スマホを使うときに気になるのが、高速データ通信の容量ではないでしょうか。
容量を使い切ってしまうと低速通信しかできなくなるので、ネットを使うのが不便になってしまいます。
UQモバイルの「節約モード」に切り替えると無制限に通信できるようになりますが、通信速度が低下するのが気になるところ。
本記事では、UQモバイルの節約モードの特徴や低速通信でもできることについて、詳しく解説します。
UQモバイルのプラン料金やキャンペーンについてはこちらの記事を参照してください。
UQモバイルの節約モードとは
UQモバイルの「節約モード」とは、「くりこしプランS/M/L」に付帯しているサービスです。
通信モードを使用すると通信速度が制限され遅くなりますが、上手く活用するとデータ通信容量を節約することができます。
UQモバイルの節約モードについて見ていきましょう。
節約モードに切り替えれば通信量を消費しない
節約モードに切り替えると、料金プランのデータ通信容量を消費することなく、ネットを使うことができるようになります。
例えば、5分間のYouTube動画を240pの低画質設定で毎日再生する場合、1か月で消費される通信容量は400MB前後です。
YouTube動画を再生するときに節約モードに切り替えるようにすると、その400MB分の通信容量を節約することができます。
UQモバイルの節約モードの通信速度では、240pのYouTube動画は再生できるので、うまく活用すれば通信量を大幅に節約することが可能です。
節約モードの速度は契約したプランによって異なる
節約モードに切り替えると通信速度が制限されますが、速度は契約している料金プランによって異なることが特徴です。
UQモバイルくりこしプラン 月額料金(税込) |
||||
【容量】 | Sプラン 3GB |
Mプラン 15GB |
Lプラン 25GB |
|
制限時 速度 |
300kbps | 1Mbps | 1Mbps | |
月額料金 | 1,628円 | 2,728円 | 3,828円 | |
初期費用 | 3,300円 | |||
契約期間 | なし | |||
違約金 | なし |
「くりこしプランS」では通信速度が最大300Kbpsに、「くりこしプランM/L」では最大1Mbpsに制限されます。
つまり、節約モードを使用すると「くりこしプランS」では低速通信になり、「くりこしプランM/L」では中速通信になるということ。
「Kbps」や「Mbps」という単位は「1秒で送れるビット数」を示すもので、この数値が高いほど通信速度が速くなります。
分かりやすい単位に置き換えると、300Kbpsでは1秒間に37.5キロバイト、1Mbpsは125キロバイト送れるということです。
そのためUQモバイルの節約モードの通信速度は、通信制限時に200Kbpsまで低下する一部の格安スマホよりは快適に使えると言えます。
1 Mbps |
200 Kbps |
128 Kbps |
1 Mbps |
200 Kbps |
128 Kbps |
||||
LINE/ Skype |
メッセージ | 〇 | 〇 | 〇 | You tube |
低画質 | 〇 | △ | × |
通話 | 〇 | 〇 | △ | 標準画質 | 〇 | × | × | ||
ビデオ通話 | 〇 | △ | × | 高画質 | × | × | × | ||
〇 | △ | △ | テザリング | 〇 | △ | △ | |||
△ | × | × | オンラインゲーム | 種類による | × | ||||
△ | × | × | データ | ダウンロード | 50MB | 10MB | × | ||
WEB ページ |
地図/ニュース | 〇 | △ | △ | アップロード | ||||
通販サイト | △ | △ | × |
節約モードへの切替はUQmobileポータルアプリでワンタッチ
節約モードへの切り替え方はいたって簡単で、「UQ mobile ポータルアプリ」を起動して、画面右下にあるスイッチをタップするだけです。
ポータルアプリとは、通信データ残量の確認や通信モードの切り替えなど、スマホを快適に利用するための設定を簡単にできるアプリ。
UQ mobile端末の場合は最初からインストールされていますが、その他の端末ではアプリをダウンロードする必要があります。
iPhoneはAppStoreから、AndroidであればGooglePlayから、それぞれ「UQ mobile ポータルアプリ」を入手しておきましょう。(AppStore:UQmobileポータルアプリ、GooglePlay:UQmobileポータルアプリ)
UQモバイルの節約モードでできることQ&A
UQモバイルに関する質問について、よくあるものをまとめました。
何か分からないことや疑問があるときに参考にしてみてください。
Q.LINEは使える?通話もOK?
A.LINEはプランS/M/Lで使用可能。プランSではビデオ通話に遅れや途切れがあることも。
【容量】 | Sプラン 3GB |
Mプラン 15GB |
Lプラン 25GB |
|
制限時 速度 |
300kbps | 1Mbps | 1Mbps | |
メッセージ 送受信 |
〇 | 〇 | 〇 | |
通話 | 〇 | 〇 | 〇 | |
ビデオ通話 | △ | △ | △ | |
画像・動画の 送受信 |
× | △ | △ |
LINEはどの料金プランでも、メッセージと通話、ビデオ通話のすべてが使用可能です。
ただし、プランSの場合は通信速度が最大300Kbpsということもあり、ビデオ通信の遅れや画質の悪化が起きることがあります。
電波状態が悪化すると、ビデオ通信の品質もさらに低下するので注意が必要です。
プランMやLの場合は、ビデオ通話でも高速通信時と同じような快適性を保てるので、安心して使えます。
Q.インスタやTwitterなどのSNSは使える?
A.Twitter以外のSNSはプランSでは難しいが、プランM/LではすべてのSNSを使用可能。
【容量】 | Sプラン 3GB |
Mプラン 15GB |
Lプラン 25GB |
|
制限時 速度 |
300kbps | 1Mbps | 1Mbps | |
△ | 〇 | 〇 | ||
× | △ | △ | ||
× | △ | △ |
インスタグラムやTwitterなどのSNSは、多数の画像が投稿されているので意外と通信量の大きなアプリです。
通信速度300KbpsのプランSでは、テキストがメインのTwitterは使用可能ですが、それでも画像表示がエラーになることや、読み込みに多少時間が掛かることがあります。
インスタやFacebookなど画像が多いSNSも使えないということはありませんが、表示時間が非常に長くなるのでストレスがたまってしまうでしょう。
一方、プランM/Lの場合はすべてのSNSを使用可能ですが、やはりインスタやFacebookのような大量の画像が投稿されているSNSでは、遅くなることがあるので注意が必要です。
Q.Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスは使える?
A.音楽ストリーミングサービスはプランS/M/Lで使用可能。ただし、プランSでは高音質設定で途切れがあることも。
【容量】 | Sプラン 3GB |
Mプラン 15GB |
Lプラン 25GB |
|
制限時 速度 |
300kbps | 1Mbps | 1Mbps | |
低音質 | 〇 | 〇 | 〇 | |
標準音質 | 〇 | 〇 | 〇 | |
高音質 | △ | 〇 | 〇 |
Spotifyなどの音楽ストリーミングサービスは、基本的にはどのプランでも使用可能です。
ただし、音質設定によって通信量が大きく変わるので、設定によっては快適に使えないことも。
例えば、LINEmusicはSpotifyよりもデータ容量が大きく、高音質設定にすると読み込みに長い時間が掛かったり途切れたりすることがあります。
プランMとLの場合は、どのサービスでも問題なく使用可能です。

Q.Youtubeなどの動画は見られる?
A.プランSでは低画質設定で視聴可能。プランM/Lは中画質でも見られるが、高画質は難しい。
【容量】 | Sプラン 3GB |
Mプラン 15GB |
Lプラン 25GB |
|
制限時 速度 |
300kbps | 1Mbps | 1Mbps | |
低画質 | 〇 | 〇 | 〇 | |
標準画質 | △ | 〇 | 〇 | |
高画質 | × | △ | △ |
Youtubeなどの動画配信サイトはどちらのプランでも使用可能ですが、画質によって通信量が大きく変わるので注意が必要です。
プランSでは144pの低画質設定では比較的快適に視聴可能ですが、240pではカクつきが発生するようになり、360p以上になると視聴困難に。
プランM/Lなら標準画質でも問題なくみられるようになりますが、720p以上の高画質設定では読み込み時間が非常に長くなりカクつきも増えることから、視聴するのは難しいと言えます。
スマホで動画を視聴するなら240~360pの標準画質でも十分ですが、タブレットやパソコンは画面が大きくて粗さが目立つので、720p程度の高画質が望ましいところ。
タブレットやパソコンで動画を視聴する場合は、プランM/Lでも十分な画質で楽しむのは難しいので注意しましょう。
Q.テザリングは使える?
A.テザリングはプランM/Lでは基本的には使用可能だが、プランSではテキスト主体のサイトに限られる。
タブレットやパソコンをスマホつなげて通信するテザリングも、基本的にはどちらのプランでも使用できます。
ただし、快適性は使用するアプリやウェブサイト、料金プランによって大きく異なるので注意が必要です。
通信速度300KbpsのプランSの場合、テキスト主体のウェブサイトは問題なく使えることが多いですが、広告が多いページでは読み込みにかなり時間が掛かります。
画像や通信量の多いSNSや動画サイトは使用不可能なので、プランSでテザリングする場合は、テキストメインのサイトを利用するようにしましょう。
一方、通信速度が1MbpsになるプランM/Lではどのサイトでも比較的快適に使えますが、やはり動画サイトは中画質程度が限界になります。
テザリングはBluetooth接続だと遅くなるので、WiFiもしくは可能な限りUSBで接続する方が好ましいです。
UQモバイルの節約モードを他社プランやオプションとの違いを比較
UQモバイルの節約モードについて、「Y!mobile」「mineo」「楽天モバイル」の3社と比較してみました。
スマホを契約する際の参考にしてみてください。
Y!mobile(ワイモバイル)は節約モード切替不可
Y!mobileではUQmobile同様、制限時速度が1Mbpsの中速となる「シンプルプランS/M/L」がありますが、残念ながら高速モードと節約モードを自分で切り替えることはできません。
そのため、UQmobileほど自由に節約ができないので要注意。
Y!mobileで通信制限にならないよう対策するには、WiFiを使用するのがいいでしょう。
また、Y!mobileにはデータ容量を超過したときに自動的に容量を追加して、低速通信になるのを防げる「オートチャージ(快適モード)」というシステムがあります。
1回あたり0.5GBのチャージで550円なのでコスパは良くありませんが、高速通信で快適に使い続けたい人にはおすすめです。
mineo(マイネオ)のデータ使い放題オプションは速度500Kbps
mineoには、通信速度500Kbpsでネットが使い放題になる「パケット放題」というオプション(月額385円)があります。
使い方は簡単で、mineoアプリやマイページから「mineoスイッチ」を切り替えるだけ。
対象となるサービスには全く制限がなく、通常のウェブサイトやSNSはもちろん、動画配信サービスやゲームなども使用可能です。
通信速度が500Kbpsあれば、300Kbpsでは難しかったSNSも使いやすくなるので、UQモバイルのスマホプランSよりは快適に使えるようになります。

楽天モバイル(楽天アンリミット)は楽天回線が使い放題な上、制限後速度が1Mbps
格安SIM事業者だった楽天モバイルは、自社回線を用意してキャリアとなりました。
その結果として料金プランが大幅に充実し、「楽天アンリミット」ではデータ通信容量が無制限で月額料金はなんと3,278円。
さらに、新規申し込みで料金が3か月間無料になるキャンペーンが行われており、4か月目以降も月1GB未満のデータ使用量であれば維持費はかかりません。
さらに、楽天回線を使用する場合は通信制限もないため、まさに「アンリミット」と言えるでしょう。
ただし、楽天回線のエリアは現在のところ主に都市圏付近のみで、それ以外ではパートナー回線(au回線)となります。
au回線を使用する場合は月間の通信容量が5GBまで使用可能。
しかし超過後も通信速度が1Mbpsで通信できるので、どの格安SIMにしようか悩んでいるなら、ひとまず楽天モバイルを試してみるといいでしょう。
UQモバイルの節約モードの使い方のポイント
UQモバイルの節約モードを効果的に使うための3つのポイントを紹介します。
- 高速モードと上手に使い分ける
- 節約モード中の通信制限に注意
- 速度が出ないときは通信環境を整えよう
高速モードとの使い分けが肝心
せっかく節約モードで通信量を抑えようとしても、いつも節約モードにするとネットを快適に使えなくなります。
そこで、状況に応じて節約モードと高速モードを上手に使い分けることが大切です。
快適性をなるべく犠牲にしたくない場合は、テキストメインのサイトやTwitterなど、比較的通信量が比較的小さいときに節約モードに切り替えましょう。
可能な限り通信量を節約したいという場合は、動画サイト閲覧時も低画質モードに設定して、さらに節約モードに切り替えます。
ただし、あまりに動画の再生品質が悪くて使い物にならないときは、高速モードに切り替えて画質設定を上げることで対応しましょう。
UQモバイルでは余った通信量を翌月に繰り越すことができるので、頑張って節約しておくと必要なときに高速通信を存分に使えるようになります。
節約モード中にも通信制限があるので注意
UQモバイルでは短期の通信制限があり、高速モードと節約モードどちらの場合でも制限が掛けられるので注意が必要です。
短期制限は、直近3日間のデータ通信量の合計が6GB以上になったときに、通信速度が一定以下に制限されるというもの。
短期制限が掛かっているときの通信速度や制限日数に関しては公開されていませんが、余計な制限を掛けられるのはできるだけ避ける方が良いでしょう。
節約モードに切り替えている場合でも、使いすぎには注意してください。
最大速度はあくまで理論値。速度が出ないときは通信環境を整えよう
一般的に、通信事業者が表示する「最大300Kbps」「最大1Mbps」などの数値は、「理論値(ベストエフォート)」となっています。
「理論値(ベストエフォート)」とは、最高の条件下でネットを使用したときに出せる通信速度のことです。
通信回線は、端末の性能や同時アクセス人数、周囲の環境など様々な要因に影響されます。
言い換えれば、通信環境が悪い場合は理論値よりも通信速度が大幅に遅くなることがあるということ。
特に、「節約モード」に切り替えているときは元々スピードが遅くなっているので、できるだけ快適に使うためには通信環境を整えることが大切です。
通信環境を改善するために、次の対策を取ってみましょう。
- オフィス街など建物が密集している場所から離れて使う
- 建物の外で使うようにする
- 土地の起伏が激しくない場所へ移動する
- 建物の中で使う場合は地下や高階層ではなく少し高めの階で使う
電波は障害物を通り抜けるたびに弱くなってしまうので、周囲の障害物が少ないところで使うようにすると通信が安定します。
また、端末にキャッシュやデータを貯め込まないなど、スマホ側の容量を開けておくことも効果的です。
ただし、通信が混雑している場合は上記の対策を取っても十分な速度が出ないことがあるので、快適に通信したいときは高速通信に切り替えるか、WiFiを使用するようにしましょう。
【まとめ】UQモバイルの節約モードは1MbpsのプランM/Lがおすすめ。切替をうまく使って通信量を節約しよう
UQモバイルの節約モードはプランSでは300Kbps、プランM/Lでは1Mbpsと最大通信速度が異なります。
数値上で見ると大したことが無いように思えますが、実際使うとこの差はかなり大きく、特に動画視聴やSNSをするという人は、速度の速いプランM/Lの方がおすすめです。
ただし、せっかくの節約モードもうまく使えなければ、ただただストレスがかかってしまうだけで意味がありません。
節約モード時の速度で何ができるのか把握して、通信量を節約しましょう。