際の通信量が多いゲームのプレイは難しいです。
ゲームによくあるアプリの更新も、大量のデータを一度にダウンロードする必要があるため、低速環境下でのプレイは避けた方がいいでしょう。
ゲームがないと手持無沙汰という場合はあらかじめオフラインゲームをいくつかインスト―ルしておくことをおすすめします。
YoutubeやNETFLIXなどは低画質なら視聴可能
動画はデータの中でも通信量が大きいため、画質の良いものになると500Kbpsでは見ることができません。
データ量 | 所要時間 | 適正 | ||
You tube | 低画質 (144p) | 120MB/ 1時間 | 40分 | 〇 |
標準画質 (360p) | 324MB/ 1時間 | 1時間50分 | △ | |
Hulu | 低画質 (360p) | 210MB/ 1時間 | 1時間 | △ |
中画質 (540p) | 630MB/ 1時間 | 3時間30分 | × | |
Netflix | 低画質 | 250MB/ 1時間 | 1時間20分 | △ |
中画質 | 500MB/ 1時間 | 2時間40分 | × |
※Netflixはアプリ版の場合
Youtubeの標準(360p)画質での公式推奨速度は700Kbps、Netflix低画質では500Kbpsとされています。
推奨速度を少し下回る程度ではまったく見られないということはありませんが、読み込み時間が長くなったり、途中で止まってしまったり、エラーになったりという不具合はどうしても起こりうるでしょう。
Youtubeの低画質であれば問題なく視聴は可能ですが、代わりに画質はかなり粗くなってしまうためおすすめはできません。
動画を見たいときには無理に低速で使うのではなく、WiFiを利用し回線速度を確保するのが最も効率がいい方法です。
アプリやデータのダウンロードにはかなり時間がかかるので注意
データの送受信やアプリのダウンロードや更新などは、そのデータの容量がそのまま通信量として必要となります。
500Kbpsでやりとりできるデータの目安は20~30MB程度。ダウンロードに約10分ほどかかる通信量です。
時間がかかっていいのであればもっと大きなデータも送受信できますが、通信に負荷がかかるとその分パケットロスなどがおこりやすくなる恐れもあります。
重要なデータや重たいデータのやりとりをする際は、回線速度を測定し必要な速度が確保できているか確認するのがいいでしょう。回線速度はブラウザやアプリなどから簡単に調べることができます。
ブラウザやストアで、「スピードテスト」と検索すると該当のツールやアプリを見つけることが可能です。
UQモバイルよりお得な無制限プランはある?
残念ながらUQモバイルと同じ500Kbpsの低速無制限SIMは見つけられませんでしたが、同じく低速の格安SIMはいくつか存在します。
月額 料金 | 速度 | 最低利用 期間 | |||
mineo | パケット 放題+ 通常プラン (500MB) | 通話 | 350円+ 1,310円 | 送受信最大 500Kbps | なし |
SMSあり | 350円+ 700円 | なし | |||
SMSなし | 350円+ 700円 | なし | |||
ロケット モバイル | 神プラン | 通話 | 948円~ | 送受信最大 200Kbps | 1年 |
SMSあり | 398円~ | なし | |||
SMSなし | 298円~ | なし |
UQモバイルとは異なり通話SIMもあるため、電話番号が必要な人はこちらで契約するのがいいでしょう。
mineoは月+350円で500Kbs使い放題の「パケット放題」オプションがある
mineoでは2020年3月3日より月額料金に+350円すると最大速度500Kbpsで使い放題となる「パケット放題」のサービスを開始します。
使い方は簡単で、mineoアプリやマイページからmineoスイッチをONにするだけ。
実際に試してみたところ、混雑していない時間帯では最大速度である500Kbps前後の速度を出すことができました。
パケット放題は基本的に無制限で利用ができますが、Aプランでau回線を使う場合に限り3日6GBの制限がかかります。
UQモバイルもau回線のため、この点は同じですね。
従来の最大速度200Kbpsに比べ、500Kbpsではできることの幅が広がるため、大容量な通信を行わない人にはおすすめのプランです。
【mineo通常プラン月額料金】※Aプランの場合
500MB | 3GB | 6GB | 10GB | 20GB | 30GB | |
通話あり | 1,310円 | 1,510円 | 2,190円 | 3,130円 | 4,590円 | 6,510円 |
通話なし | 700円 | 900円 | 1,580円 | 2,520円 | 3,980円 | 5,900円 |


マイネオのパケット放題の料金や速度、実際の口コミ・評判はどう?
最安は速度200Kbpsのロケットモバイル神プラン
低速格安SIMの中でもお得なのはロケットモバイルの「神プラン」。
料金も安いのですが、ロケットモバイルのプランには「初速バースト」という機能があります。
初速バーストとは
⽉/3⽇間規制時や神プランをご利用中の低速通信時にも、通信しはじめの⼀定期間は⾼速通信できる機能です。テキストメインのサイトであれば数秒で読み込みが完了することもあり、⾮常に快適に使うことができます。※各キャリアにより初速バーストの速度は異なりますので予めご了承ください。(引用:ロケットモバイル公式サイト)
つまり低速で契約しておきながら、一定期間は高速で通信ができるということになります。
あくまでおまけの機能なので、動画まで快適に見られるというわけではありませんが、LINEなどでのやりとりやWEB検索はかなりスムーズに行うことが可能です。
ロケットモバイル公式では使い方を以下のように推奨しています。
(画像引用:ロケットモバイルサポートセンター)
SNSや動画視聴など、重たいデータを扱わない人には特におすすめの格安SIMです。
高速で無制限ならポケットWiFiがおすすめ
無制限にネットを使いたいという場合は、格安SIMでは限界があります。
しかしキャリアの無制限プランは月9,000円ほどと、かなり高額。
そんな人におすすめなのは「格安SIM+ポケットWiFi」の組み合わせです。
ポケットWiFiはスマホと一緒に持ち歩くことで、外出先でも通信量を気にせず、WiFiを通してネットをすることができます。
データ通信をたくさん行いたい人は、キャリアや格安SIMの大容量プランで契約するよりも、「容量の少ない契約+ポケットWiFi」の方が総額費用が安くなります。
おすすめのポケットWiFiを紹介していきましょう。
1位|MugenWiFi|100GB最安ポケットWiFi
MugenWiFi | |
月額料金 | 100GB:3,050円(クラウドSIM) |
初期費用 | 3,000円 |
端末代 | 0円(返却要) |
契約期間 | ・2年契約 ・違約金5,000~9,000円 |
100GBを使えるポケットWiFiの中で、最も料金が安いのがMugenWiFi。
2年契約が基本となっていますが、13か月以降の違約金が5,000円、2年以降であれば違約金なしでいつでも解約可能であるというのがありがたいメリットの一つ。
さらに、契約期間の縛りをなくしたい場合は「2年間縛りなし」のオプション(月額600円)を追加することで、いつでも解約できるようになります。
2位|どこよりもWiFi|100GBポケットWiFi
どこよりもWiFi | |
月額料金 | 20GB:2,280円(ソフトバンク) 100GB:3,080円(クラウドSIM) 200GB:3,980円(クラウドSIM) |
初期費用 | 3,000円 |
端末代 | 0円(返却要) |
契約期間 | ・2年契約 ・違約金9,500円 |
100GBを使えるポケットWiFiの中で、2番目に料金が安いのがどこよりもWiFi。
また、上記の料金よりも500円~700円高くなってしまう代わりに2年という契約期間がなくなるプランもあります。
そんなに長くは使わない、すぐに使わなくなるかもしれないという心配がある人はそちらのプランを選ぶと良いでしょう。
3位|FUJI WiFi
FUJIWiFi | |
月額料金 | 30GB:2,600円(ドコモ、ソフトバンク、au) 50GB::2,900円(ソフトバンク) 100GBプラス:3,950円(ソフトバンク) |
初期費用 | 3,000円 |
端末代 | 0円(返却要) |
契約期間 | なし |
ソフトバンク以外にもドコモやau回線を選べるFUJIWiFi。
また契約期間がないというのも大きなメリット。違約金なしでいつでも解約できるので、使い勝手はいいでしょう。
またFUJIWifiにはSIMプランもあるのでデュアルSIM対応端末であれば、データ通信はFUJIWiFi、音声をIIJmio(詳細)など別の格安SIMとして1台のスマホで格安に大容量の通信が可能となります。
FUJIWiFiのSIMプランは10GBが980円、20GBが1,600円、50GBが2,400円、100GBが3,400円とルータープランより約500円安いので、端末がある、もしくはスマホにいれて利用するならSIMプランがおすすめです。
4位|GMOとくとくBBWiMAX
GMOとくとくBB WiMAX | |
月額料金 | 初月~2ヶ月目:3,609円 3ヶ月目以降:4,263円 |
初期費用 | 3,000円 |
キャッシュバック | 最大32,000円 |
端末代 | 0円 |
契約期間 | ・3年契約 ・違約金19,000円(12か月目まで) ・違約金14,000円(13~24か月目まで) ・違約金9,500円(25か月目以降) |
キャッシュバックがたくさん貰えるというのが大きな魅力であるGMOとくとくBB WiMAX。
月額料金を見ると一見高いように見えますが、キャッシュバックを含めて考えるとWiMAXの中では最も安くなっています。
WiMAXは最大速度が優れている、3日で10GBを超えて制限された場合でも1Mbpsとそれなりに使える速度である、といったメリットがあります。
その点からWiMAXを選ぶというのであれば、第一選択肢としてGMOを選びましょう。
結論:UQモバイルの無制限プランはLINEやSNSメインの人におすすめ。ただし最大速度が遅い上、通信制限もあるので注意。
UQモバイルの無制限プランは月1,980円で無制限という文字だけ見ればたしかにお得なプランです。
しかし最大速度が500Kbpsである点や3日6GBの制限がある点を考えるとすべての人におすすめできるプランではありません。
UQモバイルの無制限プランを使いこなすのであれば、500Kbpsの速度でできることをきちんと理解しておいた方がいいでしょう。
LINE/ Skype | メッセージ | 〇 | Youtube | 低画質 | 〇 |
通話 | 〇 | 標準画質 | △ | ||
ビデオ通話 | × | 高画質 | × | ||
〇 | テザリング | △ | |||
△ | オンラインゲーム | △ | |||
△ | データ | ダウンロード | △ | ||
WEB ページ | 地図/ニュース | 〇 | アップロード | ||
通販サイト | △ |

